頭の右上・右下・右前・右側頭部・右のこめかみなど、頭痛が右側を中心に生じたなら、病気の特定が早くなるかもしれません。
漠然と頭が痛いのではなくピンポイントで痛みの症状が出ている患部があるなら、本ページで紹介している右側の頭痛の箇所と照らし合わせてみてください。
右側のどこの部位に頭痛の症状が起きているのかによって、可能性が高い病気をまとめました。
忙しくてすぐに病院へ行けないときなどの参考になれれば幸いです。

右上の頭痛

右上に頭痛が生じる場合は、緑内障(りょくないしょう)の可能性が考えられます。
緑内障は、日本人が失明する原因の第1位となっている疾患です。

緑内障の原因

目はある程度の圧力があることにより硬さ(眼圧)維持され、それによって風船のようにしぼむことがありません。
空気で圧力がある風船と違うのは、目は房水(ぼうすい)という水で圧力が維持されているところです。
目の中のシュレム管という部分で房水は生成されていますが、必要以上にたくさんの量が生成されたり、房水の出口が目詰まりを起こしてスムーズに排出されなくなると眼圧が上昇します。
一時的にではなく長く眼圧が高いままになっていると視神経に圧力がかかり障害を起こすことが、緑内障の原因となります。

緑内障の症状

緑内障は初期症状がほぼない病気なので、自覚症状が出るほど悪化してから病院へ行くという患者さんが大勢います。
緑内障は眼圧が高くなることで発症しますが、これといった原因がなく隅角(ぐうかく・房水の出口のこと)が広い開放隅角緑内障も、正常な眼圧なのに視野に障害が生じる正常眼圧緑内障も、徐々に視野の障害が進行していきます。
時間をかけて視野に異変が及ぶため、自覚がないまま視野が狭まっていきます。

開放隅角緑内障と同じく特に眼圧が高くなる原因がないけれど、隅角が狭いことが特徴の閉塞隅角緑内障は隅角が目詰まりを起こすと酷い発作がでるので病気に発見することができます。
症状が右上の頭痛などであることから、脳の病気だと誤解されがちです。
過去に隅角が狭いと診断を受けたことがある方は、緑内障にはどんな発作があるかあらかじめ知っておくと、適切な治療をスムーズに受けやすくなります。

緑内障の治し方

白内障と同類のイメージを持たれがちですが、大きな違いは白内障なら手術で治療が可能だというところです。
緑内障はかなり進行しないと見えにくいという症状で自覚しづらい傾向がありますので、1年に1回は40歳以上になったら定期検診を受けるために、眼科へ行かれることをおすすめします。

右前の頭痛

右前に頭痛が生じる場合は、三叉神経痛(さんさしんけいつう)である可能性があります。

三叉神経痛の原因

原因は患者さんによってバラバラですが、最も多いとされているのは脳に三叉神経が入る寸前のところで血管に圧力がかかり、ねじれや変形が生じるという原因です。
たいていのケースでは動脈の圧迫にかかわりがありますが、珍しいケースとして神経の周りの癒着などによっても引き起こされます。

三叉神経痛の症状

右前の頭痛の他にも、さまざまな症状があります。
顔面に痛みの症状が起こる場合、ヒリヒリ、ズキズキなど患者さんによって異なります。
歯の周辺や唇の周りが片側一方のみ痛くなり、特に飲食をするなどの外的刺激を受けるときやおしゃべりをするときなどには、電気が走るような激痛が瞬時に起こります。

三叉神経痛の治し方

三叉神経痛の治し方は、主に以下の4通りがあります。

1)手術
三叉神経痛の発症原因である血管の圧迫を根本から除去できることから、その他の3種類の治し方にはないメリットがあります。
手術を受けたほとんどの患者さんは、継続的な薬物療法から解放されますし、高い治癒率を誇る手段です。

2)ガンマナイフ
ガンマナイフは、三叉神経痛の治療に近年採用されるようになりました。
三叉神経に高い線量の放射線を照らすことにより、痛みを除去させるという治し方です。
線量の加減が少な過ぎれば効果が低くなりますし、多過ぎるとしびれの症状が起こり、まだ長期的な経過観察によるデータが十分に取られていない状況です。

3)神経ブロック
外来の診療でも選ばれている治し方です。
マイナス点としては、阻止できる神経領域が頻繁にしびれの症状を伴うことです。
しびれが改善しないまま再発するケースも考えられます。

4)薬物療法
歯の周辺や唇の周りの症状には、テグレトールという名称の薬品が効果的です。
テグレトールは三叉神経痛の治療で最初に選ばれる手段ですが、長期的になってくるとだんだん効き目が薄れてくるという性質も持っています。
テグレトールが効かなくなってきたら、神経ブロックによる治療が検討されます。

右後の頭痛

右後に頭痛が生じる場合は、後頭神経痛(こうとうしんけいつう)の可能性が考えられます。

後頭神経痛の原因

大耳介神経・小後頭神経・大後頭神経という頭皮や筋肉に位置している神経が、後頭神経痛の発症原因です。
症状が現れる部位によって、以下の3種類があります。

  • 耳の後ろ側に痛みが発症するのは、大耳介神経痛。
  • 側頭部(頭の外側)に症状が現れるのは、小後頭神経痛。
  • 頭頂部~後頭部にかけての頭痛は、大後頭神経痛。

また、後頭神経痛の原因は緊張型頭痛・肩こり・変形性頚椎症や関節リウマチなどといった首の骨に生じる異常・帯状疱疹や単純ヘルペスなどの感染症・首や頭の手術・むち打ち(ケガ)・血管の圧迫などいろいろあります。
後頭神経痛は、同じく神経により引き起こされる三叉神経痛の発症原因との共通点が多いところも特徴的です。

後頭神経痛の症状

右後だけが痛くなる場合と、左右両方の後方が痛くなる場合とがあります。
右後のみ、もしくは左後のみといったように片側だけに症状が現れたときは、帯状疱疹や片頭痛と間違いやすいので、きちんと正しく見極めて適切な治し方を行う必要があります。
片頭痛や緊張型頭痛と後頭神経痛との見極め方法の一つとして、後頭神経痛の場合は他の2種類と異なり、一般的にはめまいや吐き気などの症状はありません。
後頭神経痛は頭痛症状の他にも、頭皮に違和感や感覚が鈍くなったと感じる患者さんが多くいます。

後頭部の頭皮がチクチク、ピリピリと痛くなる方から、激痛レベルの方まで痛みのレベルには個人差があります。
圧痛と呼ばれる、患部を押したときに痛くなるケースもあります。
継続的に痛い方、発作的に一時だけ痛い方とさまざまです。

後頭神経痛の治し方

医療機関では、まず別の疾患と間違えないように確認作業が行われます。
例えば、帯状疱疹との見極め方法として、頭皮に水泡(水ぶくれ)などの皮疹が確認されれば、後頭神経痛ではなく単純ヘルペスや帯状疱疹の可能性が高くなります。

後頭神経痛そのものは、発症してから数日~1週間ほどで症状がなくなるのが一般的です。
治し方として、薬が使用されます。
神経が修復するよう促進するには、ビタミンB12が有効です。
ビタミンB12はほとんど副作用が生じることがなく、市販薬ではアリナミンEXプラスなどに配合されています。
痛み止め(鎮痛薬)には、NSAIDsなどがあります。
NSAIDsの服用で考えられる副作用は、胸焼けや胃痛など。
市販薬では、バファリンAやロキソニンSなどがあります。

右側頭部の頭痛

右側頭部の頭痛は、片頭痛などの可能性が考えられます。

片頭痛の原因

片頭痛を発症する原因は、まだ解明されていません。
一説には、セロトニンが関わっているとされています。
セロトニンとは、精神状態や体温調節、睡眠、生体リズムなどと関わりがある神経伝達物質で、足りなくなると精神疾患(うつ病など)を引き起こしやすくなるといわれています。

片頭痛を発症している患者さんは、周辺に変化が生じたときに頭痛症状が現れる場合があります。
以下のような原因も片頭痛を引き起こすと考えられています。
運動・喫煙・光・アルコール(特に赤ワイン)・食事を摂らないこと・お腹が空くこと・におい・旅行・温度差・気圧の変化・天候の変化・生理の周期・睡眠不足・寝過ぎ・疲労・精神的な緊張状態・ストレスなど。

片頭痛の症状

右側頭部やこめかみが、ズキズキ・ガンガンと脈を打つような痛みが生じます。
特に若年層が発症する傾向があり、20歳代~40歳代の女性患者が多い疾患です。
強烈な頭痛症状が現れることから、日常生活を送るのが困難になる患者さんもいます。
動くことで片頭痛を症状が酷くなることから、横たわっていたりじっと座っている方がラクになります。
症状が出る前に、嘔吐・吐き気・音や光に敏感になるなどといった前兆がでます。
頭が痛くなると、数時間~3日くらい収まりません。
片頭痛が生じるサイクルは1か月に1~数回で、頭痛症状が何回も起こります。

片頭痛の治し方

片頭痛は発作の引き金になる原因を避けること、安静に過ごすことなどが効果的です。
激しい頭痛症状から、日常生活を送ることや職場での従事が困難になることもあります。
片頭痛の治療で医療機関に行かれる場合は、神経内科などを受診することになります。
診断によって、吐き気や痛みを抑制させる薬が用いられます。
もし、片頭痛で病院へ行かれる際に授乳中や妊娠している可能性のある女性は、処方される薬によっては配慮が欠かせないことも考えられますので、その旨を医師に伝えておきましょう。

右のこめかみの頭痛

右のこめかみや耳の上、側頭部に発症する頭痛は、群発頭痛や片頭痛の可能性があります。

群発頭痛の原因

群発頭痛はヒスタミン・ニトログリセリン・アルコールが原因となって発症することがあります。
ヒスタミンは、アレルギー症状を引き起こす物質です。
炎症が原因で血液内にあるヒスタミンが増えると、かゆみなどの症状につながります。
群発頭痛はどうして右のこめかみなど片側のみに生じるかなど、原因の解明には至っていません。

群発頭痛の症状

群発頭痛は、じっとしていられずのたうち回るほどの激痛が起こることがあります。
個人差があり、1か月~2か月間に限定して発作が生じるケースもあります。
発作が起きると、1回あたりの何十分も収まることがありません。
右側の目だけから涙が流れたり、充血したり、目の奥・目の周辺・側頭部が痛くなるなどの症状が現れます。

群発頭痛の治し方

群発頭痛を発症したらとても耐えられるような痛みではありませんので、神経内科などの医療機関で治療を受けましょう。
病院での治し方として、頭痛を抑制させる酸素吸入治療や薬が用いられます。
群発頭痛が何度も起きているという場合には、慢性的な発作を防ぐ薬が用意されています。
もし、患者さんが授乳中のママや妊娠している可能性のある女性なら、薬の飲み合わせに配慮してもらうため医師に伝えてください。
個人的にできる対策としては、喫煙時やアルコールを飲んだときに群発頭痛が起こる方は、原因を避けるようにしましょう。

右側の頭痛で迅速な受診が必要な症状

右側の頭痛は、ここまでご紹介してきたようにさまざまな疾患の症状です。
脳腫瘍や脳出血の症状は、腫瘍や出血が生じた箇所に頭痛症状が現れるケースもあれば、頭部全体が痛むケースもあります。
病気が脳腫瘍や脳出血なら頭痛症状がある部位だけでの特定が困難なので、以下にあてはまる項目が 1つでもありましたら、迅速に病院で受診してください。

  • 免疫不全やがんの状態である
  • 意識がはっきりしない
  • うまく話せない
  • 手足が思い通りに動かない
  • 50歳を過ぎて初めて体験した頭痛
  • 徐々に頭痛の頻度が増え、悪化している
  • 普段にはない頭痛
  • 生まれて初めての激痛に襲われた
  • 突如頭痛が起きた

右でも左でも実は・・・

右側に生じた頭痛について、可能性のある病気をまとめました。
しかし、左右どちらに生じたとしても、実は右か左かが病気の特定に特別な要因となるわけではありません。
重要なのは左右どちらかではなく、どこが痛むかが病気の特定のポイントになります。
実際のところは、左右どちらであっても同じ病気です。
頭痛が発生した部位によって、ある程度可能性のある病気が特定できたら、すぐに病院で正しい治療を受けるべきか、自然治癒できそうかなどの見通しが立ちやすくなります。
大丈夫そうだと思っても改善しないようでしたら、医療機関で専門医に相談して正しい治療を受けてください。

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