突然の吐き気が生じたとき、疑いのある病気の種類はいろいろあります。
突発的な吐き気の症状は多くの疾患のサインですので、原因の病気を知るためには吐き気以外の症状や特徴などと照らし合わせることが役立ちます。

本ページは、突然の吐き気の症状がでる疾患をまとめました。
吐き気以外の症状がいくつも載っていますので、原因の特定などの参考にしていただければ幸いです。

急性胃粘膜病変

急性胃粘膜病変は急性胃潰瘍(いかいよう)や急性胃炎のことを意味する病名ですが、近年の傾向としてこの一つの病名にまとめられる傾向がでています。
症状が現れる部分が粘膜だけでないケースがあることから、急性胃粘膜病変は急性胃病変の名称で呼ばれることもあります。

急性胃粘膜病変の症状

突然の吐き気、胃痛、嘔吐などが、急性胃粘膜病変の代表的な症状です。
胃潰瘍は、胃の粘膜に組織欠損の症状が深くできて孔(あな)があく病気です。
胃炎は、胃の粘膜がただれ(びらん)、むくみ(浮腫・ふしゅ)、赤くなる(発赤・ほっせき)などの異変を起こす病気です。
急性胃潰瘍や急性胃炎は、これら胃潰瘍や胃炎の病変が短い期間に急激に生じます。
突然発症しますが、短い間に治るというのも大きな特徴です。
胃潰瘍は出血を伴うケースがあり、その場合下血や吐血があることも考えられます。

急性胃粘膜病変の原因

急性胃粘膜病変を発症する原因は、肉体的(熱傷・外傷・手術など)または精神的なストレス、アツアツの飲み物や食べ物を口にする、香辛料・お茶・コーヒー・アルコールなどの飲食物、薬剤などの化学物質、寄生虫(アニサキスなど)の感染、一定の食べ物によるアレルギー反応、食中毒などがあげられます。
薬剤などの化学物質とは、アルカリ・酸・洗剤・農薬・抗がん剤・抗生物質・ホルモン薬・副腎皮質(ふくじんひしつ)・解熱鎮痛剤(げねつちんつうやく)などのことです。

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は、交通事故やスポーツなどなにかの衝撃がきっかけとなって発症する病気です。

脳脊髄液減少症の症状

突然の吐き気や頭痛が、脳脊髄液減少症の代表的な症状です。
基本的に脳は髄液に浮かんだような状況にあり、髄液が漏れた場合髄液圧が低下しますので、体を起こしたときに脳が下がります。
脳が下がれば血管や神経が引っ張られますので、起立性頭痛と呼ばれる、立ち上がったり座るときに全体的に生じるひどい頭痛の症状を発症します。
他にも、我慢できないほどの疲労感、目のかすみ、耳鳴り、めまいなどが生じる方もいます。

脳脊髄液減少症の原因

脳脊髄液減少症は、なにかの衝撃がきっかけとなり脊髄や脳の外側をおおう硬膜が破れて、髄液が外へ漏れることが原因の病気です。なにかの衝撃がきっかけ
患者さんによっては原因が解明されないケースもあるのですが、せきやくしゃみなどで発症することもあれば、飛行機に搭乗して生じる気圧の変化、交通事故やスポーツなどでの転倒や打撲などがあげられます。

妊娠初期

妊娠初期に生じる代表的な症状といえば、つわりによる突然の吐き気です。

妊娠初期の症状

つわりによる突然の吐き気が起こり始める時期は、通常は妊娠5週~6週くらいです。
この頃にひどいつわりに悩まされても、だいたい妊娠12週~16週くらいに落ち着いてきます。

ただ、つわりの症状が現れる時期には個人差がありますので、早い妊婦さんであれば妊娠4週あたりからスタートしますし、なかなか吐き気の症状が収まらずに妊娠中期、もしくは妊娠後期まで継続することケースもあります。

妊娠初期に吐き気がする原因

妊娠初期に吐き気の症状が現れるのは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)と呼ばれる、男性や妊娠期間中以外の女性には生成されない物質による影響です。
ヒト絨毛性ゴナドトロピンは、妊娠初期になると急激に大量に生成されることから、突然の吐き気などつわりの症状が生じると考えられています。

場合によっては吐き気だけにとどまらず、嘔吐に至ることもあるでしょうが、嘔吐したからといって胎児に差し支えるなどという心配はありません
とはいっても、たった1日に何回も嘔吐をしていれば、飢餓状態や脱水状態を招いてしまいますから、そこまでひどくなったら治療を受けることになりなります。

腹膜炎

腹膜炎は消化器外科の疾患の一つで、病名にもなっている腹膜とはお腹の内側の壁を覆っている膜のことです。

腹膜炎の症状

腹膜炎には炎症がお腹全体にひどい腹痛の症状が及ぶ汎発性腹膜炎や、炎症が狭い範囲に生じる限局性腹膜炎といった種類があり、汎発性の方が症状はよくありません。
ケースにより、ひどい症状が現れることもあります。
他にも、慢性腹膜炎や急性腹膜炎という分け方もされています。

痛みの症状は継続的なことが一般的で、完全になくなることはほぼない病気です。
ひどい腹痛の他には吐き気、腹部膨満感、嘔吐などを伴うことがあります。

腹膜炎の原因

ばい菌がお腹の中に侵入すると腹水と呼ばれる液体が生成され、それによってばい菌から体を守っています。
腹膜炎は、なにかの原因からお腹の内側の壁を覆っている膜の腹膜に炎症が生じて起こる病気です。

いろいろな原因が考えられ、場合によってはすぐに手術を受けなければならないケースもあります。
最も多い原因としてはがんが原因の消化管穿孔(大腸穿孔など)、便秘、憩室炎、虫垂炎穿孔、十二指腸潰瘍穿孔、がんや胃潰瘍などが原因の胃穿孔などがあります。

ネフローゼ症候群や肝硬変だと診断された方が多く発症する特発性細菌性腹膜炎、腹膜にがんが広がって発症するがん性腹膜炎、腹腔内膿瘍、外傷、婦人科疾患(異所性妊娠破裂や卵巣嚢腫穿孔など)膵臓・胆嚢・肝臓の病気(急性膵炎や急性胆嚢炎穿孔など)も原因としてあげられます。

腸閉塞(イレウス)

腸閉塞はイレウス(Ileus)とも呼ばれ、さまざまな原因から腸管がふさがる病気です。

腸閉塞の症状

腸内を本来であれば通過していく内容物が蓄積されてしまいますので、腹が張ることから突然の吐き気と嘔吐が何度も襲います。
この反復で腸管がねじれたり広がることがあるので、腹痛の症状も発症します。

腹痛の他の代表的な症状は嘔吐、排ガスや排便の停止などです。
疝痛(せんつう)と呼ばれるさしこむ腹痛が起きたり、お腹がいっぱいに膨れてゴロゴロと腸が鳴る症状も起きます。
食べ物の摂取ができなくなるのはもちろんのこと、腸から水分や栄養を吸収することがなくなりますので、消化液が嘔吐でなくなり体内にいろいろな不都合が生じます。
場合によっては腸の組織が部分的に死滅するため、腹膜炎を引き起こして亡くなるケースも考えられます。

尿の量が少なくなる、脱水、発熱、心拍数が増えるなどの症状が現れて、急激に症状が進行するのは複雑性腸閉塞です。
複雑性腸閉塞にかかったら緊急手術を受けなければいけないほどの状態ですので、迅速に消化器外科を受診してください。

腸閉塞の原因

さまざまな原因から腸管がふさがり、腸の中にあるガス・消化液・食物といった内容物が通り過ぎることができなくなって生じる病気が腸閉塞です。
腸閉塞には、原因によって機械的腸閉塞と機能的腸閉塞などいくつかの種類があります。
機械的腸閉塞はさらに複雑性腸閉塞と単純性腸閉塞があり、機能的腸閉塞はけいれん性腸閉塞とまひ性腸閉塞があります。

機械的腸閉塞が腸閉塞全体の約9割を占め、その原因は腸管が癒着したり、異物やがんなどが原因で腸管内腔がふさがれたり、重積、捻転、ヘルニアなどの原因で発症します。
血行障害と腸管の内容物の通過障害の両方が起きるのが、複雑性腸閉塞。
これら2つのうち血行障害は起きないのが単純性腸閉塞で、機械的腸閉塞の半分以上の割合にあたります。
単純性腸閉塞の原因として1番多いのは開腹手術が原因の癒着性腸閉塞で、2番目は大腸がんとなっています。

肝炎

肝炎は、肝臓に発症する炎症性の病気の総称です。
肝炎には、急性肝炎と慢性肝炎とがあります。

肝炎の症状

急性肝炎の主な症状は、吐き気、倦怠感、発熱、黄疸(おうだん)、食欲の減退などで、回復するまでに1か月~2か月かかります。
慢性肝炎の症状も基本的には同じなのですが、患者さんによっては急性肝炎のように突然の吐き気など急に発症せず徐々に症状が現れ、中には全く症状が出ない方も少なくありません。
回復するまで、半年以上かかります。

肝炎の原因

肝臓が何かの原因によって炎症を起こす病気が、肝炎です。
健康な肝臓は類洞と呼ばれる血液の通路に密着しており、きれいに肝細胞が整列しています。
炎症が発症すると、白血球系細胞が肝細胞の周りに入り、肝細胞が破壊されてしまいます。
破壊されて回復するまでの期間が短いのが急性肝炎、長いのが慢性肝炎です。

日本人の患者さんに多いのが、肝炎ウイルスが感染したことによって発症するタイプです。
肝炎ウイルスは、A型・B型・C型・D型・E型・G型・TT型の種類があります。
各ウイルスによって性質がさまざまで、食べ物で経口感染するのはA型とE型。
血液からうつるのは、B型・C型・D型・G型。
経口感染と血液感染の2種類があるのが、TT型です。

パニック発作・過呼吸

パニック発作や過呼吸は、息切れしてしまったり浅い呼吸しかできなくなるなど、深い呼吸を心掛けているのにできないという病気です。

パニック発作・過呼吸の症状

パニック発作の症状は、唐突にめまいや動悸があり、場合によっては過呼吸も併発することも珍しくありません。
過呼吸の症状は、手足のしびれなどを発症します。
息をたくさん吸い込んだことによってアルカリに血液が傾くためで、失神するケースもあります。

パニック発作の可能性を探る、チェックリストがあります。
パニック発作の受診に心療内科または精神科に行くべきかを判断する、目安の一つになります。
以下の13のチェックリストの中で、あてはまる項目をカウントしてみてください。

  • 死んでしまうかもしれない、という恐怖感が沸く
  • 自分でコントロールできなくなって、心神喪失になるのではと怖くなる
  • 現実感がなくなり、自分が自身から遠のくように思うことがある
  • 感覚の麻痺やうずく感じがある
  • 身体に熱感もしくは冷感がある
  • 気が遠のく、ふらつき、めまいなどの症状がある
  • お腹に違和感(吐き気など)を感じる
  • 胸部付近に不快感や痛みを感じる
  • 空気をうまず吸い込むことができず窒息するように思えてくる
  • 息苦しくなったり息切れをすることがある
  • 震えや身震いの症状がある
  • 発汗する
  • 心臓がドキドキと鼓動し脈打つようになる

いかがでしたでしょうか。
4つ以上が該当したら、パニック発作の可能性が高くなります。
自律神経が崩れていると身体症状が現れますが、10分程度で鎮まります。
発作が起こることが心配になったり恐怖心を感じる期間が1か月以上継続し、発作が何度もあったり、日常生活を送るのが難しいようでしたら病院で相談してください。

パニック発作・過呼吸の原因

パニック発作や過呼吸の原因は以下のようなサイクルにおちいり、悪循環を引き起こすことがあります。

不安感が継続的になると、自律神経が崩れてきます。
自律神経が整っていない状態からパニック発作や過呼吸、動悸などの症状を発症しますが、身体的な症状は10分程度で自然治癒します

ただ、精神症状としては患者さんによっては命がなくなることへの恐怖感などを生じさせ、またパニック発作や過呼吸の症状が起きるのではないかという不安感がつのっていきます。
その結果自信を失ってしまい、人に助けを求めますが、その人に対して依存し過ぎてしまったことでさらに自信喪失するという、悪いスパイラルに入ってしまいます。

行くべき病院や診療科目の目安に

突然の吐き気の症状は、妊娠初期のように問題ないものもあれば、すぐに病院で診てもらうべきものまでいろいろあります。
吐き気だけでなく嘔吐に至ることもあれば、めまいや腹痛、下痢、寒気、冷や汗などの症状を併発することもあるでしょう。
ある程度でも病気の目ぼしを付けられることによって、何科を受診すればいいのか、その疾患はどこの病院にいい先生がいるのかなど、これから診てもらう医療機関選びにも役立つかもしれません。
正確な病院の特定は医師の診察を受けることが大切ですので、早めに正しい治療を受けてください。

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