左側の頭痛の症状がで、右側はなんでもないということはありませんか。
左右どちらか一方のみ頭痛症状が現れる場合、どんな病気の原因が隠されているのでしょう。
本ページでは左側の頭痛に焦点を絞り、さらに左上・左前・左後・左側頭部・左のこめかみと分類して、可能性のある病気をご紹介しています。
痛みが生じた患部が頭全体ではなく部分的だというとき、ぜひ参考になさってみてください。

左上の頭痛

左上の頭痛は、緑内障(りょくないしょう)が原因かもしれません。

緑内障が発症する原因

視神経が何らかの原因で障害を受け、眼圧が上昇することで次第に視野が狭くなります。

緑内障による症状

緑内障発作は一気に眼圧が上昇することで発症し、目のかすみ・嘔吐・左上の頭痛などの分かりやすい異変がありますのでスムーズに病気に気が付くことができます。
眼圧が徐々に高くなっていくケースの場合は、なかなか自覚症状を持つことができません。

左右の2つの目で見ているものですから、右か左のどちらか一方のみが緑内障にかかり悪化していったとしても無意識にもう一方の視力で補ってしまうために、発見が遅くなることが多々あります。
自覚症状があるからこそ病院で受診するので、自覚症状しずらいことが治療を先延ばしにする結果となり、失明率の高い病気になっています。

緑内障の治し方・対策

緑内障は視野が狭くなっていく病気であり、白内障とは違い治療で回復することができません。
一度視野が狭くなったら、何らかの適切な治し方を用いれば修復できるというものではありませんので、残っている視野を維持することが重要な対策となります。

医療機関で行われる緑内障の基本的な治療法として、眼圧を低下させる目薬が処方されます。
視神経を高い眼圧が圧迫するので、視野障害を発症させます。
視野障害を防ぐために、目薬で眼圧コントロールを行って視神経への負担を防いでいきます。
緑内障と診断されるのは、決して眼圧が高い場合だけではありません。
正常眼圧緑内障という種類の病気があり、正常範囲の眼圧を保っている人でも緑内障の変化が視野に発症する患者さんがいて、特に日本人に多い傾向が見受けられます。
正常眼圧緑内障だと診断される患者さんは、眼圧が正常範囲内なのに視神経に影響が現れている状態です。
目薬を処方してもらい、もっと低い眼圧が維持できるようにします。

目薬での対処で十分な効果が得られなければ、目薬と並行してレーザー治療や手術による処置が行われるケースもあります。
これらは全て、現状よりも眼圧を低下させないための措置です。

左前の頭痛

左前の頭痛は、三叉神経痛(さんさしんけいつう)が原因かもしれません。

三叉神経痛が発症する原因

三叉神経痛の三叉神経とは、主に知覚を支配している顔の神経のことです。
3つに分類されており、眼神経(第1枝)は顔の上にあるこめかみやおでこ、上顎神経(第2枝)は顔の中にある上顎や頬、下顎神経(第3枝)は顔の下にある下顎やおとがいを指しています。

三叉神経痛は症候群三叉神経痛と真性三叉神経痛の2種類があり、それぞれに発症原因が異なります。
末梢領域の生じるいろいろな原因から二次的に発症する症候群三叉神経痛と、中枢性の三叉神経障害に関わって発症する真性三叉神経痛です。
症候群三叉神経痛は副鼻腔の炎症や歯が原因で発症し、真性三叉神経痛は近年の研究によって三叉神経や頭蓋の内部にある血管の圧迫から発症することが明らかになっています。
また、真性三叉神経痛は三叉神経を脳腫瘍が圧迫して発症させるケースも確認されています。

三叉神経痛の発症原因は解明されているとはいえないものの、脳腫瘍・帯状疱疹後・耳鼻科疾患・歯科疾患などによって生じます。
脳幹から三叉神経がでる部位で腫瘍や血管などに圧力がかかり、神経の軸にゆがみが生じると、三叉神経線維に異変がでて三叉神経痛を発症させるといわれています。

三叉神経痛による症状

人間が経験する激痛の中でも最も強烈な痛みといわれているほど、辛い症状を発症します。
常に痛いというわけではありませんので、症状が出ていないときは普段と変わらない日常生活を送ることができます。
特に発症しやすいのは、冷たい風にあたったとき・髭剃り・歯磨き・洗顔などです。

症状が出やすいのは第2枝や第3枝であり、左前の頭痛などが生じる第1枝は比較的少な目です。
歯にも三叉神経が伸びている第2枝や第3枝に症状がでると、三叉神経痛ではなく虫歯だと勘違いして歯の治療に行く患者さんが大勢います。

三叉神経痛の治し方・対策

三叉神経痛の治療は、神経内科・脳神経外科で受けられます。
主な治し方は、脳外科手術・神経ブロック療法・放射線療法・薬物療法です。
発症原因が副鼻腔の炎症や歯のケースでは、耳鼻咽喉科や歯科と連携した治療が行われます。

1)脳外科手術 ── 具体的には神経血管減圧術で、三叉神経痛を根本的な治し方となります。
三叉神経の脳幹部から出ている部分が、周りにある血管から圧迫されることで痛くなると考えられています。
手術をすることにより神経と血管の間隔を開けたり、腫瘍の除去を行います。
ただ、リスクもある方法ですので、メリットだけでなくどのような危険性が考えられるのかも把握した上で選択することが大切です。

2)神経ブロック療法 ── 局所麻薬薬などを神経やその周辺に注射することによって、痛みが伝わるのを予防します。
血管を拡張させることによって血流が改善され、痛みを引き起こす物質を洗い流す効果が期待できます。

3)放射線療法 ── 放射線を三叉神経にあてるという治し方です。
放射線療法の効果は6割~7割近くで、3割近くは再発すると考えられています。
効果はあるものの、顔に他の痛みが発症するリスクもあります。

4)薬物療法 ── てんかんの治療にも用いられているテグレトールという商品名のカルバマゼピンが処方されます。
三叉神経痛は、寛解期(かんかいき)と呼ばれる症状が現れない時期がありますが、完治したと思って患者さんの判断で中断すると、また発作が起きるようになります。

左後の頭痛

左後の頭痛は、後頭神経痛(こうとうしんけいつう)が原因かもしれません。

後頭神経痛が発症する原因

首凝り・肩凝り・運動不足・ストレスなどが、後頭神経痛の原因となります。

後頭神経痛による症状

キリキリという頭痛が主な症状で、頭の左後ろだけなど同じ患部のみが痛くなるところが特徴的です。
後頭神経痛は患部によって、大きく3種類に分けられています。
1)大耳介神経痛 ── 耳の後ろ下辺りの皮膚に痛みが発症する
2)小後頭神経痛 ── 耳介の後ろに位置する後頭側頭部の付近に痛みが発症する
3)大後頭神経痛 ── 頭頂部~後頭部に痛みが発症する

あまり多い事例ではありませんが、後頭神経痛が脳梗塞や脳腫瘍から引き起こされる症状の一つというケースも考えられます。
激しい頭痛症状のときには、迅速に頭痛外来・脳神経外科・神経内科で診てもらってください。

後頭神経痛の治し方・対策

後頭神経痛は患者数が年々増加傾向にあり、今や片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛に続いている疾患です。

左側頭部の頭痛

左側頭部の頭痛は、片頭痛が原因かもしれません。

片頭痛が発症する原因

発症の仕組みはまだ明らかにされていませんが、女性ホルモンの影響・ストレス・睡眠不足などの崩れた生活習慣などの原因から血管が拡がり、周りにある神経が刺激を受けることで頭痛症状が発症するといわれています。

片頭痛による症状

身体を動かしたときに頭痛が悪化したり、脈拍のリズムのようなズキズキとする頭痛症状があるなどします。
患者さんによって嘔吐・吐き気などの症状がある方もいます。

片頭痛の治し方・対策

片頭痛は女性の患者さんが多い病気で、頭痛持ちという方の多くは片頭痛を抱えています。
症状があまりに悪化したら、頭痛外来・脳神経外科・神経内科などで相談してください。

左のこめかみの頭痛

左のこめかみの頭痛は、群発頭痛(ぐんぱつずつう)または片頭痛が原因かもしれません。
群発頭痛は20代~40代の男性患者が多い病気で、女性患者数と比べて4倍~5倍もの多さです。

群発頭痛が発症する原因

原因はまだ解明されていない部分も多々ありますが、頭の血管が拡張することが原因だといわれています。
目の後ろ側に位置する血管が拡がって炎症ができることから、群発頭痛の症状の一つとして目の奥が痛くなると考えられています。

アルコールが引き金となり、口にしてから40分~60分程度で症状がでやすい傾向があるとされています。
群発頭痛の発症時期には必ずといっていいほど発作が起きることから、普段お酒が好きな患者さんでも遠ざけるとのことです。
アルコール以外には、急な気圧の変化や喫煙も引き金になります。

群発頭痛による症状

群発地震のように集中的に発症することから、群発頭痛という名称がつけられた病気です。
左のこめかみ・左の目の奥・上あご周辺などに症状が現れます。
耐えがたいほどの激痛が走ることから、キリで刺されたような、目をえぐられたようななどと表現されるほどです。

その時期は夏から秋、冬から春などの季節が変わるシーズンで、発症すると連日の頭痛症状が1か月~2か月近くも継続します。
個人差はありますが、次回群発頭痛が生じるまでの間隔が約6か月という方もいれば、2年~3年後に再び発症するという方もいます。

群発頭痛の治し方・対策

群発頭痛の治し方として、主に純酸素吸入法と薬物療法の2種類が用いられています。

1)純酸素吸入法 ── 激痛の症状が特徴的な群発頭痛では、鎮痛薬を用いたくらいでは効き目が感じられないことも少なくありません。
そんなときに効果的なのが、この純酸素吸入法です。
1分あたり7リットルという医療向けの酸素(純度100%)を、フェイスマスク越しに吸引します。
施術時間は15分ですが、開始から5分も経つと痛みが軽減します。
発作が発症したら、早く吸入するほど高い効果を発揮します。

2)薬物療法 ── 発作が起きたときの治し方として、トリプタン系薬剤で有効なものがあります。

誤診を回避する方法

頭痛症状は脳に関わる疾患の可能性がありますので、病院を受診したら他の病気に誤診されることは絶対に避けたいものです。
誤診を回避することができれば、緊急の治療が必要な重篤な疾患のときに適切な処置を受けることができます。
頭部に症状が発症したら、以下のことを医師に伝えることが誤診の回避にとても効果的です。

1)頭痛の他にも症状があるなら、伝えてください。
2)一番痛みが強いところはどこですか。
3)締め付けられるように痛い、ズキズキするなど、痛さを表現しましょう。
4)どんなときに悪化するなどの特徴はあるでしょうか。
例えば、片頭痛なら体を動かしたときに辛さが増します。
5)発作が出るとどのくらいの時間続くのか、どのくらいの間隔で発症するのかを伝えましょう。
処方される薬が違ってくるからです。
ずっと痛いなら1日3回服用するタイプが適していますが、そうでないなら1日3回では薬物乱用頭痛になりかねません。
6)頭痛症状が始まったのはいつからかを伝えてください。
様子を見ていたら何か月、何年も続いていた、仕事などで忙しくて病院に行けなかったという患者さんは少なくありません。
急に痛くなったというなら、緊急手術が不可欠なくも膜下出血などの可能性がでてきます。
繰り返してきた頭痛なら、慢性的な病気の疑いがあります。
このように病気の特定に役立ち、緊急手術の必要性も明確になります。

頭痛が左側か右側かは関係ない

左側の頭痛についてご紹介してきましたが、必ずしも症状が現れている部位の内側だけに原因があるとは限りません。
側頭葉に病気の原因があれば、耳の上の側頭部が痛くなるというものでもありません。
頭部の左側のみに症状がでる頭痛でも、頭の内部の疾患(慢性硬膜下血腫・脳腫瘍・脳出血など)の疑いも考えられます。
医療機関の精密検査や診察を受けることで、発見できるケースも多々あります。

実は、左側の頭痛は同じ部位の正反対に位置する右側に起きたとしても、同じ病気が原因です。
左右どちらであればこの病気、というというものではありません。
どんなことであっても、気がかりなことがあれば医師に相談して、正しい診断と治療を受けましょう。

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