頭が痛いとき、例えば前頭部が痛むときには、もしかしたら脳の前頭葉に支障をきたしたのではないかなどと心配になってしまいます。
前頭葉といえば感情や思考、注意などを支配する重要部分ですから、これらの能力が低下しまったら大変なことは簡単に推測できます。

このように頭痛と一言で言っても、おでこの内側辺りが痛い、頭のてっぺんが痛いなどいろいろな箇所があるものです。
今回は、前頭部・頭頂部に発症する頭痛にはどのような病気があるのかをまとめました。
病院にすぐに行けないときなど、適切な対応に少しでもつながれば幸いです。

前頭部に生じる頭痛

前頭部の頭痛は、おでこの内側や上側に痛みが生じます。

片頭痛

片頭痛は、女性の患者さんが多い傾向が見られます。

  • 原因 ── 環境の変化・ストレス・睡眠不足・疲労・体質などが原因で発症します。
    性格面では、神経質な性格の方、努力家、完全主義などがかかりやすいという説もあります。
    脳の中の血管が必要以上に拡がることから引き起こされ、チョコレートの食べ過ぎ・コーヒーやアルコールの飲み過ぎなどから血管が拡張して片頭痛になる方もいます。
    チーズ、濃いお茶や紅茶などのカフェインが入った飲料、ソーセージ、柑橘類、ナッツ類などの特定の食品や薬品などが刺激になって発症するケースもあります。
    アルコールは、特に赤ワインには気を付けてください。
  • 症状 ── 頭痛の前兆として目の前がチカチカすることがあり、側頭部や前頭部を中心に症状が現れます。
    頭の左右どちらか、または両方が何時間もの間ズキンズキンという激しい頭痛に見舞われます。
    片頭痛が進行して重症化すると、嘔吐や吐き気などの症状を併発します。
  • 治し方 ── 根本的な治療方法は解明されていないのですが、症状を緩和する対策はあります。
    睡眠をたっぷり取ることで改善します。
    年齢を重ねることによって自然に回復していくケースもありますし、症状が収まってくるケースもあります。
  • 前兆が起きたら早めに対策ができる ── 片頭痛の悩みを抱えている多くの患者さんは、症状が生じる前に前兆が起きる傾向があります。
    全ての患者さんに前兆があるわけではないのですが、片頭痛の薬は症状が現れたら早めに服用するほど効果的です。前兆は、頭痛が開始されると収まってしまいます。以下の前兆の具体例をご参考にしていただき、もしご自身にも当てはまる前兆があるという場合は、そのタイミングを薬の服用に最適なときとして医師の指導とあわせて症状改善に役立ててみてはいかがでしょう。1)力が入らなくなる・手足がしびれる
    2)空腹感が生じる
    3)におい・音・まぶしさに敏感になる
    4)むくみがある
    5)不快感がある・イライラする
    6)しっかり睡眠を取っているのに、眠気やあくびがとまらない
  • 発症につながるパターン ── こんなときに片頭痛の症状が現れるというパターンを、患者さんはそれぞれ持っているものです。
    パターンを避ければ、予防になります。
    人それぞれなのですが、以下のものなどが例としてあります。
    強烈なにおい・騒音・まぶしい光・(女性の場合は)月経の前後・液晶画面を長時間見続けているとき・血管を拡張させる食べ物の過食・騒音のそばにいたとき・長時間睡眠を取ったまたは寝不足のとき・休日になってストレスがなくなったとき・低気圧(雨の日など)など。

群発性頭痛

群発性頭痛は、特に年齢が20代~50代の男性患者さんが多い傾向が見られます。

  • 原因 ── 群発性頭痛は発症のメカニズムがまだ明らかにされていませんので原因
    も明確にはされていません。
    ですが、以下の4つが引き金となって症状が現れることはわかっています。1)気圧の変動
    飛行機に搭乗したときなど、一気に気圧が変動します。
    海外旅行から帰国して時差ボケになるなど、時差などの影響が身体に生じたとき、群発性頭痛になるケースがあります。2)体内時計の乱れ
    群発性頭痛は、同じ時刻やタイミングに頭痛の症状が現れるという性質を持っています。
    時差ボケともつながるのですが、生まれたときから体内にある生活リズムが乱れてしまうと、体内時計が同じように動かなくなることから頭痛を発症させるのではといわれています。体内時計が乱れることが原因という意味で、昼寝をして群発性頭痛になる場合もあると考えられています。

    3)アルコール
    アルコールを飲むことは、群発性頭痛の引き金となったり、頭が痛いときに摂取することで頭痛が悪化することに

    4)血管の炎症・拡張
    栄養を脳に届ける血管が拡張し、炎症を起こして腫れると頭が痛くなります。

  • 症状 ── 左右どちらかの目の奥が痛くなり、その痛みが側頭部や前頭部に拡張します。
    頭痛だけでなく鼻水や涙も伴う場合があり、まるで突き刺すよう、または焼けるようなと表現されるほどの強烈な痛みを発症します。
    群発性頭痛の発症が現れるタイミングは夜中が多く、1度痛くなると数十分~60分程度も頭痛が継続して、一晩に何回も繰り返されます。
  • 治し方 ── 頭が痛くなったときに、症状を緩和させる対処法として以下の2種類があります。
    1)酸素吸入
    頭が痛くなったときに100%酸素の吸入を行えば、80%近くが回復します。
    酷い頭痛の症状を緩和させたいときに有効な治療方法です。2)投薬治療
    トリプタン製剤によって、脳の血管が拡張しないように予防します。
    トリプタン製剤は、片頭痛の治療で生じた症状に応じて投与される薬としても役立てられています。
    完治というほどではないものの、皮膚のすぐ内側にある脂肪組織に針を挿入する皮下投与と呼ばれる方法を行うことで30分ほどで77%近く頭痛が解消されたという報告があります。
    頭痛の症状が現れたら、できるだけ早めに投薬を行えば高い効果につながります。
  • 症状を緩和させる方法 ── 以下の3つの対策で頭痛症状をやわらげる効果が期待できます。
    1)薬を飲むときに気を付ける
    世の中にはさまざまな薬の種類がありますので、中には頭痛の引き金になる成分が入っている可能性も否定はできません。
    とはいっても、現在飲み続けている薬を自己判断で勝手に中断するのは体に差し支えることも考えられます
    頭痛に影響する副作用の有無が気になったら、医師に問い合わせてください。2)予防効果が期待できる薬の活用
    群発性頭痛は、カルシウム拮抗薬を服用することが予防に効果的だとされています。
    頭痛症状がでてすぐや、症状がでやすい寝る前の時間帯にエルゴタミン製剤を飲むと、予防効果が期待できます。3)アルコールの摂取量を減らす
    アルコールを飲むことが、群発性頭痛の引き金になるといわれています。
    というのも、頭が痛いときにアルコールを飲んだら余計に酷くなったという方が多いので、予防策として飲酒に制限をかけることが有効だと考えられます。

緑内障(りょくないしょう)

緑内障は頭が原因の疾患ではありませんが、頭の前の方などに症状が現れます。
青そこひ(あおそこひ)と呼ばれることもあり、眼圧がアップして緑色の瞳になります。

  • 原因 ── 眼球内部にかかる圧力がとても高くなることによって、視神経に障害が生じます。
    徐々に視力が落ちてきますので、治療を受けることが重要です。
  • 症状 ── 緑内障は、何日間も前頭部に激しい頭痛の症状が現れます。
    嘔吐・電球の周辺に虹がかかったように見える吐き気・視力の低下・目の奥が痛くなるなどの症状を併発します。
    眼圧(眼球の内圧)が高くなることで視神経に障害を受け、視界がどんどんと欠けていきます。
    緑内障は大きく、慢性緑内障と急性緑内障の2種類に分類することができます。慢性緑内障は視界がだんだんと欠けていくものの、視力もずっと保たれるために自覚症状が現れにくく、病気に気が付かれないこともあります。
    急性緑内障は正反対で、急激に眼圧が上昇して発症します。
    適切な治療を受けないままで放置していると、2日~3日で失明する危険性があります。閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう)、開放隅角緑内障、続発緑内障、先天緑内障、高眼圧症、正常眼圧緑内障という種類にも分類されます。
    現れる症状がそれぞれ異なり、これらの中で頭痛の症状が発症するのは閉塞隅角緑内障です。閉塞隅角緑内障にも慢性緑内障と急性緑内障とがあり、症状も異なります。
    頭痛は急性閉塞隅角緑内障の症状の一つで、他にも嘔吐・吐き気・眼痛などがあります。
    頭蓋(ずがい)内出血などの内科の疾患と誤解されやすいことから、適切な治療がなされるまで回り道をして失明に至るケースも珍しくありません。
    大きく瞳孔(どうこう)が開く、黒目や角膜が濁る、白目や結膜が赤く充血するなどの異変で視力が落ちますが、気分が悪く目を閉じて休んでいることが多いので周りから気付かれにくいことがあります。
  • 治し方 ──急性閉塞隅角緑内障は、すぐに治療を受けずに放っておけば2日~3日で失明の可能性も考えられますので迅速に病院で治療を受けてください。
    瞳孔部分で房水(ぼうすい)の流れが断たれていますから、流れるように内服または点滴で眼圧を低下させるなどの処置が取られます。
    それでも遮断されたままの場合は、入院後緊急に虹彩切除術が行われます。

頭頂部に生じる頭痛

頭頂部に頭痛の症状が現れたら、後頭神経痛(こうとうしんけいつう)の可能性が考えられます。

後頭神経痛

後頭神経痛は名前からもわかる通り、頭痛だけでなく神経痛の疾患でもあります。
後頭神経痛はさらに大耳介神経痛・小後頭神経痛・大後頭神経痛の3種類に分類されます。

  • 原因 ── 大耳介神経痛は耳の後ろ下、小後頭神経痛は耳の後ろ側、大後頭神経痛の後ろ側に位置しています。
    痛みを感じる部位がこのように違いますが、共通の症状が現れます。
    というのも、頭部は頚部という筋肉に支えられており、筋肉同士の間から大耳介神経痛・小後頭神経痛・大後頭神経痛の3つは頭の外側方向に伸びる形で位置しています。
    これにより、筋肉の圧迫の影響を受けやすいといわれているためです。後頭神経痛は、精神的なストレス、パソコンを長時間操作し続けるなどの同じ姿勢を継続的に行うこと、頚椎の変形、猫背などの正しくない姿勢、激しい肩こりなどから発症につながります。
  • 症状 ── ズキンズキン・キリキリ・チクチクといった頭痛が生じます。
    瞬間的にビリッと電気が通るような感じの痛みが何度もあり、頭痛の症状が収まっている間もしびれ感や違和感があります。
    痛みを感じる部位は耳の後方、左右どちらかの耳から頭頂部・後頭部にかけてです。
  • 治し方 ── 発症してから1週間程度もすると、自然治癒するケースが多い病気です。
    ただ、本当に後頭神経痛かどうかの正確な判断をするためには、病院で診察を受けた方が安心です。
    後頭神経痛そのものは、危険な病気ではありません。

緊張性頭痛と片頭痛を見極める簡易チェックリスト

緊張性頭痛(筋収縮性頭痛)と片頭痛とどちらなのか迷ったときは、以下の簡易チェックリストを試してみてください。

チェック6項目

以下の6項目の中で、該当するポイントを加算していってください。

  • 頭痛の症状が現れている最中、光をまぶしいと感じる(Yesなら-2、Noなら0)
  • 頭痛を発症しているときに、嘔吐することが多々ある(Yesなら-2、Noなら+1)
  • 頭部の左側のみ、もしくは右側のみ頭痛が生じる(Yesなら-2、Noなら+2)
  • 鈍痛がぼんのくぼ(頭の後側)に生じる(Yesなら+3、Noなら-1)
  • 頭が痛くなるとき必ず肩がこる(Yesなら+3、Noなら0)
  • 頭痛を発症する予兆として、光がチカチカして見える(Yesなら-3、Noなら+1)

簡易チェックの結果

合計を算出したら、
-5 未満なら ── 片頭痛の可能性があります
-4 ~ -3なら ── 片頭痛の疑いがあります
-2 ~ +2なら ── 精密検査を受けてください
+3 ~ +4なら ── 緊張型頭痛の疑いがあります
+5 以上なら ── 緊張型頭痛の可能性があります

心配な症状が合致したら病院へ

前頭部や頭頂部に頭痛の症状が現れる疾患は、バラバラの特徴を持っています。
後頭神経痛のように放っておいても自然治癒するものもあれば、急性閉塞隅角緑内障のように2日~3日以内に適切な処置を受けなければ失明に至るものもあります。
それぞれの特徴から今起きているご自身の症状と近いものがあれば、早めに病院で診てもらってください。

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