後頭部の右側・左側・首筋など、痛い箇所が後頭部の具体的な場所なら、病気の特定がしやすいかもしれません。
日本人は頭痛持ちの人が多い国民性で、約3人に1人が慢性的な頭痛の悩みを抱えています。
今回は特に後頭部の右・左・首筋に生じた頭痛に注目をし、どんな病気の可能性があるのかをご紹介していきます。
原因や症状の特徴、治し方、どの頭痛か分からない場合の簡易テストもありますので、ぜひご覧になってください。

後頭部の右・後頭部の左に生じる頭痛

後頭部の右側だけが痛い、左側だけ頭痛の症状があるという経験はありませんか。
右側だったらこの疾患、正反対の左側だったらこの疾患と違うわけではありません。
片側一方のみに頭痛症状が現れる病気が何種類かあるのですが、左右どちらでも同じ病気です。
後頭部の右のみ、後頭部の左のみに頭痛症状が現れる病気を以下にご紹介します。

群発頭痛

群発頭痛は男女比が男性:女性=7~8:3~2と、男性の患者数の方が多い傾向があります。
症状が現れる時間帯は、夜中~夜明けが多いのも特徴的な病気です。

  • 群発頭痛の原因 ── 詳しい原因はまだ解明されていませんが、頭の中にある血管が過剰に拡張することが原因の一つだといわれています。
  • 群発頭痛の症状 ── あまりの激痛が起こることから、「痛みの王様」の異名を誇るのが群発頭痛です。
    毎年同じ時期に、立て続けに頭痛症状が現れます。
    左右どちらかの目の奥が、まるでえぐられるかのような激しい痛みを発症します。
    何十分~3時間程度続いた後、痛い目が充血したり、涙が流れたり、鼻水がでたりします。
  • 群発頭痛の治し方 ── ほんのわずかであっても群発期の飲酒は発作につながりますから、群発頭痛の発症時期は控えるようにしましょう。
    頭痛症状が出てから薬を飲んでも、効き目がでません。
    発作時間にパターンがある方は、早めにエルゴタミン(血管収縮薬)を服用してください。
    薬が手元にない場合は、深呼吸を行ってみましょう。
    医療機関によっては、痛みの抑制対策に100%濃度の酸素吸入を行っているところがあるくらいです。

片頭痛

片頭痛は男女比が男性:女性=5:18と、女性の患者数がとても多い傾向があります。
30代女性は特に片頭痛の方が多く、全体の2割近くを占めるという高い数字です。

  • 片頭痛の原因 ── 異常な血管の拡張や、血管の周りに神経原性炎症が生じるなどが片頭痛の原因といわれています。
    片頭痛を引き起こすものには、ストレス・アレルギー・運動・ショッピング・音や光・暑さや寒さ・晴れや曇りや雨・歯や鼻や目などの病気・経口避妊薬・生理中・生理前・寝不足・寝過ぎ・中華料理・紅茶・コーヒー・乳製品・ソーセージや肉・ナッツ類・柑橘類・チーズ・ワイン・チョコレート・食事をとらない・空腹などがあります。
  • 片頭痛の症状 ── 脈打つようなズキズキする頭痛症状があります。
    症状が現れると痛みが何時間~3日間くらい継続し、それが1か月に1~2回起こります。
    音に対して過敏になったり、光が通常よりまぶしく感じられたり、吐き気を伴うなどします。
    患者さんによって、片頭痛の症状が現れる前の前兆があるという方もいます。
    例えば、手足が麻痺する、閃輝暗点(キラキラとした光が目の前に見えて視界がぼやける症状)が生じる、イライラしてくる、お腹が空いてくる、生あくびがでるなどです。
  • 片頭痛の治し方 ── 患者さんによっていつもこれが原因で片頭痛になるという傾向があることがありますので、そういった引き金になるものを把握しておくことが役立ちます。
    特に多くの患者さんに見られる前兆は、チーズやワインです。週末になるといつも頭痛に悩まされるというタイプで、寝過ぎが引き金になると考えられる方は、早起きする必要がないお休みの日でも平日通りの時刻に起床することが片頭痛の回避に役立ちます。でかけると片頭痛になるという方でしたら、まぶしさ・騒音・人や車の流れなどが引き金になっている可能性が考えられますから、サングラスを装着することをおすすめします。

    片頭痛の症状がでてしまってからの対処法としては、可能な限り安静にすることです。
    一番いいのは、暗室で横になって眠り込んでしまうことです。

    お腹が空く、生あくびをするなどの前兆があるという方は、片頭痛の薬を早めに服用するようにしましょう。
    片頭痛の場合、痛みの緩和に効くやり方は患者さんによってさまざまです。
    頭部を温める・冷却する・患部をもみほぐす・抑えるなど、ご自身が実践してみて効き目のあるやり方を見つけてください。

緊張型頭痛

緊張型頭痛の頭痛は、片頭痛よりも比較的軽度な傾向がみられます。

  • 緊張型頭痛の原因 ── 精神的な原因と筋肉の凝りから引き起こされるものと主に2タイプがあります。
    精神的な原因の緊張型頭痛は、家庭内のトラブルや仕事上の人間関係などといった、心にストレスがかかることにあまり強くないタイプの方がかかりやすいといえます。
    なんとなく鈍く重いような頭痛症状から発症し、これが四六時中継続する特徴があります。筋肉の凝りから引き起こされる緊張型頭痛は、長時間に渡りパソコン画面を見る方、デスクワークなどに従事し前傾姿勢を取り続けている方などが発症しやすいといえます。眼精疲労や度が合っていないメガネをしていることも、緊張型頭痛の発症原因となります。
  • 緊張型頭痛の症状 ── 頭部が全体的に重くなったような感覚に襲われ、グーッと締め付けたり圧迫されるような頭痛が特徴的です。
  • 緊張型頭痛の治し方 ── 精神的な原因も筋肉の凝りからくるものも、心身ともに緊張を解きほぐす治し方が有効です。
    最初から薬を利用するのではなく、外の空気を吸って気分を入れ替えたり、マッサージ・体操・ストレッチなどで体をほぐすなどしてみましょう。
    お風呂でゆったりと湯船に浸かることも、心身のリラックスに効果を発揮します。

群発頭痛・片頭痛・緊張型頭痛のどれか簡易テスト

後頭部の右だけ、後頭部の左だけに頭痛が発症したけれど、結局どの病気かわからないというとき、以下の簡易チェックリストを試してみてください。

1)頭痛症状が起きるサイクル
A)1回生じると数週間~数か月継続しそれを何年も繰り返している B)1か月に約1回~3回 C)連日・1週間に数回

2)頭痛以外の別の症状の有無
A)鼻づまり・鼻水・目の充血・涙が出る B)音や光に敏感になる C)めまい・肩こり

3)動いたときの痛みの有無
A)痛みが強烈過ぎて動かずにいられない B)余計に痛くなる C)静かにしているときと同じ

4)痛みの酷さ
A)強烈な痛み B)とても痛い~中程度 C)中程度~軽度

5)痛みの現れ方は
A)えぐられるように突き刺す痛み B)ズキズキする C)圧迫され締め付けられるような痛み

6)痛みが生じる部位は
A)片方の目 B)頭部片側 C)頭部両側

いかがでしたでしょうか。
Aが最も多かった方は群発頭痛、Bは片頭痛、Cは緊張型頭痛の可能性があります。
同じ数で並んだ場合は、2種類の混合タイプとなります。

後頭部の首筋に生じる頭痛

後頭部の首筋に痛みが生じる頭痛は、解離性動脈瘤(かいりせいどうみゃくりゅう)やくも膜下出血の可能性があります。

解離性動脈瘤

解離性動脈瘤は脳卒中の一種ですが、コブができる一般的な脳卒中とは異なり病気というより血管のケガに分類されている疾患です。
そのため、むしろ若年層方が発症する方が多くなっています。
血圧が高めの方が発症しやすいという傾向があり、脳梗塞やくも膜下出血につながることがあります。

  • 解離性動脈瘤の原因 ── 脳の血管は外側から順番に外膜・中膜・内膜という3層で成り立っています。
    血液はこの内膜の中を流れおり、血管の膜が裂ける病気が解離性動脈瘤です。
  • 解離性動脈瘤の症状 ── 中膜と内膜の間が裂けたとき、健康なときには存在しない空間である偽腔と呼ばれる部分ができます。
    偽腔に血液が流れてしまい、それが原因となって血管に亀裂が生じると、頸部痛や後頭部から首筋にかけた頭痛などの症状を発症させます。
  • 解離性動脈瘤の治し方 ── 解離性動脈瘤は上記でもお伝えしましたように血管のケガという認識がなされ、病気といったものと考えられていません。
    手をケガしたときに放置しておいても自然治癒するように、解離性動脈瘤も軽い症状でしたら裂けた部分が自然に治り、頭痛症状も一時的ですみます。ただ、自然治癒がスムーズに行われなかったとき、裂けた部位がどんどん切り裂かれていきます。真腔と呼ばれる血液が流れるはずのところに、裂けた部分から内膜がめくれあがっていくと血管が狭くなるので、脳梗塞につながるケースも考えられます。
    このような患部を解離性動脈瘤(りゅう)といいます。

    脳血管の外膜はとてももろいので簡単に破れてしまい、くも膜下出血を発症させます。
    一般的な脳動脈瘤とは異なるのでまた出血する危険性が高く、命に影響する場合もあります。
    症状がここまで悪化した場合は自然治癒が困難になりますので、すぐに外科的治療を受けなければなりません。

    血管の亀裂が原因で作られた動脈瘤ですから、再出血を防ぐ治し方が求められますので、通常は裂け目を血管ごと閉塞(へいそく)させます。

    ただ、この治し方が原因で脳梗塞を発症させるリスクがあることから、近年では閉塞ではなく修復を目指してステントを留置する方法に切り替えられてきています。

    ステントとは、動脈用に開発された柔軟性の高い筒状のものです。
    治療法としてはまだ新しいので、長い時間をかけて経過をみていくことが必要となります。

くも膜下出血

くも膜下出血は、中高年の過労死原因としても耳にすることの多い疾患です。
脳出血や脳梗塞などと並ぶ脳卒中の種類です。
脳卒中のうち約12%がくも膜下出血にあたり、心臓麻痺などによって急に命を落とす患者さんが約4.7%もいます。

  • くも膜下出血の原因 ── 脳は3つの膜によって3層になっています。
    一番内側をおおっているのが硬膜、その外側がくも膜、一番外側が軟膜です。
    くも膜下腔(かくう)と呼ばれる腔(すき間のこと)が軟膜とくも膜の間にあり、脳脊髄液(のうせきずいえき)が循環している部分です。
    血管が破壊されて出血がくも膜下腔に生じるのが、くも膜下出血という病気です。
  • くも膜下出血の症状 ── くも膜下出血は、しばしば後頭部の首筋にバットで殴られたかのような強烈な頭痛症状が現れます。
    他にも意識障害、痙攣(けいれん)、嘔吐などが急激に襲うという特徴があります。
    血の出る量や出方により、症状が異なります。わずかな出血量であれば意識障害には至らず、至ったとしても数分程度ですぐに元に戻りますので治療を受ける必要もありません。他には嘔吐、頭が全体的に痛い、首筋(ぼんのくぼ)が痛いなどの症状がありますが、一般的な胃痛や風邪と勘違いされることも少なくありません。
    重症の場合は、ひどい呼吸障害や意識障害に見舞われ、昏睡状態から起きることなく亡くなるケースもあります。
  • くも膜下出血の治し方 ── 症状が現れてからの約1時間の病変が、以降の状態に大きく影響するケースが多々あります。
    くも膜下出血を発症したら、迅速に救急車で脳神経外科の医療機関に患者さんを運ぶことが大切になります。
    そうでないと、再び6時間以内に出血することも珍しくないためです。
    患者さんを移動させるときは、適切な処置を受けながら静かに運ぶことがポイントで、決して手荒な扱いをしてはいけませんので、救急搬送してもらうのが最適です。医療機関での治し方としては、まず血液循環や呼吸などといった全身状態への措置が取られます。
    脳圧や血圧を低下させる薬剤が用いられ、出血原因を調べる検査によって脳動脈瘤などのきっかけが明らかにされます。

他の頭痛向け対策をしないように

こうしてみていくと、同じ後頭部の頭痛でも取るべき対処法や発症原因が異なることがわかります。
重篤な疾患のサインである頭痛もあれば、命に影響がない頭痛もあります。

他の疾患向けのセルフケアを誤って行っていたり、自分の頭痛には作用しない市販薬を飲んでいるということがないようにくれぐれも気をつけてください。
唐突に頭痛の症状が起こる脳出血やくも膜下出血などは命にかかわる頭痛です。
迅速に救急搬送するか、医療機関を受診しましょう。

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