急性胆管炎といえば、これまで芸能人の出川哲朗さんやフジテレビの三宅正治アナウンサーなどが発症した病気ということで聞いたことがある方も多いことでしょう。
急性胆管炎は胆管に胆石ができて胆汁が流れるのを邪魔し、細菌が感染して炎症を起こさせる病気です。

肌や白目が黄色っぽくなった・腹部が痛い・寒気を感じて発熱したなどの症状がある場合は、急性胆管炎の可能性が考えられます。
本ページでは症状や原因、治療方法、どんな人がかかりやすいのかなどをご紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

急性胆管炎はどんな病気?

胆管炎は胆嚢に炎症が生じる胆嚢炎(たんのうえん)と合併する「胆道感染症」にかかる患者さんが多いということから、胆嚢炎と一緒に取り上げられることがよくあります。

胆管の場所や役割

胆管について知るには、周辺の臓器や関連性、胆管がどんな働きを持っているかを踏まえておくと理解がスムーズになります。
胆管は、肝臓・十二指腸・胆嚢をつなげている管の名称です。
胆嚢は膵臓(すいぞう)と肝臓の間に位置していて、袋状の形をしています。

肝臓で胆汁(たんじゅう)と呼ばれる脂肪が消化吸収されるようサポートする成分が分泌されています。
この胆汁は胆嚢で貯蓄され、濃縮されます。
胃から十二指腸へと食べた物が移動するとき、胆嚢が刺激を受けて、胆汁をまるでポンプのように胆管を通過し押し出します。

急性胆管炎とは

健康な状態での胆汁は、十二指腸へ胆管を流れて運ばれていきますが、胆汁が部分的に固まりとなり、胆石と呼ばれる石に変化する場合があります。
胆石が作られてしまうと、多くのケースでは胆汁がこれまで同様にスムーズに流れにくくなります。
すると細菌が感染するなどが生じて胆管に炎症が発症する病気が、急性胆管炎です。
ちなみに胆石が胆管ではなく胆石に生じて炎症を発症させた場合は、急性胆嚢炎ということになります。

急性胆管炎にかかった著名人

急性胆管炎は、これまでテレビなどで活躍する芸能人や著名人がかかったという報道もなされてきました。
芸能人のお笑いタレント出川哲朗さんは、2017年9月10日付けのご本人のブログで、6日の夜から胆管炎が原因で入院したことを報告しています。
14日に更新されたブログでは、無事に退院されたことも明かしていました。

フジテレビの三宅正治アナウンサーは、同局系の朝の情報番組であり、ご自身が司会を担当している「めざましテレビ」の2017年11月16日放送分の出演を見合わせ、前日の15日に急性胆管炎で入院をされたとのことでした。

急性胆管炎の主な症状

急性胆管炎の主な症状は3大症状と呼ばれており、黄疸(おうだん・白目や皮膚が黄色っぽくなる)・腹部の右上やみぞおち付近が痛くなる・発熱と悪寒を発症します。
これらの症状は急性胆管炎の可能性が考えられますでの、速やかに病院で診てもらってください。
ガマンなどせずに、医師の適切な治療を受けることが大切です。
胆石があるという方の場合は、特に早めに受診されることをおすすめします。

急性胆管炎が進行する発症する疾患に、急性閉塞性化膿性胆管炎(へいそくせいかのうせいたんかんえん)があります。
急性閉塞性化膿性胆管炎は胆道感染と並行して敗血症(はいけつしょう)を患い、ショック症状や意識障害などといった重い疾患につながるので、救急処置での対応が求められます。

急性胆管炎にかかる原因

急性胆管炎は胆管がん、または総胆管結石が原因で生じた胆汁うっ滞と細菌感染を同時に発症する病気です。
原因である菌はいろいろありますが、特に多いのは大腸菌です。
近年の傾向として、嫌気性菌(けんきせいきん)が原因でうつる患者さんも増えています。

急性胆管炎の診断

急性胆管炎の診断は、CRP陽性・血沈亢進(けっちんこうしん)・血液検査により白血球数が増えているかなどの検査が行われます。
CT検査などもあるのですが、特に腹痛の症状があるときに有効な検査方法が腹部超音波検査というもので、優れた診断を行うことが可能です。

急性胆管炎だと診断される場合、胆道系酵素であるLAPやγ(ガンマ)―GTP、ALPの血中濃度が高くなります。
胆汁を採取して培養したり、血液培養を行う検査で、原因菌が何かを明らかにすることができます。

急性胆管炎の検査の種類

急性胆管炎や胆嚢炎は、どのような検査が実施されているのでしょう。
通常では、主に以下のMRI検査・CT検査・エコー検査・血液検査の4種類が検査方法として行われています。

MRI検査

MRI検査(磁気共鳴映像法)は電波と磁場の働きで体の中がどのような状態にあるのか細かく画像にすることで、胆管の状態が確認できます。

CT検査

CT検査(コンピュータ断層撮影法)は、X線で撮った映像をコンピュータによって数値を出し、身体を輪切りにしたような画像が見られることによって、胆管の状態を確認できます。

エコー検査

エコー検査(超音波検査)は、身体に人間の聴覚では聞くことが困難な音波をあてることによって胆石があるかどうか、その性状、胆管の状態などが分かります。

血液検査

血液検査を行うことによって、血液の中にある白血球の数、体内で炎症が発症している時期に増えるタンパク質の量などが分かります。

急性胆管炎の治療

急性胆管炎の治療は抗生物質・鎮痛薬(ちんけいやく)・点滴での補液(ほえき)・食べ物を一時的に口にしない・安静にするなどを行います。
補液とは電解質や水分などを点滴で投与する治療方法のことで、急性胆管炎の治療ではカリウムやナトリウムなどの電解質を補給していきます。
鎮痙薬とは、内臓平滑筋の収縮や緊張をやわらげ、それらが原因で引き起こされていた痙攣(けいれん)性疼痛を取り除く薬のことです。

一般的な急性胆管炎の治療は、以下のことが行われます。

  • 胆管を詰まらせている胆石を除去する
  • 胆管内をスムーズに流れにくくなった胆汁を、胆道ドレナージによって体外へ排出させる
  • 抗菌薬などの薬品を用いての治療
  • 患者さんの進行具合によっては、症状が落ち着いたところで胆嚢を除去する手術が必要なケースもある

急性胆管炎が進行し急性閉塞性化膿性胆管炎の状態になっている患者さんは膿が溜まっていますので、体外に排出させる治療が施されます。

薬物療法

電解質や水分を点滴で体内に補給させるのと並行して、抗菌薬が使用されます。
細菌の感染を原因とする症状の進行を、抗菌薬が予防してくれるからです。
状態によっては鎮痛剤が投与され、痛みを緩和させます。

胆道ドレナージ

胆道ドレナージは、スムーズに流れなくなった胆汁を体の外に排出させる方法です。
医療用のチューブを、鼻から胃、十二指腸、胆管へと入れて、胆管内部にある胆汁を排出させます。
鼻ではなく、皮膚の外側から針を刺し、細いチューブを肝臓から入れる施術方法もあります。

手術・入院期間

胆道ドレナージの施術を終えたら、内視鏡のような処理や手術により胆石を体内から除去させます。

急性胆管炎と同じ胆石の除去が必要な治療でも、急性胆嚢炎の場合は基本的に胆嚢の除去手術が早い段階で行われます。
胆嚢の除去は、開腹手術と腹腔鏡(ふくくうきょう)手術という2種類の手術方法があります。

  • 開腹手術(入院期間:1週間~10日ほど)── 腹部を切開して行う手術
  • 腹腔鏡手術(入院期間:5日~1週間ほど)── 小さな穴を腹部にあけ、器具を穴から入れて行う手術

手術が終了したら、あまり多くはないものの患者さんによっては肺炎を患ったり発熱することがあります。
身体を十分に休息させ、無理をなさらないようにしてください。

では、急性胆管炎の入院期間はどのくらいだろいうと疑問が湧いてきます。
上記でご紹介した出川哲朗さんも三宅アナも入院との報道でしたので、急性胆管炎も入院治療が行われているということになります。
出川さんの場合は9月10日付けのブログで6日の夜から入院、14日のブログで無事に退院されていることが載っていますので、1週間前後の入院だったのではと推測できます。

急性胆管炎の重症度判定基準

急性胆管炎は、Tokyo Guidelineと診療ガイドラインによって、軽症・中等症・重症の3種類に分類されます。
急性胆管炎の中でも、以下にあげる5項目のうち1つでも伴う患者さんは中等症という診断基準が設けられています。

  1. 39℃以上の高熱
  2. 血小板数減少(< 12万 /mm3)
  3. 腎機能障害(尿素窒素> 20mg/dL,クレアチニン> 1.5mg/dL)
  4. 低アルブミン血症(アルブミン< 3.0g/dL)
  5. 黄疸(ビリルビン> 2.0mg/dL)

急性胆管炎の中でも、以下にあげる4項目のうち1つでも伴う患者さんは重症と診断されます。

  1. 急性腎不全
  2. 意識障害
  3. 菌血症
  4. ショック

急性胆管炎の中でも、上記の中等症と重症のいずれの項目にもあてはまらない患者さんは、軽症と診断されます。

急性胆管炎の死亡率

急性胆管炎の患者さんの予後は、1980年を境にその前と後で傾向が分かれます。
1980年より前の急性胆管炎の死亡率は57%~65%と高い数字で、これは腎不全・意識障害・菌血症・ショックを伴う重症例の患者さんにおけるデータです。
1980年より後での死亡率は10%~28%で、多臓器不全が死因である方が多かったと報告されています。
1980年より前に死亡率が高かったのは、経皮経肝胆道ドレナージ・内視鏡下経乳頭的胆管ドレナージなどが多くの臨床において用いられる前であったこととのつながりが指摘され、それは、緊急胆道減圧ドレナージにとても意義があったことの裏付けといえるでしょう。

急性胆管炎にかかりやすいタイプとは

急性胆管炎や急性胆嚢炎にかかりやすい人として、胆石がある人は発症リスクが高いといわれています。
胆管の流れをふさいでしまう原因の胆石はいくつかの種類があるのですが、特に急性胆管炎を発症するのはコレステロール結石であることがわかっています。
胆石が生成されやすいタイプは、以下の特徴があげられます。

  • 食生活が崩れている
  • 動物性脂肪分が多めの食生活を送っている
  • 年齢が40歳を超えた中高年層である
  • 女性である

コレステロール結石は脂肪分が蓄積して石になるので、動物性脂肪分が豊富なメニューを大好物とする方は気を付けてください。
女性の方が男性に比べ、急性胆管炎の発症率が高いことがわかっています。

手術後に気を付けたいこと

仮に、胆嚢を手術で除去したとします。
胆嚢は胆汁を溜めておくことが役割の一つですので、なくなってしまえば胆汁を溜めておくことができなくなります。
とはいえ、身体がだんだんと慣れてくるものなので、胆嚢を取り除いたとしても大きな心配は不要でしょう。

再び胆石ができたら、すでに胆嚢を除去しているとしても胆管炎を発症するリスクが考えられます。
お腹が痛くなったり熱が出るなどの心配な症状が出たら、すぐに医療機関で診察を受けてください

治療後には、ご本人はもちろんのことご家族などの看護をされている方も、以下に注意してみてください。
胆石が作られにくい生活習慣を送ることができます。

  • 適度な運動を生活の中に取り入れ、肥満防止を心掛ける
  • 動物性脂肪が豊富な食べ物を控える
  • 生活習慣の見直しを行い、規則正しい日常を送る

急性胆管炎かなと思ったら

急性胆管炎かなと疑うことが必要である発熱・腹痛・吐き気などの症状が急に現れたときは、消化器外科や消化器内科へ行って診てもらいましょう。
腹部の痛みは、特に右上が痛い場合は急性胆管炎の可能性が高くなります
治療は入院をして行うことになることが予想できますから、クリニックよりも病院で受診されることになります。
ただ、まずは急性胆管炎にかかっているのかを確認するために、かかりつけやご近所のクリニックへ足を運ばれるのもいいでしょう。

食生活などを見直そう

急性胆管炎だと診断されるとしたら、食生活などに原因があります。
普段の生活における注意点としては、栄養バランスのいい食事を心掛けること・過労にならないよう注意すること・暴飲暴食を抑えることなどが重要です。
主な治療法としては薬物療法・胆道ドレナージ・胆石を体外に排出させる手術などいろいろあります。
もし心配な症状があれば、早めに病院で正しい診断と適切な治療を受けてください。

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