特にこれといった原因がないのに、突如まぶたのピクピクが生じるということはありませんか。
1、2回であとはパッタリでなくなることもあれば、集中して立て続けに起こることもあります。

あまりにも連続してまぶたのピクピクが起こる場合には、病院で適切な治療を受けた方がいい可能性があります。
本ページではまぶたのピクピクが起こる病気にはどんな種類があるのか、その原因、病院で行われている治療法などについてご紹介します。
病気によっては、自分でできる改善や予防の方法、症状を進行させないための注意点などもまとめましたので、ぜひ目の周りのけいれんでお困りのときは参考にしてみてください。

まぶたのピクピクの病気の種類・原因

瞼(まぶた)がピクピクと痙攣(けいれん)する症状は、複数種類の疾患が考えられます。
いずれのケースも自分で痙攣させようとしているわけではありませんから、本人の意思で止めることができないものばかりです。

顔面スパスム(片側顔面けいれん)

顔面スパスムの患者さんは、中年から上の世代の女性に多い傾向があります。
たいていの方は、片目のみに症状が現れます。
初期症状はまぶたのピクピクのみですが、症状が進んでいけば口元や頬などにも震えが生じるなど部位が広がっていきます。
口や目を動かしている最中に症状がでることが多く、個人差はありますが緊張したときに発症するという方もいます。

顔面スパスムは、脳幹と呼ばれる脳の神経中枢部にて血管と顔面神経が接すること、または血管瘤と腫瘍が接することが原因で発症します。

眼瞼(がんけん)ジストニア(眼瞼けいれん)

眼瞼ジストニアは、まぶたのピクピクの他にも自然に目を閉じてしまう(目を開けていたいのに維持できない)、目の乾燥、まぶしいなどの症状も伴う患者さんが多くいます。
目が乾燥することから、本当の病気は眼瞼ジストニアなのにドライアイだと思い込んでいる方も少なくありません。

自然に目を閉じて症状が進行すると、目を開く際に瞼の力だけでは開けられなくなり手を使わなければならなくなるケースもあります。
健康な人のように目を開け続けることが困難になった末、急に目が閉ざされ、その結果事故に遭遇するということも考えられます。
患者さんによって、不安や抑うつなどの精神症状がある方もいます。

眼瞼ジストニアを発症する原因はまだ解明されていませんが、大脳の部分的な機能障害から引き起こされるのではないかという説もあります。
抗不安薬や抗うつ薬などの薬が影響している、脳こうそくやパーキンソン病など別の疾病が原因などのケースもあります。

眼瞼ミオキミア

眼瞼ミオキミアは、まぶたのピクピクが起こる原因として一番多い病気です。
目の周辺にある眼輪筋が勝手に収縮するので、その結果上下の瞼が振動します。
多くのケースでは、まぶたのピクピクが起こるのは片目のみです。

眼瞼ミオキミアの原因の多くは睡眠不足、ストレス、眼精疲労などです。
そのため治し方としては十分な目の休息であり、目薬などを処方してもらわなくても、しっかり休ませることができれば数日~数週間程度で改善できます。

チック

チックは瞼や目、目の周辺に限定した症状ではないのですが、立て続けにまばたきをするので症状が少し似ています。
チックの患者さんは子供に多い傾向があり、過剰なストレスや緊張が原因だと考えられています。

重症筋無力症

筋肉へ神経から情報が伝わらなくなることで、筋肉が麻痺に陥る疾患です。
目が動かせなくなったり、瞼が下がる眼瞼下垂の症状が現れます。

開眼先行(開瞼失効・かいけんしっこう)

本人の意思では上瞼を開かせる筋肉を上下に動かせなくなります。
脳の中にある運動を抑える機能が障害を起こすことで発症する病気です。

自立神経失調症

自立神経とは、体の中の環境を一定以上にキープしてくれる神経のことです。
交感神経と副交感神経の2つがバランスを取ることで、体温や血圧、心臓の拍動、呼吸などが整えられているのですが、崩れればさまざまな不調を引き起こします。
異常発汗、動悸、息切れ、食欲不振、下痢、便秘、肩こり、めまい、頭痛、全身の疲れなどの症状があり、たまにですが顔や目の周辺の筋肉に不快な症状が現れます。

ドライアイ

ドライアイは、パソコン画面などを長く見続ける職業の方などが多くかかっています。
分泌される涙の量が減少するので、目が乾燥してしまいます。
涙には目の中のゴミを洗い外へ流し出したり、殺菌するなどの役割がありますが、減少するのでこれらの仕事が行われなくなってきます。
初期症状は目の異物感や痛みなどですが、進行すれば結膜や角膜の損傷などにつながりかねません。

眼精疲労

疲れ目が進行して、病的にまで発展したものです。

眼瞼下垂(かすい)

目の疾患やケガ、または先天性の原因により垂れ下がった瞼となって、目を開くことができなくなる病気です。

うつ病・うつ状態

どんなに普段は気丈な人であっても、家族や仲間など親しい人が亡くなったら心が落ち込みますが、うつ病の方が常日頃から抱えている悲しみはまた別のものです。
特にこれといった理由もないのに、悲しい気持ちが続くほど重い症状です。
食欲減退や睡眠不足などの症状、ときどき顔や目の周辺の筋肉に不快な異変が起こりますが、これらに関しては対処できる薬があります。

病院での治し方

自分でできる上記の改善方法を行ってみて効果が現れなかった場合には、眼科で適切な診察を受けるようにしましょう。
医療機関では、どのような治し方が行われるのでしょうか。

片側顔面けいれんの治し方

片側顔面けいれんは、まだ初期症状しか現れていない1カ月程度のうちは、まだ軽度なので様子を観察していき治療は行われません。
治療が開始される段階に入ったら、神経血管減圧術と呼ばれる手術やボツリヌス療法などで治していきます。

  • 神経血管減圧術 ── 血管と顔面神経が接触しないように行われる根治療法です。
    手術を受けた患者さんの約80%~90%は、治癒されています。
  • ボツリヌス療法 ── ボツリヌス療法のボツリヌスという言葉は食中毒の名前で耳にしたことがあるという方もいらっしゃるでしょう。
    どちらも同じ菌を現しており、筋肉を緊張させる神経を抑制させたり、ボツリヌストキシンと呼ばれるタンパク質を生成する性質があります。
    筋肉の中に注射すればピクピクする症状を止める効果があり、一般的にその効果は1回の注射で3か月ほど維持できます。


    引用元: マイクリニック(http://www.myclinic.ne.jp/)

眼瞼けいれんの治し方

眼瞼けいれんは、ボツリヌス療法や内服薬で治療が行われます。
遮光眼鏡を用いることがあるのは、眼瞼けいれんのまぶしくて目を開けられなくなるという症状に対処するためです。

眼瞼けいれんに投与される内服薬は、以下の3種類などが一般的です。

  • リーゼ、ホリゾン、セルシンなどの抗不安剤
  • アーテンなどの抗コリン薬
  • テグレトール、リボリトールなどの抗けいれん薬

片側顔面にも眼瞼にも効くボツリヌス療法とは

ボツリヌス療法は、片側顔面けいれんにも眼瞼けいれんにも用いられている方法です。

ボツリヌス療法は保険適用する?

筋肉の中に注射をするという治し方をするので、入院をする必要はありません。
注射をしたら2日~3日ほどでだんだんと効果を実感し、1週~2週間で安定してきます。
数か月は維持できますが、効果が永久に続く施術ではありませんので、効果を維持したければ再び注射を受けることになります。

ボツリヌス療法そのものは決して安価な治し方とはいえませんが、片側顔面けいれんも眼瞼けいれんも健康保険が適用されますので患者さんの全額自己負担ではありません
ケースワーカーの方に聞けば詳しく教えてくれるとのことですので、相談してみてはいかがでしょう。

ボツリヌス療法後の変化

ボツリヌス療法を受けたからといって、完治するというものでもありません。
それぞれの疾患に対し、どのような変化が考えられるのでしょう。

  • 眼瞼けいれんの注射後 ── 眼瞼けいれんの患者さんがボツリヌス療法を受けると、何日か経過したのちまぶたのピクピクが落ち着いてきます。
    効果が発揮されるのとは反対に、目の表面が乾燥するようになる方もいます。
    注射をした箇所が気になるかもしれませんが、こすったりもんだりなど患部に刺激を与えないよう注意しましょう。
    ホコリが多いところに行かないことで、目の表面を保護することも大切です。
  • 片側顔面けいれんの注射後 ── 片側顔面けいれんの患者さんがボツリヌス療法を受けた場合も、眼瞼けいれんと同様です。
    それに加えて、片側顔面けいれんの場合はボツリヌス療法を施した部位が顔の下の方である患者さんは、その周辺が垂れ下がったり口元が緩んだりということもありますので気を付けてください。

ボツリヌス療法は副作用がある?

眼瞼けいれんも片側顔面けいれんも、別の治療のために他の医療機関を受診されることになったら、ボツリヌス療法を受けたことをお医者さんに伝えましょう。

ボツリヌス療法を受けることによって考えられる副作用は、薬が効き過ぎることが原因であり、たいていの場合は効果がなくなるのと一緒に消えていきます。
治療を受けるかどうか決めるとき、主治医の先生からよく説明を受け、納得した上で判断をしましょう。
ボツリヌス療法だけに限らず他の治療方法にも共通していえることですが、効果といういい部分だけでなく、リスクや副作用などの説明をしっかり受けて判断することが大切です。

疲れなどによるピクピクの改善方法

まぶたのピクピクの症状を打ったえる患者さんが一番多い眼瞼ミオキミアは、目の疲れなどが原因で発症します。
自分でできる眼精疲労対策を実践すれば、症状を改善させられるかもしれません。

  • ホットタオルなどで瞼を上から温めて、目の血行を改善させる
  • やさしい力で目の周辺のマッサージを行う
  • スマホやパソコンなど目を酷使する作業を一時的に中断し、目を十分に休息させる

これらを実践してまぶたのピクピクが治まったとしても、目を使う作業をしたらすぐに元に戻ってしまうという場合は、目を長時間休ませる必要があります。

眼瞼痙攣用クリームを使う

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リンク先で体験者のレビューも見ることができます。
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まぶたのピクピク予防方法

患者数が多い眼瞼ミオキミアは、原因である睡眠不足、ストレス、眼精疲労などに気を付けることが予防のポイントとなります。
以下のことを意識的に実践すれば、予防に効果的です。

  • 目薬は処方箋がいらない市販薬を利用するなら、人工涙液で防腐剤不使用のものを購入する
  • 室内を乾燥させないために、加湿器などを用いる
  • マッサージをしたり、目を動かして行うストレッチなどをする
  • 目に炎症や充血などの症状があるときを除いては、血管に刺激を与えるために目を温め(温罨法・おんあんぽう)や、目を冷やす(冷罨法・れいあんぽう)を行う
  • パソコンを使用するときは、画面の位置が目の高さより下になるよう調整し、水平にならないように、目との距離が50cm以上になるように設置する
  • パソコンやスマホなどを操作するとき、休憩を取りながら使用する(1時間に10分)

ピクピクを進行させないための注意点

すでに眼瞼ミオキミアになっているなら、今以上まぶたのピクピクをひどくさせないために、お金をかけることなく今すぐ誰でもできることがいくつもあります。
以下のポイントを意識してみましょう。

  • 良質な睡眠を心掛ける
  • カフェインの過剰摂取に気を付ける
  • 栄養バランスのいい食生活を送る
  • ストレスを蓄積させない

別の症状も伴ったら病院へ

まぶたのピクピクという症状が、ほとんどの方が一度は経験しているのではないでしょうか。
そしてこれまで放っておいたら自然に治ってきたので、経験上医療機関へわざわざ行かなくても回復できるものと素人判断をしてしまいがちです。

睡眠不足や眼精疲労などが原因の眼瞼ミオキミアでしたら、疲れを取り除いたり十分な睡眠を取ることで回復できますが、もしかしたら別の疾病からのサインということもあります。
これまでとは違いなかなかまぶたのピクピクが治らない、並行して別の不調も伴っている、ピクピクする患部が目の周辺以外にも広く及んでいるなどの場合には、早めに眼科で正しい診断と治療を受けてください。

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