大人の風疹は、子供より流行しやすい傾向があるのをご存知でしょうか。
風疹といえば子供がかかる感染症といったイメージが普及していますので、そもそも大人でもかかることがあるの? と思っている方も多いかもしれません。
風疹にかかったことがない、または予防接種を受けたことがないなどの理由から、体内に風疹ウイルスの免疫がないという方も大勢います。

本ページではどうして子供より大人の風疹が多いのか、どんな症状が予想され、どんな感染経路でうつるのか、流行時期などをご紹介します。
あなたの生年月日別でわかる予防接種を受けた可能性や、ワクチンを接種するなら大人はいくらぐらいの費用負担になりそうかなどもお伝えします。

大人の風疹の症状(画像・写真)

風疹の主な症状は、発疹・発熱(38度以上の)・リンパ節腫脹(特に頚部・後頭部・耳介後部)があります。
発熱の症状は決して風疹患者なら誰もが生じるわけではなく、全体の6割~7割程度です。

3日はしかの異名を持つことからも想像がつく通り、はしかのような症状が3日程度で回復するのが風疹の特徴です。
不顕性感染(ふけんせいかんせん)と呼ばれる種類があり、風疹ウイルスに感染しているにもかかわらず症状が現れない患者さんが全体の15%~20%近くいます。

風疹は、大人よりも子供の方が軽度の症状ですむ傾向があります。
とはいえ、発症率は低いですが血小板減少性紫斑症や急性脳炎といった合併症のリスクもありますので全面的に油断することはできません。

風疹は一般的に子供の感染症というイメージがありますが、実際に発症している患者さんはほぼ成人している大人であることはあまり知られていません。
子供よりも大人の方が症状が重くなり、1週間以上も発疹や発熱が続いたり、辛い関節痛などの症状が現れます。

発疹・38度以上の発熱・リンパ節腫脹という3種類の症状が全て現れない患者さんは、風疹だという正しい診断に至りにくくなります。
似た症状の病気にEBウイルス感染症(伝染性単核球症)・りんご病(伝染性紅斑)・溶血性連鎖球菌で発症する発疹があります。
最終的な正しい診断は、血液検査によって行われます。


引用元: 渋谷スキンクリニック(https://ameblo.jp/shibuyaskinclinic/)

大人の風疹の感染経路

風疹の感染経路は、すでに風疹にかかっている人の喉や鼻から飛び散る唾液などの分泌物に風疹ウイルスが混じっていることで飛沫感染をします。
飛んできた風疹ウイルスが指や手などに付着し、それを知らずに口や鼻の中から体内に入ってしまう、またはくしゃみや咳などの飛沫を吸い込んでしまうなどして発症します。
咽頭部や鼻の粘膜で風疹ウイルスが増えると、その1週間くらい後に風疹ウイルスが全身の血液内を循環し風疹の症状を発症させます。

風疹の流行時期

風疹の流行時期は、毎年春先~初夏です。
風疹ウイルスに感染すると、平均して16日~18日の潜伏期間を経て症状が発症します。

以前は、風疹の大流行が約5年のサイクルで起こっていました。
しかし、平成6年(1994年)からはこうした大きな流行が起きなくなったものの、小規模な流行や特定のエリア限定での流行は起きています。
とりわけ平成14年(2002年)以降は特定のエリアでの流行が立て続けに発生しており、平成15年~16年(2003年~2004年)は発生エリアが増えました。
これにより「緊急提言」が厚生労働科学研究班から出されると、以降風疹の流行は落ち着きをみせました。

日本国内での流行は抑制されたのですが、海外旅行へ行った人が帰国したときに、現地で風疹ウイルスに感染して持ち帰ってくるという新たな流れが2011年より起きています。
神奈川県・大阪府・福岡県などのエリアで流行が確認され、一般的に1歳~9歳くらいの子供が発症するイメージのある風疹ですが、このとき成人している男性の集団発生がいくつもの事業所より報告されています。

さらに大流行が2012年~2013年に発生し、先天性風疹症候群の赤ちゃんが45人、成人の患者が約9割という割合でした。
男女比では男性の方が多く、女性の3倍近くという数字です。
(※ 先天性風疹症候群とは、妊娠初期を中心に妊娠20週くらいまでの妊婦さんが風疹を発症させることで、風疹ウイルスが胎児にうつる病気です。
先天性風疹症候群にかかると、赤ちゃんが白内障・心疾患・難聴・身体的または精神的に発達が遅れるなどの障害を持って誕生する確率が高くなります。)

大人が風疹ワクチンを受けるべきケースとは

内閣府大臣官房政府広報室の「政府広報オンライン」ホームページによれば、風疹ウイルスに自然に感染した1回経験があれば、一生涯継続する免疫力が体中に作られますので、風疹を発症することがないとのことです。
風疹のワクチン接種を行うことによっても、この免疫を得ることは可能だとあります。

海外旅行をするときには現地の状況を確認して、到着してから困らないよう国内にいるときから準備を行うものですよね。
もし、旅行するタイミングに海外の現地で風疹が流行しているという情報があれば、まだ風疹をやっていない、または風疹ワクチンを接種したことがないので免疫を持っていない場合は、予防接種を受けてから出発すれば発症せずにすみます。
海外へ行く目的は観光旅行だけでなく、転勤や留学という方も同じです。

妊娠する意思がある女性、そのパートナー、ご家族など身近な方は、妊娠中(特に妊娠初期)に風疹ウイルスに感染してしまうと、胎児が先天性風疹症候群にかかってしまう危険性が高くなりますので注意が必要です。
生活を共にする家族だけでなく、長時間同じ環境で過ごす職場の同僚の方も、風疹を発症しないようにすることが求められます。
誕生する赤ちゃんの健康を先天性風疹症候群から守る目的で、風疹の予防を行いましょう。

大人の風疹の予防接種も助成される?

風疹の予防接種といえば、子供を対象としたMRワクチンの定期接種を思い浮かべます。
近年小児を対象とした国内のMRワクチンは、効果をより確実なものにする目的で、間隔をあけて2回接種することになっています。
1回目は1歳のとき、2回目は年長のときです。

こうした小児向けの予防接種は、費用の助成が受けられることは知られています。
だとすると、風疹の免疫を持っていない大人がワクチンを接種するとき、必ずしも全額自己負担なのかというとそうとも限りません。
お住まいの管轄の自治体によっては、妊娠を予定している助成やその配偶者などのパートナーを対象とし、助成を実施しているところもあるからです。
どのくらいの割合の費用負担が軽減されるのかなど、詳しいことは各自治体によってさまざまですので、直接問い合わせてみてください。

風疹ワクチンを受けているか確認しよう

風疹というと子供がかかる感染症なので、自然にかかったことがあるのかご本人が覚えていることが少ないのではないでしょうか。
また、予防接種は複数の種類がありますので、受けた記憶があってもそれが風疹のものかを記憶している方も少ないものです。

風疹の予防接種を受けたか知るには

風疹ワクチンの予防接種を受けたことがあるかは、母子健康手帳を見れば確認することができます
生年月日によっても、風疹のワクチンを接種しているかの検討をつけることができます。

風疹ワクチンの中身

風疹ワクチンを接種すれば風疹にかからずにすむといいますが、実際にどんなものが入っているのでしょう。
体内に入るものですから、食べ物同様に安全なものでないと心配になります。

風疹ワクチンの中身は、毒性を弱めた種(たね)弱毒(じゃくどく)株ウイルスを培養し、さらに増殖させて凍結、乾燥したものでできています。
予防接種することによって弱毒株ウイルスが体内に入っても一般的に風疹にかかるような症状は現れません。
それどころか、風疹ウイルスへの免疫を体内に持てるようになるのです。
現在の定期予防接種で採用されているタイプは、風疹単独のワクチンではなく、はしかも一緒に予防できる麻疹風疹混合ワクチンです。

風疹のワクチンの種類

風疹の予防接種ができるワクチンは、主に以下の2種類があります。

  • MRワクチン ── 風疹とはしかの2種類の感染症を予防することができる混合ワクチン
  • MMRワクチン ── 風疹・はしかの他に、おたふくかぜも含めた3種類の感染症の予防ができる混合ワクチン

風疹ワクチンの効果は100%?

どんな治療薬も完璧な治癒力があるわけではないように、それはワクチンも同様です。
1回目の予防接種では、95%の方が体に免疫を得られることがわかっています。
ですから、現在の風疹予防接種は1回でなく2回受けることになっており、2回受けることで確率が99%以上になるというデータがでています。

今でこそ2回ワクチンの接種を受けることが定着していますが、生まれた時期によっては1回だけだった方もいれば、全く予防接種の対象とされていなかった方もいます。
そのような背景から、現在大人の風疹患者数が増えています。

生年月日別にわかる風疹の予防接種歴

  • 誕生日が昭和37年4月1日より前の方 ──
    まだ定期接種制度が確立されていなかったものの、ほとんどの方は風疹に自然にかかっており、一生涯続く免疫を持っているといわれています。
  • 誕生日が昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの方 ──
    男性:定期接種制度が実施されていませんでした。
    女性:中学生のときに1回のみの集団接種が学校で実施されました。
  • 誕生日が昭和54年4月2日から昭和62年10月1日までの方 ──
    性別に関係なく、風疹の予防接種が中学生のときに1回実施されていました。
    ただ、予防接種の制度がなかったとはいっても、ワクチンを接種するには医療機関へ個別に出向かなければならなかったために、受けなかった方も少なくありませんでした。
    そのため接種率は高くなかったので、この時期生まれの方は風疹の免疫を持っていない人が多い状況です。
    人によっては、MMRワクチンを幼児期に受けている可能性はあります。
  • 誕生日が昭和62年10月2日から平成2年4月1日までの方 ──
    幼児期に風疹の予防接種を個別に医療機関まで出向いて1回接種している方が多く、自然にかかる機会が減りました。
    そのため、風疹のワクチンを受けていない方で免疫を持てていない人が多い年代です。
  • 誕生日が平成2年4月2日からの方 ──
    全員が予防ワクチンを2回接種する機会があり、2回目は個別に医療機関へ出向いてMRワクチンを受けています。

風疹の予防接種にかかる費用

大人の風疹予防は、特にお住まいになっている自治体などから費用の助成がないようでしたら自費診療扱いとなります。
自費診療ということは、ワクチンを接種する医療機関によって料金が違ってくるということです。
風疹の予防ができるMRワクチンの相場は、1回につき約10,000円です。
風疹にかかっているか覚えていない、風疹の予防接種を受けて十分な免疫が身についているか分からないなどという場合、抗体検査を受けることで確認ができます。
抗体検査を受ける料金も、検査の種類や医療機関によって違います。
抗体検査の費用の相場は、3,000円~5,000円です。

風疹のワクチンは副反応があるか

風疹のワクチンを接種したら、副反応のリスクはあるのでしょうか。
風疹のワクチンは比較的高い安全性を発揮し、副反応があるものの少ないといわれています。
考えられる副反応としては、関節痛・リンパ節の腫れ・発熱・かゆみ・赤み・発疹などがあげられます。
風疹ワクチンだけでなくMRワクチンも、予想される副反応に重篤な疾患はほとんどありません
ただ、完全に副反応が0であるわけではない以上は、あらかじめ医師と予防接種の必要性をしっかり話し合ってから決めてください。

風疹は大人もかかるという危機意識を

風疹の免疫が体内にできていない可能性がある方は、大人でも今から予防接種が受けられます。
これから子供が欲しいと思っている男女、ご家族などは、生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群にかからないように風疹の予防をしておきましょう。
日本での流行は昔より少なくなっていますが、海外旅行先や留学先などで流行していて風疹ウイルスを持ち帰ってしまうことも考えられます。
風疹は大人がかからないという間違った先入観は捨てて、積極的に予防接種を活用してください。

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