へそのあたりやへそ周りの腹痛が起きたとき、その症状や場所から原因となっている病気や対処法がわかるかもしれません。
急に体調を崩したときは、腹痛のある部位や症状はハッキリしているのに、どう対処したらいいのか冷静に判断するのは難しいものですよね。
本ページではへそ周りの腹痛が起きている部位やちくちくするなど具体的な症状、どんな病気の可能性があるのかをご紹介していきます。
へその上・へそのあたり・へその下といった、漠然とした箇所でわかるようにまとめていますので参考にしていただければ幸いです。

へその上の腹痛の症状・原因・対処法

へその上は、みぞおちを中心とした不調などがあります。

急性胃炎

急性胃炎は、胃の内部の粘膜が炎症を起こす病気です。

  • 急性胃炎の症状 ── へその上の胃の周辺に痛みや不快感などの症状が生じます。
    食欲が減退したり吐き気、場合によっては吐血などの症状を起こす患者さんもいます。
  • 急性胃炎の原因 ── 紅茶、コーヒー、アルコールなどの飲み過ぎ、タバコの吸い過ぎ、ストレス、不規則な生活習慣などがあげられます。
    副腎皮質ステロイド剤、非ステロイド性抗炎症剤、アスピリンや抗生物質などの薬を飲んでいる方は、副作用として急性胃炎を発症することもあります。
    青魚や卵、牛乳など食品アレルギー、インフルエンザやかぜなどの感染症、さらに近年の傾向としてピロリ菌の感染も発症原因となっています。
  • 急性胃炎の対処法 ── ほとんどの方は、消化にいいうどんやおかゆなどの食べ物にしたり、食べずに胃を休ませることを半日から1日程度するだけで回復します。
    市販薬を2日~3日程度服用することでたいていは症状の改善が見込め、病院に行くほどではありません。
    急性胃炎の可能性がある場合に病院で診てもらう場合は、消化器科や内科になります。
    慢性胃炎の場合は繰り返さないように医師から処方された薬を自覚症状がおさまってからも飲み続けるなどの必要がありますので、急性胃炎とは別と考えてください。

逆流性食道炎

逆流性食道炎を発症する方の傾向として、油っこいメニューが好きな人、腰が曲がっている年配の方、ぽっちゃり体型の方、ストレスが溜まっている方、過食気味の方などがあげられます。
健康な食道は一定の圧力が下の方にかけられていますので、胃酸は下に流れていくものですが、逆流性食道炎になると食道から胃へと胃酸が逆流します。

  • 逆流性食道炎の症状 ── 胸やけ、腹部が張る、胃が重く感じて苦しい、ゲップがでる、喉が詰まったように感じイガイガするなどの症状が現れます。
    これら全ての症状がでるわけではなく、いくつかが組み合わされて生じます。
  • 逆流性食道炎の原因 ── 糖分や脂肪分が豊富に含まれている食べ物を口にしていると、たくさんの胃酸が分泌されることが原因で食道に逆流しがちになります。
    多くのストレスを抱えること、喫煙、飲酒などの習慣も食道の機能低下を招き逆流性食道炎を引き起こしやすくなります。
  • 逆流性食道炎の対処法 ── 病院の消化器科や内科を受診すると、たいていの患者さんは数日間の薬を処方されることで自覚症状が消えていきます。
    症状を感じなくなったからといって服用をやめていいわけではなく、医師から指示された期間は飲み続けなければ食道の粘膜に生じた炎症は完治されていませんので気を付けてください。

胃潰瘍

胃潰瘍は、特に40歳代を過ぎると発症リスクが高くなる病気です。
口に入れた食べ物を消化しておかゆのような状態にする胃酸が、なにかの要因により胃の壁がただれたり胃の粘膜を消化して発症します。

  • 胃潰瘍の症状 ── 吐き気、酸っぱいゲップ、胸やけなどが主ですが、患者さんによっては痛みの症状が全くないなど痛みの感じる度合いは個人差があります。
  • 胃潰瘍の原因 ── 胃の壁は、健康なときには胃粘膜を分泌するによって保護されています。
    精神的なストレスや過労などの原因から自律神経の機能が崩れることで、胃粘膜や胃酸のバランスが乱れて胃粘膜が傷つけられやすくなります。
  • 胃潰瘍の対処法 ── たいていの患者さんは、検査でがん細胞が確認されない限り生活習慣の見直し(食事療法など)と胃酸を抑制する薬によって治療が行われます。
    ただ、検査で胃に穴が確認された患者さんは手術が行われます。

へそのあたりの腹痛の症状・原因・対処法

へそのあたりは、腸などの不調です。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎といえば、安倍晋三首相が発症した病気ということで知ったという方も多いのではないでしょうか。
20歳代でかかる患者さんが多いという特徴があり、難病だと厚生労働省が定めている特定難治性疾患の中で最も多くの方が発症している病気です。

  • 潰瘍性大腸炎の症状 ── 血便と下痢が代表的な症状です。
    患者さんによっては、粘液状のものを伴います。
    症状が進行した場合、発熱や腹痛を発症するケースもでています。
    肌の発疹が生じたり、関節痛などの症状もあります。
  • 潰瘍性大腸炎の原因 ── 原因はまだ解明されていませんが、自己免疫疾患と呼ばれる自分自身を攻撃する病気であることが世界中で行われている多くの研究により明らかになっています。
    過剰な免疫反応や免疫機能の不調から引き起こされることもわかっています。

    遺伝的な原因(人種や遺伝など)や環境因子(過剰に清潔な環境や食の欧米化など)などが複合的に作用し合い病気に発展しているといわれています。
    また、精神的または身体的なストレスから症状が進行することも解明されています。

  • 潰瘍性大腸炎の対処法 ── 原因が解明されていないとはいっても、適切な治療により対処することで寿命に影響しないと報告されています。
    長期経過は良好で、研究が世界的に進められている病気で、すでに多くの治療法が確立されている状況です。

    従来の診察では内視鏡検査をして腸の炎症を見える状態で抑制したり症状を抑制することが目指されてきました。

    今は顕微鏡レベルの微細な部分に至るまで、腸の炎症を抑制する治療が実現しています。
    炎症が改善しないまま長引いた場合、炎症からがんを招く可能性も考えられることから、継続的な治療が必要な疾患です。

尿路結石

尿路結石の尿路とは腎臓からの尿の通り道のことで、尿道、膀胱(ぼうこう)、尿管、腎盂(じんう)、腎杯(じんぱい)の総称です。
結石が尿路の中に生成された疾患が、尿路結石となります。
尿が排泄されようとするときに尿路結石が邪魔するので、血尿と激痛の症状が現れます。
尿路結石で病院を受診する場合は、泌尿器科となります。
国内の患者の割合は女性よりも男性の方が2倍~3倍と多く、男性は30歳代~50歳代が中心です。

  • 尿路結石の症状 ── 症状が現れる部位は鼠径部(そけいぶ)、下腹部など広い範囲に及び、腎疝痛(じんせんつう・脇腹~背中の範囲の激痛)などが特徴的です。
    患者さんによっては嘔吐、冷や汗などの症状が現れることもあります。
  • 尿路結石の原因 ── 生じる結石は、尿の成分が結晶になり凝固されたてできています。
    結石になる成分はどれも同じというわけではなく、シスチン、尿酸、リン酸マグネシウムアンモニウムなどさまざまです。
    特に多いのはシュウ酸カルシウムが主成分で、これだけでなくリン酸カルシウムと2種類の結石が作られる患者さんも多くいます。

    尿から固体結晶が作られないように抑える因子が減ったり、シュウ酸やカルシウムといった結石を作っている成分を多く排泄するなど、体質的なものが尿路結石の大きな原因となります。

    他にも摂取している薬の影響や、尿路の通過障害などの原因が考えられます。

  • 尿路結石の対処法 ── 多くの患者さんは尿と一緒に結石が排出されます
    排出されるまではたくさんの水分補給を心掛け、病院では石が尿管を通過しやすいよう促す薬が用いられます。
    こうした方法で自然に結石が排出されないときには、結石に対して体の外側から衝撃波をあてることで砕きます。
    細かくなったことで石がスムーズに排出されやすくなります。
    尿路のどこに石があるかはさまざまですので、部位や症状によっては内視鏡を尿管へ膀胱より入れて石を除去します。

へその下の腹痛の症状・原因・対処法

へそ下も、腸などから生じる症状がでやすい箇所となります。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群は、Irritable Bowel Syndromeという英語表記の頭文字からIBSとも呼ばれています。
ストレスからの影響が大きい病気であり、腸は健康であるにもかかわらず、便秘や下痢などの症状を繰り返します。

  • 過敏性腸症候群の症状 ── 患者さんによって現れる症状はさまざまです。
    毎日排便が何度もある、緊張するとトイレが近くなる、下痢と便秘の症状が繰り返される、スッキリしないなどの症状があります。
  • 過敏性腸症候群の原因 ── ストレスの影響が大きな原因だと指摘されています。
    人間の腸は自律神経によって機能しており、本人の指示で動いているわけではありません。
    自律神経の調節はストレスの影響を受けるという性質があり、さらに腸と脳は深いかかわりがあります。
    ストレスを受けることによって過剰に腸が機能することから下痢が発症し、症状が進行することで便秘を引き起こすとされています。
  • 過敏性腸症候群の対処法 ── まずは今かかっているストレスを軽くすること、生活習慣の見直しから着手することが大切です。
    実践してみてもまだ症状が改善されないようでしたら、薬物療法を受けるという手段もあります。

    運動療法を行うことはストレス解消に有効ですし、腸機能を整えることにもつながります。
    運動といっても決して過酷なスポーツを行わなければいけないということではなく、むしろ軽く体を動かす程度のものが適しています
    腸の蠕動運動に適度な運動が有効だとされていますし、ウォーキングや体操などで体を動かせばストレス発散にもなります。

    食事療法では、食生活の見直しを行っていきます。
    具体的には食物繊維を意識的に摂取する、水分補給を行う、脂質・カフェイン・アルコール・香辛料などを控えるなど行います。

膀胱炎

膀胱炎は、主に慢性膀胱炎と急性膀胱炎の2種類に分類されます。
どちらの種類も膀胱の内部に細菌(腸球菌や大腸菌など)が入ったことで炎症が発症します。

慢性膀胱炎は、尿道や膀胱に病気を抱えている状態で膀胱の内部に細菌が居続け、膀胱炎を慢性的に発症する病気です。
慢性膀胱炎はさらに2種類に分けられ、他の病原体から発症する再感染と、同じ病原体で習慣化される再燃とがあります。

急性膀胱炎は、若い世代の女性の患者さんが多い傾向が見られます。
尿道や膀胱が健康でありながら、大腸菌などの細菌の侵入によって発症します。

  • 膀胱炎の症状 ── 主な症状は尿が白くでる、頻尿、残尿感の3種類あります。
    尿が白く濁るのは、増えた細菌をやっつけようとした白血球の死骸が尿内に出てくることが原因です。
  • 膀胱炎の原因 ── トイレに行きたいのに先延ばしにしていると、細菌が膀胱内で繁殖することが原因となります。
    トイレに行きたいと思ったら先延ばしにせず、早めに用を足しに行きましょう。
    本来清潔にするはずの温水洗浄便座(シャワートイレやウォシュレットなど)ですが、ノズルが汚染されているなどの原因から発症します。
  • 膀胱炎の対処法 ── 排尿をしたくなったら早めにトイレへ行く、下半身が冷えないように気を付けるなどの対策があります。
    排泄時に症状が現れますので水分補給を躊躇しそうになるかもしれませんが、むしろ十分な量の水分補給をすることが膀胱炎の改善に効果的です。

腹痛の部位だけでなく症状も伝えよう

医療機関を受診される場合にはただのへそ周りの腹痛のなどと曖昧な表現をするより、具体的に伝えることでより確実な回復につなげることができます。
チクチク痛い、激痛が走る、押すと痛い、キリキリ痛む、ガスが溜まったような感じがする、下痢の症状がある、鈍痛があるなど、同じ腹痛を訴えるにしてもさまざまな症状があるものです。
伝え方が具体的であればあるほど、医師の的確な対応を引き出すことにつながり、より早く改善させられるでしょう。
子供の腹痛の場合でしたら、自宅にいるときから訴えている症状を親御さんがメモするなどし、小児科の先生に伝えてあげてください。

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