体中に水ぶくれができ、かゆみの症状を伴ってさらに熱も出ているという場合、もしかしたら水ぼうそう(水痘・すいとう)にかかっているかもしれません。
水ぼうそうは特に赤ちゃんや幼児のときにかかることが多いのですが、成人になってから発症することもありますので、まだかかったことがないなら大人も他人ごとではありません。

もし水ぼうそうにかかったら子供と大人でどんな症状の違いがあるのか、原因や感染経路、予防方法、対処法などについてご紹介します。
水ぼうそうは症状が軽いイメージがありますが、合併症のリスクや妊婦さんが発症した場合の赤ちゃんへの影響などもあることから、予防ワクチンを接種することの大切さなどについても触れていきます。

水ぼうそうにかかる原因

水ぼうそうを発症するのは、水痘・帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウイルス(VZV)というヘルペスウイルスの一種が感染することが原因です。
特に感染者が増えるシーズンは冬~春ですので、水ぼうそうの発症者が多い赤ちゃんや幼児のお子さんがいるお宅では普段以上に注意をしてあげてください。

水ぼうそうのいいところは、1度でも感染して完治してしまえば、以降一生涯再び発症する心配がないことです。

水ぼうそうの感染経路

水ぼうそうは、すでにかかっている患者さんのくしゃみや咳などの飛沫を空気中から吸い込んでしまう飛沫感染や、水ぶくれに触ることで直接感染する接触感染、空気中のウイルスが風に運ばれたり吸い込んでうつる空気感染などをします。
水ぼうそうの水痘・帯状疱疹ウイルスは強力な感染力を持っていることから流行しやすく、保育園や学童、学校、家庭などの集団生活を送る場所では一人が発症しただけでも感染が拡大することがあります。

感染症は水ぼうそう以外にもいろいろな種類がありますが、空気感染することが特徴的です。
空気を伝ってウイルスがうつされますので、同じ場所にいるだけで感染することも考えられます。

水ぼうそうの症状と画像・写真


引用元: えぞえクリニック(http://ezoe-cl.jp/)

発症年齢は1歳~4歳に集中しており、多くの方は9歳くらいまでに感染しています。
水ぼうそうは軽い症状である方が多いのですが、大人になってから発症すると合併症のリスクもあります。

子供が感染すると

水ぼうそうの症状といえば、水ぶくれと発熱です。
子供のときに感染した場合の水ぶくれは赤みを帯びた発疹で、かゆみの症状を伴います。
主に腹部と胸部を中心として、口の中の粘膜、目、頭部なども含めた全身に現れます。

発疹の初期症状は2mm~3mmサイズの小さく赤いブツブツで、時間が経つにつれ水ぶくれ、中に膿が含まれている膿疱、かさぶたへと変わっていきます。
発症から約1週間で、全身にある全ての発疹がかさぶたに変化します。
感染力が強力なのは水ぶくれの時期で、かさぶたに変化すれば感染力を持たなくなります。

大人が感染すると

年齢が高くなってからの水ぼうそうは、重症化しやすい傾向がみられます。
大人の水ぼうそう感染者に現れる主な初期症状は、ニキビや体のだるさなどです。
発症したばかりの段階では、水ぼうそうのイメージとは差がありますが、次第に水ぼうそうと発熱という一般的な症状に移行していきます。

発熱があるのは子供も大人も同様ですが、大人が発症した場合の方がより高熱を出すのが特徴的です。
また、水ぼうそうで生じる水ぶくれというとかゆいものというイメージが定着していますが、大人が感染した場合はかゆいというよりむしろ痛みであり、しかも強烈な痛みです。

合併症のリスク

大人の患者さんは合併症のリスクがあり、肝炎や肺炎などを発症して多くの方は重症化しますから、ワクチンで予防をするなどして対策をすることが重要です。

妊婦が感染すると

一度かかっておけば二度と発症しない水ぼうそうですが、大人になって妊娠してから水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると、子供に影響はでるのでしょうか。
妊婦さんが水ぼうそうを発症すると、ママだけでなく胎児にもウイルスがうつることから、場合によっては赤ちゃんが失明する可能性も考えられます。
まだかかったことがない女性は、妊娠をする前に水ぼうそうの予防接種を受けましょう。

水ぼうそうの潜伏期間

水ぼうそうの潜伏期間は、14日程度です。

水ぼうそうの予防方法

水ぼうそうにかからないために行える予防方法は、主に以下の2つです。

感染者と距離を置く

水ぼうそうの感染経路は、すでに感染している人の体にできている水ぶくれに触る接触感染、患者さんがするくしゃみや咳など内のウイルスを飛沫から吸い込んでしまう飛沫感染、空気中に浮遊しているウイルスがうつる空気感染の主に3通りです。

この3つの感染経路を遮断できればいいわけですから、水ぼうそうにかかっている人が身近にいる場合は、同じ室内や階で過ごすときにできるだけ距離を置くようにしましょう。
ご自身が水ぼうそうにかかったときには、感染を拡大させないために、体中の発疹がかさぶたに変化するまで、小学生は登校を、園児は登園を控えることが重要です。

予防接種で抗体を身につける

水ぼうそうの対策といえば、水痘・帯状疱疹ワクチンの予防接種を受けることが効果的です。
ワクチンを接種したら完全に感染を防げるというわけではないのですが、もし発症したとしても症状が軽くなるメリットがあります。

ワクチンの作用で体内に抗体ができれば、免疫が一生涯キープされます。
水ぼうそうのワクチンは生後1歳から受けられますので、できるだけ早く予防接種を受けることをおすすめします。

水ぼうそう予防に使用されているワクチンの特徴

水ぼうそうのワクチンは1歳以上で接種することができますが、予防接種で使用されているワクチンは安心して子供に受けさせられるものなのでしょうか。

水ぼうそうは生ワクチン使用

水ぼうそうの予防接種では、生ワクチンが使用されています。
生ワクチンは生きた細菌やウイルスの毒性(病原性)、症状を発症させないように極限まで抑制させ、免疫を生成できるギリギリのところまで弱くした製剤のことです。
生ワクチンなら、自然感染した場合と同様の流れで免疫作りができます。

ワクチンで予防できる割合

ワクチンを接種することで、9割を超える方は水ぼうそうの発症を未然に防ぐことができています。
防げた人というのは、ウイルスへの免疫を獲得できたということです。

現在水ぼうそうの定期接種は2回受けることになっており、こうすることでより免疫をより確実なものにしています。
1回だけしかワクチン接種を行わなかった場合、約15%~20%の方は水ぼうそうに感染してしまうといわれています。
とはいっても、なにも予防をせずに自然感染するよりも軽い症状で落ち着きます。
重度の合併症を引き起こすリスクも軽減されます。

ワクチン接種による副反応

副反応は、ワクチンを接種した後に発熱や、接種した部位が赤く腫れるなどすることが考えられます。
接種後1~3週間ほどに、発疹や発熱が生じるケースもありますので、気になる場合は医師に相談してみてください。

水ぼうそうにかかってからの対処

水ぼうそうを発症したら、以下の3つの対処を心がけてください。

医療機関を受診する

子供の場合 ── 水ぼうそうは自然に回復する病気なので、もともと健康的な子供でしたら医療機関の皮膚科または小児科を受診すれば問題ありません。
ただ、まだ1歳に満たない乳児や白血病などを患っていて免疫力が弱い子供は、水ぼうそうだから軽い症状だと油断することなく、できるだけ迅速にかかりつけの医師に相談してください。

大人の場合 ── 成人が水ぼうそうにかかると肝臓や肺に広がり重症になる可能性があります。
できるだけ迅速に、皮膚科または内科で診てもらってください。

水ぼうそう中の食事

嘔吐の症状さえなければ、どんな食生活を送っても自由です。
ただ、水ぶくれが口腔内に発症していて痛みを伴うときには、消化がよく柔らかいメニューにしてあげてください。
完治するまではどうしても普段より体力が消耗しますので、熱が落ち着いてからもできるだけ安静を心掛けましょう。

お風呂はぬるま湯に


水ぼうそうでできる水ぶくれはかゆみを伴うことが多いですが、かき過ぎて水泡を潰してしまわないように気を付けましょう。
水泡の中に入っている細菌が出ることで2次感染につながったり、水ぼうそうそのものが完治してからも発疹があった部分がきれいに治らず、痕(あと)が残ってしまう場合があります。

肌を傷つけて水泡がつぶれないよう、爪を短く整えておくだけでも随分違います。
手は清潔に維持するよう、小マメな手洗いを心掛けましょう。

水ぼうそうでできる水ぶくれは、暖めるとかゆみの症状がひどくなる性質があります。
お風呂に入るときの水温は熱くせず、ぬるま湯にした方がかゆくなりにくいので入りやすくなります。

帯状疱疹を防ぐためにも予防接種を

水ぼうそうを引き起こすのは水痘・帯状疱疹ウイルスですが、この「帯状疱疹」はどんなものかご存知ですか。
一度でも発症していると二度と感染することがありませんので、水ぼうそうにかからない人というと感染したことがある人と、予防接種をすませている人の2タイプということになります。

水ぼうそうを発症したことがある方は、完治してからもずっと水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏し続けます。
体調を崩したときに水痘・帯状疱疹ウイルスは再び活発化する性質があり、これによって生じる疾患が帯状疱疹です。

帯状疱疹は体の抵抗力が落ちている高齢者の方や、ストレスや疲労が多い10代~20代の方が多く発症します。
帯状疱疹の症状は、帯状をした赤い発疹です。
発疹は全身ではなく体の片側のみに生じ、激しい痛みを伴います。

水ぼうそうのワクチンを接種すれば、水ぼうそうはもちろんのこと帯状疱疹の発症も防ぐことにつながります。
ぜひ、予防接種を行いましょう。

第2種の感染症による出席停止へ

学校保健安全法において、水ぼうそうは第2種の感染症に指定されています。

本人が感染して出席停止になる場合

水ぼうそうを発症したことで生じた発疹が全てかさぶたになるまでは、学校保健安全法に基づいて出席停止になります。
とはいえ、回復状態次第では学校医やその他医療機関の医師から水ぼうそうが感染する危険性がないとの診断がでれば、全ての発疹がかさぶたになるまで待たなくても出席できる可能性もあります。

本人は感染していないのに出席停止になる場合

出席停止は、本人が直接感染していなくても対象になるケースがあります。

・水ぼうそうが流行している土地を旅行した生徒。
最新の流行状況も踏まえた上で、学校医の見立てから適当と判断される期間。

・水ぼうそうが発生しているエリアから通っている生徒。
最新の流行状況も踏まえた上で、学校医の見立てから適当と判断される期間。

・水ぼうそうの患者と同居している生徒。
流行するのを防ぐためなどの目的から、学校医やその他医療機関の医師から感染する可能性がないと診断されるまで。

2014年から定期接種に

水ぼうそうの予防接種は、これまで自費で受けるものでした。
2014年10月から定期接種へと変更されたので、自費ではなく公費で負担してもらえるようになりました。
無料または一部負担の安い費用で、予防ワクチンを受けられるようになっています。

水ぼうそうの定期接種は2回行われており、2回受けることでよりしっかりと抗体を身につけることができます。
1回目は、生後12か月~3歳の誕生日の前日。
2回目は、1回目を終えてから3か月以上経過してからとなります。
1回目から2回目までの標準的な間隔は、6カ月~1年程度です。

定期健診を逃してしまったとしても、水ぼうそうのワクチン接種を行っている医療機関に行けば受けることが可能です。
医療機関に直接行って行うときは、母子手帳持参で行ってください。

症状は軽くても予防接種がおすすめ

水ぼうそうはウイルスに感染することで発症する病気で、ほとんどの患者さんは9歳までの子供時代にかかります。
水ぼうそうに大人がかかると子供と症状が異なり、重度の合併症リスクがありますし、妊娠中に感染すれば赤ちゃんが失明する可能性もあります。
水ぼうそうにかかると後から帯状疱疹になるケースも考えられますので、まだ体内に抗体がないなら、子供だけに限らず成人の方も予防接種を受けるようにしましょう。

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