春(3月、4月、5月)は年度末で学校の進学や進級時期という、生活の大きな変化を迎えるシーズンです。
大人は年度末に仕事が忙しくなったり、人事の変動があるなど、多くの方にとって精神的にも身体的にも大変な時期でしょう。
1日の寒暖差が激しくなりますから子供や社会人の大人ばかりでなく、高齢者の方も普段以上の注意が必要になります。

本ページでは子供が春(3月、4月、5月)に流行る病気ランキングを、発症期間の長さでまとめました。
さらに、大人の間で春に流行しやすい感染症についてもお伝えしますので、ご参考になれれば幸いです。

子供の春(3月、4月、5月)に流行る病気ランキング

以下は発症する可能性のある期間の長さでまとめた、春(3月、4月、5月)に流行る病気ランキングです。

第3位は乳幼児嘔吐痢症で、11月から翌年の3月まで約5か月もの間が流行しやすい期間となります。
同じく第3位はインフルエンザで、11から翌年の3月まで。

第2位は風疹(ふうしん・三日はしか)で、11月から翌年の4月まで半年近く。
同じく第2位は麻疹(はしか)で、1月から6月まで。

第1位は水ぼうそう(水痘・すいとう)で、11月から翌年の7月まで9か月近くもの長期間に渡り流行しやすい病気です。

第3位:乳幼児嘔吐下痢症

乳幼児嘔吐痢症の患者さんは主に乳児で、白色から黄白色(おうはくしょく・クリーム色のような白と黄色を混ぜた色)の下痢便の症状が生じる急性の疾患です。
潜伏期間は48時間未満で、発症シーズンは主に冬の寒い時期です。

発症原因は、ロタウイルスの感染によるケースが多いといわれています。
ウイルスは便の中に含まれていますが、便から口や手にうつって感染することが多い特徴があります。
手洗いを徹底することで、感染を拡大させないことが重要です。
近年では、簡単に抗原(アレルギー反応を引き起こすもの)の検査ができるようになっています。

同じく第3位:インフルエンザ

インフルエンザウイルスが感染することで、突然の高熱、倦怠感(けんたいかん)、関節痛、筋肉痛、頭痛など全身に症状が現れ、その後咳や鼻水などの呼吸器症状も出てきます。
場合によっては肺炎などの重篤な疾患につながるケースもあり、インフルエンザウイルスの感染が原因で慢性の病気が急激に悪化することも有名です。
3日ほど発熱症状があり、後からのど風邪や鼻風邪の症状が3日~4日くらい続いたあとだんだん落ち着いてきます。

インフルエンザ 今年の症状と予防接種について

第2位:風疹

風疹が三日はしかと呼ばれることあるのは、はしかのような発疹が長引くはしかとは異なり3日程度で回復するためです。
春頃に流行する感染症で、発疹の他に38度前後の発熱がでるウイルス性の病気であり、首筋~耳の後ろにあるリンパ節に痛みを伴った腫れの症状が現れます。
発症から3~5日程度で熱が下がり、発疹もなくなります。
発疹の痕が残るということはほぼありません。

風疹の症状とは?

同じく第2位:麻疹

麻疹は麻疹ウイルスが感染することで発症し、全身の発疹、目の充血、咳、発熱などの症状が現れます。
特に生後7か月を過ぎた乳児が感染しやすいという特徴がありますが、理由は赤ちゃんは母親から免疫体をもらっているためです。
免疫体の効き目から生後3か月までは麻疹を発症する心配がなく、その効果は減っていくものの、生後6か月までは発症したところで軽度ですみます。
麻疹の流行は地域によっても異なり、地方エリアではだいたい3年~4年ごと、都心部では1年ごとのスパンで流行っています。

はしか(麻疹)の症状

第1位:水ぼうそう

水ぼうそうは水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスがうつることで発症する病気です。
主な症状は、全身に現れる水泡性の発疹です。
2週間近い潜伏期間ののち、急に38℃~39℃の発熱がでます。

赤ちゃんは母親から免疫体をもらっているので水ぼうそうを発症する心配がありませんが、2歳~6歳は発症しやすくなりますので注意が必要です。
一度発症してしまえば、二度とかからずにすみます。

水ぼうそうの症状について

子供が春に注意したい病気


子供たちの間で春ごろになりやすい病気は、予防接種のワクチンであらかじめ防げるものが多くあります。

冬から3月くらいまで

3月といったら、なりやすい病気という観点からみれば春というより冬の終わりの時期です。
冬に流行しやすいものにはRSウイルス感染症やインフルエンザなどがあり、ロタウィルスやノロウィルスなどによる嘔吐下痢症が流行します。
体調を崩さないよう、温度や湿度調整をお勧めします。

4月から5月くらいの春

4~5月になると、3月頃までの冬場に流行していた感染症が収束します。
あまり春から流行し始める疾患はないのですが、進級や入園などの時期ですから子供にとっての生活環境がガラリと変わります。
新しい環境に突入したことで子供は健康を害しやすくなりますから、発熱や鼻水などといった病気の初期症状に気づいてあげたいところです。

年度の初めは、ちょうど人から人に感染する疾患が流行する時期です。
大きな寒暖差があるので体の調子を壊しやすいですし、集団生活という環境で他者から感染症のウイルスをうつされる可能性が高まります。
春(3月、4月、5月)という季節だから流行るというわけではないのですが、溶連菌感染症の患者さんが増える傾向はあります。
集団感染しやすい水ぼうそう、風疹、はしかなどの疾患には気を付けてください。

親御さんからできる指導

流行するシーズンが近づいてきたら、予防を始めることが大切です。
お住いのあるエリアではどのような病気が今流行しているのか、情報収集できるかもしれません。
保護者向けにその時期子供に対して予防に力を入れたい疾患の情報などが、手紙や掲示などで提供されるかもしれませんのでチェックしましょう。
風邪をひいたかのような症状があり、どんどん酷くなっていくようでしたら小児科で相談し、適切な診察や治療を受けられるようにしてください。

子供が春から夏にかかりやすい病気

子供がなりやすい病気は種類がとても多いので全部をここで取り上げることはできませんが、以下にご紹介する疾患だけでも特徴を押さえておけば、いざというときの適切な対処に役立つかもしれません。

溶連菌感染症

溶連菌感染症は感染症の一種で、幼児の患者さんが多い疾患です。
溶連菌感染症は新入学シーズンに流行し拡散するという特徴がありますので、逆に言えばこの時期だけ重点的に予防に努めればいいといえます。
喉の痛みや発熱などの初期症状が一般的で、風邪を引いたと勘違いして病院へ行ったら溶連菌感染症にかかっていることが判明するケースが少なくありません。
出血斑が咽頭にできている場合があり、咽頭が収まったかと思うとお腹や手、足などに細かくて赤い斑点のような発疹ができます。
発症から3日~4日ぐらい経つと、赤いブツブツが舌にできるケースがあり、イチゴ舌といわれたりもします。
何日かしてから、手のひらが赤くなる症状が現れるケースもでています。

溶連菌感染症に推奨されている治療法は、発症から10日~2週間くらいの間に抗生剤を用いる方法です。
後からリウマチ熱や急性腎炎の合併症を起こす患者さんもいますので、抗生剤を用いた後も気を抜かないことが大切です。

溶連菌感染症(人食いバクテリア)はどんな症状?子供だけでなく大人にもうつる?

アレルギー性鼻炎

花粉が飛散しているシーズンですし、ダニなどが活発に動き出すことからたくさんのハウスダストが浮遊するようになります。
鼻水やくしゃみなどの症状が一般的ですが、皮膚炎を発症する患者さんもいます。
鼻炎が進行すれば鼻汁が副鼻腔の中に蓄積しますので、感染症(髄膜炎や中耳炎など)の原因になる場合があります。

アレルギー性鼻炎対策は、ある程度の年月がかかるかもしれませんがアレルゲンへの抗体を作ることが有効です。
また、対症療法として鼻管の通りが向上するようにネブライザー吸入という方法が用いられたり、症状抑制のために抗ヒスタミン剤の服用などの治療が行われます。

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手足口病

手足口病は口内炎や手足に発疹ができるなどの症状が特徴的で、ウイルスがうつることで発症する感染症です。
基本的に発熱の症状はないのですが、年によっては発熱がある型が流行することもあります。
1週間くらいで治る病気ですが、感染力が高いので警戒が必要です。
主な治療は対症療法で、あとは安静にすることが求められます。
口内炎の症状がでると普段通りの食事がしづらくなりますから、食べやすい献立選びをしてあげましょう。

手足口病の症状(画像・写真)潜伏期間や出席停止は?

咽頭結膜炎(プール熱)

咽頭結膜炎が正式名称ですが、プール熱の呼び名の方が浸透しているかもしれません。
プールの水から感染する場合があり、喉が腫れる症状の咽頭炎と目が充血する結膜炎を併発し、発熱の症状もあります。
高熱がでると何日間か収まりません。
喉は痛みと腫れの症状が同時に起こりますので、物を食べて飲み込む嚥下(えんか)障害につながります。
充血して目を真っ赤にさせているので第三者が見てとても辛そうですが、そればかりでなく下痢・腹痛・吐き気・頭痛を併発する場合がることから本人にとってとても辛い疾患です。

プール熱(咽頭結膜熱)とは?大人・子供の症状と出席停止について

気管支喘息

気管支喘息は1年中かかりやすい病気ですので、春にも引き続き警戒が必要です。
気管支喘息の気管とは、喉より奥へと空気が通過する気道のことです。
気管は途中から左右へ2本に分かれ、肺へとつながっていくのが気管支となります。
気管支に炎症が発症すると中が細くなりますので、通過する空気の量が少なくなります。
そのことによって呼吸困難になる病気が、気管支喘息です。

気管支喘息を発症すると、「ヒューヒュー」という特有の音が聞こえます。
原因がわからないケースが少なくないのですが、かぜ症候群(気管支炎や上気道炎など)が気管支に炎症を引き起こすこと、アレルギー疾患(アレルギー性鼻炎やアトピーなど)が原因ではないかと指摘されています。

原因が解明されないケースがほとんどであるために、治療の基本は対症療法となっています。
発作がひどいと、気管支を開くためのネブライザー吸入なども功を奏せず、呼吸困難の状態が継続して意識レベルの低下を招くケースがあります。

対策としてはハウスダスト(ダニやペットの毛など)といった生活環境で生じるアレルギー因子を清掃して、可能な限り清潔な空間で過ごすことが効果的です。
最近の傾向として、花粉症患者の年齢が若年化していますから、喘息を抱える子供には花粉症予防にも力を入れることをおすすめします。

気管支喘息の症状と治し方とは?

川崎病

川崎病も気管支喘息と同様、1年中注意したい病気です。
発症原因がいまだ解明されておらず、主に年齢が4歳以下の乳幼児の患者さんが多く、急に亡くなったり、冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)を同時期に発症することがあります。
重病の一種であり、川崎病の可能性があったら早めの受診と正しい治療を受けることが必要です。
主な初期症状は咽頭部の腫れや発赤、発熱で、風邪と勘違いされることもあるでしょう。
発症から少し経過すると、大きく首のリンパ節に腫れの症状が現れます。
依然として高熱が続く他、唇や目が真っ赤になり、足や手は赤くなるだけでなくはちきれそうなくらいに腫れあがります。

警戒が必要なのは、心臓の周りにある冠状動脈に後遺症が生じることです。
後遺症はかなり経ってから症状が現れる場合がありますので、回復しても何年かは観察を続けてください。
川崎病はまだ未解明の部分がある病気なので、現在もなおデータ収集が継続されている状況です。

大人が春にかかる3つの感染症

感染症は子供の時期に予防接種を受けて免疫がある、すでにかかっているので安心だという方も多いでしょう。
毎年春(3月、4月、5月)の時期に大人の間でなりやすい病気として、おたふく風邪(流行性耳下腺炎・ムンプス)・はしか(麻疹)・風疹(3日はしか)の3種類の感染症患者が増加傾向にあります。
いずれも子供がかかる感染症のイメージがありますが、抗体を持っていなければ大人になっても発症する可能性はあります。
いずれもワクチンの予防接種を受けることで、発症前に防ぐことが可能です。

大人のおたふく風邪

おたふく風邪は、14日~24日くらいの潜伏期間を経て発症します。
発熱・頭痛・顎下腺(顎の下)や耳下腺(耳の下)の膨れなどの症状がでます。
感染経路は接触感染や飛沫感染で、ワクチンで予防接種をするなら費用の目安はだいたい5,000円~8,000円です。

おたふくかぜの症状と予防接種・ムンプスウイルスの潜伏期間

大人のはしか

はしかは、10日~12日くらいの潜伏期間を経て発症します。
コプリック斑(口腔内に白色の発疹ができる)・全身に発疹が生じる・目やに・鼻汁・発熱などの症状がでます。
感染経路は接触感染や飛沫感染、空気感染で、ワクチンで予防接種をするなら費用の目安はだいたい8,000円~10,000円(はしかと風疹の混合ワクチンの場合)です。

大人の風疹

風疹は、4日~21日くらいの潜伏期間を経て発症します。
耳の後ろ側にあるリンパ節の腫れ・顔や額から全身に至る発疹・発熱などの症状がでます。
感染経路は接触感染や飛沫感染で、ワクチンで予防接種をするなら費用の目安はだいたい8,000円~10,000円(はしかと風疹の混合ワクチンの場合)です。

風疹に大人がかかると重症化も

風疹は別名「3日はしか」というくらいですから、大人になってもはしかが3日で終わる程度の軽度なものだと思われがちかもしれません。
子供はまだ免疫機能が出来上がっていないことからウイルスと戦う反応が十分でないために軽い症状ですんでいます。
一方の大人はウイルスの防御反応が十分に確立されているからこそ、重症化するという考え方もなされています。
大人が風疹を発症した場合、髄膜炎に似た合併症を引き起こすケースもあることから、安易に考えることはできません。

風疹の予防接種は2回必要

風疹の予防接種は、間隔をあけて2回ワクチンを接種しないと十分な効果が得られないといわれています。
ただ、2回実施されるようになったのは、誕生日が平成2(1990)年4月2日以降の人ですので、それ以前生まれの方は注意が必要です。

予防接種を有効に利用しよう

春(3月、4月、5月)の時期は保育園や職場などで人の入れ替わりが激しいので、人からウイルスがうつる感染症などは特に注意が必要です。
予防接種を済ませているのかわからないときは、母子手帳を見ることで調べられます。
子供の予防接種は各自治体などで無料にて受けられる時期があることが多いですし、大人ももしかしたら全額自己負担ではなく助成がある自治体にお住まいかもしれません。
念のため確認した上、さらにワクチン接種は決してどこの病院でもやっているわけではありませんので、実施している医療機関に行くようにしましょう。

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