2018年も春が近づき、花粉症の季節がいよいよ到来します。
飛散する花粉の種類は1年のその時期によってさまざまですので、ご自身の花粉症の症状がでる時期に飛散する植物の種類を知ることができれば、その特徴にあった花粉症対策を効果的に行うことができるようになります。
本ページでは2018年の春の花粉症に焦点を当て、飛散する花粉の種類とその特徴などをまとめました。
花粉症の対策についてもお伝えしますので、ぜひご参考になさってみてください。

春の2月・3月・4月・5月に飛散する花粉の種類

花粉症というと春のイメージがありますが、実際には他の種類の花粉症が1年中あります。
春に花粉症の症状がでるという方は、2月・3月・4月・5月に飛散する花粉の種類を知れば、原因や症状から必要な対策をピンポイントで取れるようになります。


引用元:花粉症ナビ (http://www.kyowa-kirin.co.jp/kahun/)

クリ・コナラ

クリやコナラはブナ科の一種で、日本の野原や山に生息する落葉樹木です。
秋になるとクリは栗の実がなり、コナラはドングリがなります。
クリやコナラの花粉が飛ぶ時期は地域によって異なり、日本の北部地方は5月・6月頃、中央部より南では3月・4月・5月頃となります。
特にお住まいが山の付近にあり、近場にクリやコナラが栽培または自生している環境では、花粉症対策を行うことをおすすめします。

イネ科

イネ科はハルガヤ・オニウシノケグサ・ホソムギやネズミムギを含むネズミホソムギ・カモガヤなどたくさんの種類の植物があり、いずれも花粉症を引き起こします。
花粉の飛散量が最多になる時期は全て同じではありませんが、だいたい5月・6月と8月・9月の1年に2回飛散ピークを迎える品種が多いのが特徴です。
ピークを迎えるのは5月・6月でも、春から飛散し始めていますから、全国的に注意が必要です。
イネ科の植物は九州・関西・関東が2月中旬から、東海・東北は3月下旬から、北海道は5月上旬から花粉が飛びます。

優れた生命力を持つことで知られるイネ科の雑草は、特に人間が手をかけて育てなくても、山沿い・空き地・道端などどんな場所でもたくましく生息している植物です。
イネ科の雑草の品種に芝草(しそう)があることから、芝生でイネ科の花粉が舞っている場所もあります。
イネ科の花粉は遠方まで飛散するヒノキやスギとは異なり、風に乗って遠くまで運ばれることはありません。
高く舞ったとしても数十メートルにしか達しませんから、イネ科の植物の花粉症対策としては近づかないことが最善策といえます。

白樺(しらかば・シラカンバ)

カバノキ科カバノキ属の白樺は、シラカンバとも呼ばれている落葉樹です。
白樺は、白い樹皮が特徴的であることから命名されました。
生息する主な地域は、静岡・長野・福井・北海道の高原など。
全国的に花粉症というとスギのイメージが強くありますが、北海道でスギがあるエリアな南部だけであり多くありません。
北海道にお住まいの花粉症の方は、ほとんどが白樺が原因だと考えられます。
北海道で白樺の花粉が飛ぶ時期は主に4月~6月で、5月にピークを迎えます。
東北でも白樺の花粉は飛散し、例年4月上旬頃からです。

カバノキ科である白樺の花粉は、キウイ・カキ・サクランボ・モモ・リンゴなどによる果物アレルギーの口腔アレルギー症候群が発症する可能性がありますから気を付けてください。
口腔アレルギー症候群にかかると、口や口周辺に腫れやかゆみなどの症状が現れます。
症状が発症するのは果物に含まれるタンパク質とハンノキなどのアレルゲン物質が似た構造をなしているからで、花粉で症状が出る方はこれらのフルーツでもアレルギー反応が出てしまうというわけです。

ハンノキ属

ハンノキ属は日本中で見られるカバノキ科ハンノキ属の落葉高木で、特に多く生息している地域は北陸地方や北海道です。
ハンノキ属のような湿地帯で森林を形成するこできる樹木は珍しく、ハンノキの花粉症はハンノキ森林があるエリアでよく発症しています。
12月~2月頃の冬の時期(北海道のみ3月くらい)にハンノキは花を咲かせ、花粉が飛ぶのは2月~5月頃です。
毎年3月・4月にピークを迎えます。

カバノキ科の植物ということで上記の白樺と同じであることから、ハンノキ属の花粉症にかかっている方は果物アレルギーの口腔アレルギー症候群がでる可能性が考えられます。
オオバヤシャブシやヤシャブシもハンノキ属と同様にカバノキ科ハンノキ属に分類される落葉高木です。
生息する主なエリアはオオバヤシャブシが太平洋側、ヤシャブシは西日本です。
オオバヤシャブシやヤシャブシの花粉症シーズンもハンノキ属と同じく1月~5月頃で、3月・4月にピークを迎えます。

ヒノキ

ヒノキは針葉樹の一種で、そのかぐわしい香りから人々に愛されていることから高級建材として多くの場所で植樹されている木です。
約20m~30mという高さがあり、スギと同様に春の花粉症の元であることでも認識されています。
スギよりも花粉が飛散する時期が少し遅めで、1月や2月からだんだんと飛ぶようになります。
例年は3月中旬~4月にピークを迎えます。

ヒノキとスギはヒノキ科に属するということから、類似するアレルゲン構造をしています。
アレルゲン構造が花粉症の原因なので、体の免疫機能がスギとヒノキの花粉を勘違いする場合があります。
花粉を勘違いするということは、本来ヒノキの花粉症にかかっているのに、スギの花粉で炎症を起こす場合があるということです。
ヒノキよりもスギの方が花粉の飛散シーズンが早く終わるのですが、その時期にスギとヒノキの両方の花粉に反応し炎症が起こるので、ダブルの影響からひどい症状に見舞われます。
(反対に、スギの花粉症の方がヒノキの影響を受けて症状を悪化させることもあります。)

スギ


スギの花粉の飛散時期は天候の影響を受けやすいのですが、毎年2月上旬くらいから飛ぶようになります。
飛び始めると、他の品種とは違ってピークを迎えるまでの期間が短いという性質があります。
スギの花粉量が最多となる時期は、沖縄と北海道以外は3月が中心です。

東北や関東では2月~4月に大量の花粉が飛び続け、年によっては5月になってからも飛散量が衰えないこともあります。
スギ花粉の大きな特徴の一つが、風媒花です。
風媒花は花粉が風と一緒に飛んでいきますから、スギがある場所から何十km~何百kmを超えるほど遠方にまで風が種子を運んでくれ、子孫を増加させることができます。
ということは、スギ林が近場にない環境でも、スギ花粉が飛んできて花粉症になることがあり得るということです。
風が運ぶので、周辺の都道府県の山林に植えられているスギの木の影響で、花粉症の症状に悩まされることも考えられます。

上記でもお伝えしたようにスギはその年の天候の影響を受けて飛散時期が前後するのですが、1日の平均気温が10度ほどの陽気になるとスギ花粉が飛び始めます。
ですから、日中の気温が温暖な日であれば、まだ1月や12月であってもスギ花粉が飛散する日もありますので、スギが原因の花粉症の方は予防してください。

ヒノキの項目でもお伝えした通りスギとヒノキは同じヒノキ科に属するため、アレルゲン物質が似た構造をしています。
スギの花粉症の方は免疫機能がヒノキの花粉と勘違いし、ヒノキ花粉にも反応する場合があります。
スギだけの花粉症だとしても、ヒノキの飛散情報もチェックして防御をされることをおすすめします。

花粉症を発症する原因

花粉症は、どのようなメカニズムで発症するのでしょう。

花粉症とは

花粉症は、花粉が原因で体に生じるアレルギー疾患のことです。
主にアレルギー性結膜炎とアレルギー性鼻炎の2種類の症状があり、さらに以下の遅発相反応と即時相反応という2種類のアレルギー反応に分類されます。

  • 遅発相反応 ── 花粉を出す植物を置いていない自宅内では、何度も花粉を吸収することにより鼻詰まりの症状が現れます。
    血管や神経を体内にある物質が刺激することから、花粉症の症状を引き起こします。
  • 即時相反応 ── 鼻の中に花粉が入ったとき、まず鼻水やくしゃみの症状が起き、少し時間が経過してから鼻詰まりになります。
    この流れの中で風邪を引いたときのように鼻の粘膜は腫れて赤くなることから、花粉症の初期症状の段階で医療機関を受診しても風邪だと誤診されるケースがあります。
    花粉が目に入ったとき、すぐに涙が出る・充血・目のかゆみなどの症状を発症します。
    激しい症状が出る場合は、鼻から喉へと花粉が移動して咳や喉のかゆみが生じます。
    他にもだるさ・微熱・頭痛などを発症するケースもあります。

免疫システムと花粉症

花粉症はアレルギー疾患ということから、身体の免疫システムと強い関わりがあります。
体は外部からやってくる敵に対し、自らを保護する防御システムを備えています。
外部から侵入する異物と自分を作っている細胞成分とを分類して、異物のみを体外に取り除こうとする機能が免疫です。
この免疫機能があるからこそ、私たちの身体はウイルスや細菌などから守られ健康な状態を維持することができています。
古くは身近な生活環境に、寄生虫やダニなどがうようよと存在していました。
身体に侵入してこないよう、免疫システムが自然に強化されたと考えられています。

アレルギー反応

確かに現在は寄生虫やダニなどが生活環境から減り清潔になっているのですが、人間の体に作られた免疫システムは今も健在です。
その機能が裏目に出て、人によってはハウスダストや花粉など体内に侵入したところで害が被らない異物であっても、外敵だと誤解して防御しようとすることがあります。
免疫がうまく機能しなかったり、逆に機能し過ぎるあまり自らを保護するのではなく傷つける結果に及んでしまうと、アレルギー反応という形になって現れます。

花粉症が生じるメカニズム

鼻の粘膜に花粉が侵入すると、外部からの異物を感知する細胞と接触してその情報がリンパ球へと伝達されます。
ピッタリと花粉とあうIgE抗体が、リンパ球内で生成されます。

IgE抗体は毛細血管から組織へと運搬され、マスト(肥満)細胞と一緒になり、花粉が体内に入ってきたら排出させるために見張ります。
腸・気管支・目・鼻などの粘膜に肥満細胞があり、ミサイルのような役割を持つ顆粒で花粉から保護するためにIgE抗体と組み合わさって攻撃体勢を取っています。
IgE抗体と花粉が一緒になると、肥満細胞内にカルシウムが作られて筋繊維が縮こまりミサイルを放ちます。
このミサイルには、PAF(血小板活性化因子)・ロイコトリエン・ヒスタミンなどがあります。
例えば、ヒスタミンの場合は気管支の収縮やかゆみなどを生じさせる性質があるため、目や鼻のかゆみ・鼻詰まり・くしゃみ・鼻水などの花粉症の症状を発症させます

花粉症の主な症状

花粉症の主な症状といえば、くしゃみや咳など風邪に似ていると思われたことはありませんか。
似てはいますが違いがありますので、花粉症と風邪の症状の違いを比較してみましょう。

発熱

風邪 ── 引き始めは微熱で、徐々に高熱へと上がっていく
花粉症 ── あまり熱の症状はなく、あったとしても微熱程度

くしゃみ

風邪 ── あまり頻繁にはくしゃみがでない
花粉症 ── 1日に何回もくしゃみをする

鼻水

風邪 ── 粘り気があり黄色や白色をしている
花粉症 ── サラサラとしていて無色

風邪 ── 痛い
花粉症 ── かゆみの症状がある

風邪 ── 重く痰が絡んでいるような咳
花粉症 ── 軽く乾いたような咳

春以外にも花粉症にはなりうる

春の花粉症ということで2月・3月・4月・5月の情報を中心にお伝えしましたが、花粉症の原因となる植物の品種はこれらの他にまだまだあります。
今回は春に焦点を絞っていますので、アサ科のカナムグラ、キク科のヨモギやブタクサなどといった秋に花粉が飛散する植物については触れていません。
ちなみに、春の終わり頃~初夏にはイネ科の花粉が全国的に、白樺が北海道などに毎年飛散します。
冬の終わり頃~春にはスギ、スギと同時期か少し早い時期にはハンノキ、スギより少し遅い時期にはヒノキの花粉に注意が必要です。
花粉症は春だけでなく他の時期に発症することも考えられますので、似たような症状でお悩みの場合は医療機関で相談し、飛散情報をチェックして予防や対策を行ってみてください。

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