唇が乾燥してヒリヒリと痛い、リップを塗っているのに荒れるから口紅のノリが悪い、唇に亀裂が入ったり皮がめくれるということはありませんか。
皮膚科に行くほどではないけれど、治らないままで放置していると唇の荒れはどんどん進んでいきます。
唇は他の皮膚とは違い新しく生まれ変わるターンオーバーのサイクルが早いので、適切な手当てさえすれば改善が早いのが特徴的です。
本ページでは唇の荒れが生じる原因や主な症状、治し方などについてご紹介します。
空気が乾燥するオフィスや冬場でも、正しいケアを知って快適に乗り切りましょう。

唇の荒れが生じる原因

全身の中でも顔の皮膚は特に繊細にできていますが、唇はさらに顔の中でもデリケートです。
ですが、唇が常に乾燥してパサついているという場合、荒れる原因があると考えられます。

唇の皮膚の特徴

人間の皮膚は、基本的に自らの力で自分自身を保護するバリア機能を備えています。
しかし、唇の皮膚は角層が薄いために皮脂腺がなく、バリア機能を作ることができない部位です。
外部から刺激を受けても、皮膚は皮脂腺から分泌される皮脂で作られた膜が保護してくれますが、唇には皮脂腺そのものがないことからカバーしてくれる皮脂膜もありません。

一方で唇は衣服をまとうこともなく常に外部の刺激にさらされていることから、風や紫外線などの影響を受けやすいといえます。
化粧品・食べ物・飲み物などが付着しますし、しゃべったり食べたり表情を浮かべたりなどで時々刻々とよく動かします。
これらを総合すれば、唇が他の部位の皮膚よりも非常に荒れやすいことが納得できるでしょう。

唇が他の部位の皮膚より優れている点として、通常ならば新しい皮膚に生まれ変わるまでのサイクルが約28日なのに対し、唇のターンオーバーは約3日~4日ととても短いことがあげられます。
ということは、お手入れをすれば他の部位よりも早く結果に現れるということです。

原因が病気のケース

病気が原因で唇が荒れる場合、アトピー性口唇炎と接触性口唇炎の2種類が考えられます。

  • アトピー性口唇炎 ──
    外部から受けた刺激・皮膚が本来持っているバリア機能が正常に役目を果たしていないこと・アレルギー反応などが原因で発症します。
    アトピー性口唇炎はアトピー性皮膚炎と同様であり、皮がめくれる、唇にひびが入る、乾燥するなどの症状が現れます。
    アトピー性皮膚炎がそうであるように、症状を繰り返すところも特徴的です。発症原因はまだ解明されていないものの、栄養バランスの崩れ・何かをきっかけとして口腔内にある常在菌のバランスに生じた乱れなどの原因が指摘されています。
    これらの他にも、日焼けや遺伝的な原因の影響も受けているのではと考えられています。
  • 接触性口唇炎 ──
    物質が唇に着き、それが刺激となって発症する炎症です。
    主に湿疹・水泡・赤い腫れなどの症状があり、患者さんによってはかさぶたが生じることがあります。
    接触性口唇炎をさらに分類すると、一次性刺激接触性口唇炎とアレルギー性接触性口唇炎の2種類があります。
    アレルギー性接触性口唇炎は、アレルギーを発症させる原因物質が原因で生じます。
    銀杏・マンゴー・化粧品・薬・虫歯治療などで使われる金属など、アレルゲンには幅広い種類があります。
    一次性刺激接触性口唇炎は、ただ化粧品など唇に付着した物質の刺激が原因で生じるというものです。
    唇の荒れ対策が目的で塗布したメンソールのリップクリームが強烈な刺激となってしまい、荒れを発症させるケースも考えられます。

原因が病気以外のケース

病気以外の原因で唇が荒れる場合、主に以下の4種類が考えられます。

  • 乾いた空気 ──
    身体の皮膚は角質層と呼ばれる層があり、外からの刺激から肌を保護する層が表面に備わっています。
    しかし、唇の皮膚はこの角質層がとても薄く、さらに唇は皮脂膜で保護されていませんので、どうしても水分が蒸発しやすい性質です。
    空調が効いて空気が乾燥したオフィスや、冬などの空気が乾く季節は、唇の荒れを引き起こしやすいといえます。
  • 不十分なクレンジングにより残ったメイクや汚れ ──
    クレンジングをしっかり行っていなければ、当然メイクや汚れが皮膚に残されたままになってしまいます。
    肌にとってはそれが刺激となりますので、唇の荒れの原因になりかねません。
    メイクや汚れの他にも、食事をしたあとに強い刺激のある食べ物が口の周りに着いたままになっていたり、歯磨き後に歯磨き粉が洗い落とされないままになっている場合も同様です。
  • 栄養不足や崩れた食生活 ──
    唇は皮脂腺がほぼなく、薄い角質層をしていますので、体中の皮膚の中でも特に栄養が足りないことが原因で肌荒れになりやすい部位です。
    日常的な食事はコンビニで買ってきたものや外食が多い方、ニキビや口内炎などの肌トラブルを併発するという方は栄養不足に気を付けてください。
  • 唇をよく舐める ──
    人にはそれぞれ無意識にやってしまうクセというものがありますが、中には唇をよく舐めることがクセでついついやってしまうという方もいます。
    あまりにもしょっちゅう唇を舐めていれば、皮膚にとっては刺激を受けていることとなり、乾燥してしまいますので逆効果なことを知っておきましょう。
    唇の表面に付着した唾液は自然に蒸発していきますが、その際に唇の水分までも蒸発させることから、唾液が付着する前よりもさらに乾燥するという事態を招いてしまいます。
    中には決して1年中唇を舐めるクセがあるというわけではないけれど、空気が乾いた室内や冬の乾燥する季節になると、唇の渇きを補うために舐めるということがありませんか。
    進行すると唇の表面が乾くだけだったのが、赤くなったりひび割れを起こすなど別の症状にもつながることがあります。

唇の荒れができやすい人の特徴

唇の荒れができやすい人もいれば、そうでない人もいます。
荒れやすい人には、以下の特徴があります。
もし思い当たる行動があれば、そのクセや習慣を意識的にやめることで唇が荒れにくい人になることができるはずです。
無意識にやってしまっている行動も多いので、ぜひチェックしてみてください。

  • リップクリームを塗るとき、唇に押し付けがち ──
    唇の表面が摩擦するため、痛める原因になります。
  • 昼間はエアコンの風が直接かかるところで過ごしている ──
    空調の風が唇に直にあたると、ますます乾燥します。
  • 移動手段によく車を利用する ──
    車内は空気が乾燥しています。
  • ついつい皮を手でむいてしまう ──
    めくれた皮をむこうと引っ張ると、傷を深めて悪化させるケースがあります。
  • 雪のシーズンが到来するとスノーボードやスキーに頻繁に出かける ──
    一面の雪のスポットは紫外線が強いので、肌荒れしやすくなります。
  • 激辛フードが大好物 ──
    辛い食べ物は唇にとって刺激となります。
  • 外回りの業務や屋外で行う職業に従事している ──
    外の冷気に触れる時間が長いために、唇の乾燥が進みます。
  • お茶や水などを入れたマイボトルを携帯している ──
    リップクリームでお手入れをしていても、小まめな水分補給によってすぐに取れがちになります。
  • クセで唇をよく舐めている ──
    唇を舐めると一時的には潤うように感じますが、時間が経つとその前より乾燥が酷くなってしまいます。

空調がきいている室内は、空気が乾燥してカラカラになっていることがよくあります。
美肌のために保湿ケアをして潤いを保っている方は多いですが、唇も同じように乾燥していますから対策が必要です。
空気を乾燥させないために、加湿器などを活用すると唇のうるおいが違ってきます
加湿器がない部屋でも、洗濯物を室内干しにするだけで乾燥しなくなります。
水気を絞ったタオルをハンガーにかけておくだけでも違いますので、できることから実践していきましょう。

唇の荒れの治し方

唇の荒れの治し方として、必要な栄養を食べ物から補うこと、使用中の口紅やリップクリームを見直すことが有効です。

栄養素を補給する

唇の荒れ対策に効果を発揮する栄養素は、ビタミンB2・ビタミンB6です。

  • ビタミンB2 ── 粘膜や皮膚が健康な状態でいられるようサポートする効果があります。
    体内でビタミンB2が足りなくなると、唇の荒れ以外にも口角が切れる、口腔内や舌に炎症が発症するなどの粘膜に関係するトラブルにつながる可能性が高まります。
    ビタミンB2を豊富に含む食品は、葉物野菜・乳製品・納豆・卵・豚レバー・キャビア・うなぎ・いくら・マイタケ・モロヘイヤなどです。
    ビタミンB2の性質として、タンパク質・糖質・脂質をエネルギーに変えるようサポートする効果がありますから、暴飲暴食をするとたくさん消費されてしまいます。
  • ビタミンB6 ── ビタミンB2と同様に、ビタミンB6も粘膜や皮膚が健康な状態でいられるようサポートする効果があります。
    体内で足りなくなればビタミンB2のように口腔内の炎症などにつながる他、貧血などの症状を引き起こします。
    ビタミンB6を豊富に含む食品は、まぐろやかつおなどの魚類・レバー・バナナ・トウガラシ・ニンニク・牛レバー・ビーフジャーキーなどです。

ビタミンB2もビタミンB6も、水溶性の栄養素です。
一般的な食生活を送っていれば、摂り過ぎて健康被害が生じるということはまずありません。
普段の食事で魚類・納豆・卵などを口にする機会が少ないようでしたら、ぜひこれを機に食べる機会を増やしてみてください。

とはいえ、唇の荒れを治すことに集中し過ぎるあまり、他の栄養素が不十分になってしまっては別の健康被害を招く結果になりかねませんので注意しましょう。
タンパク質・ミネラル・ビタミンなどの、バランスよく栄養補給することが大切です。

口紅やリップクリームで


唇の荒れでお悩みの方の中には、使用中のリップクリームが市販のもので、成分に皮膚炎の原因が配合されている場合があります。
その可能性があるようでしたら、直ちに使用を中断しましょう。
唇への刺激がないケア製品として、精製ワセリンなどでしたら高い純度を誇っていますから、市販のリップクリームから切り替えられることをおすすめします。

人によって唇を噛むクセ、舐めるクセがあれば可能な限りやめるようにして、リップクリームが剥がれないようにしてください。
唇の渇きを潤すために舐めるクセがあるようでしたら、マスクを着用すると唇周辺の空気が加湿されて乾きにくくなりますからクセの回数が減っていきます。

敏感肌でも使いやすい唇パック

リップクリームを購入して使ってみたら、配合成分が肌に合わずに中断せざるを得なくなったという経験はないでしょうか。
ワセリンとハチミツを混ぜて唇をパックするケア方法なら、市販のリップクリームが合わないという方でも唇の乾燥対策が行えます。

  1. 水に濡らしたタオルを電子レンジでチンするなどして、蒸しタオルを用意します。
    唇に蒸しタオルをあてたら、温めつつ数分間そのまま待ちます。
  2. ワセリン:はちみつ=1:1の割合で混ぜたら、蒸しタオルで温まっている唇に塗布しましょう。
  3. パックした上からラップフィルムでカバーし、そのまま5分~10分キープします。
    これ以上の長時間続けないことが、唇ケアの効果を十分に引き出すコツです。
  4. パックが終わったらラップフィルムをはがし、ワセリンとはちみつを優しく拭き取ったら終了です。

※ どんなケア方法でも全ての人にアレルギー反応が発生しないとは断言できません。
使ってみたけれど刺激があったという場合は、速やかに使用を中断してください。

たいていは病院へ行かなくても治せる

唇の荒れは、空気が乾燥する室内で長時間過ごしたり、唇を舐めるクセなどで進行します。
加湿器を置ける場所では使用し、唇の渇きが気になって舐めるという場合はマスクの着用で乾燥対策をするなど、できることはいろいろあります。
ビタミンB2やB6を豊富に含む食品を積極的に摂ることも、今日からぜひ実践してみてください。
ハチミツとワセリンのパックも、短時間で簡単に行うことができます。
多くのケースでは、病院へわざわざ足を運んで受診しなくても回復していきます。
ただ、中にはアトピー性口唇炎や接触性口唇炎といった病気が原因で生じている唇の荒れもあります。
改善せずに唇に異常を感じたら、医師の診断と治療を受けましょう。

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