風疹は子供の頃に感染してすませている人が多いのですが、大人になってからもうつって発症する可能性はあります。
大人が特に風疹ウイルスの感染に注意すべきなのは、女性が妊娠するとき、または旦那さんご本人ではなくパートナーや奥さんが妊娠出産をするときです。
生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかるリスクがあるためです。

本ページでは、風疹にかかったらどんな症状が現れるのかといった基本的なことから、いつまでにワクチンの予防接種を受けるべきか、障害の確率がある場合はどんな病気が考えられるのかなどについてご紹介します。
子供の頃に風疹にかかったか分からない、かかったかもしれないけれど十分な抗体を持っているか知りたいという場合の検査方法などについてもまとめました。

風疹の症状

風疹は、風疹ウイルスに感染することで発症する感染症です。
主な症状はリンパ節腫脹(しゅちょう)、全身にできる発疹、発熱の3つです。
リンパ節腫脹とはリンパ節が腫れる症状なのですが、顎の周りに違和感や痛みを感じるものです。
全身の発疹は、小ぶりの赤いものからピンク色をしているのが特徴的です。

ママの風疹で高まる先天性風疹症候群リスク

風疹は子供の感染者が多いので、子供のうちはワクチンによる予防接種を受ける必要性が認識されていますが、同じくらい高い意識があるのが妊娠中や妊娠を予定している女性たちです。
風疹は感染する病気ですので、女性にうつしてしまう可能性が高いパートナーや旦那さんたちも、かからないように意識しなければなりません。

どうして妊婦さんや妊娠予定のある女性たちなどが風疹を警戒しなければならないかというと、生まれてくる赤ちゃんがCRS(先天性風疹症候群)を発症するリスクが高くなるからです。
妊婦健診で妊娠初期に風疹抗体検査が行われているのはそのためです。

先天性風疹症候群とは・障害の確率

先天性風疹症候群とは、主に難聴、先天性心疾患、白内障の3つの症状が現れる病気です。


引用元: 厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp)

三大症状といわれていますが、妊娠してからどのくらいの時期に発症したかにより症状が違ってきます。

妊娠初期(4週~15週目)

妊娠初期の妊娠3か月以内にママが風疹を発症すると白内障、妊娠4か月以内で先天性心疾患の障害の確率が高いといわれています。
難聴にも警戒が必要です。
基本的に妊娠初期になるほど障害の確率は高まり、週が経つほどリスクが軽減されていきます。

妊娠初期~妊娠7か月に入る24週目くらいまでは、無事に過ぎるよう風疹ウイルスがうつってしまうことがないよう、できる限り人ごみを通らなくてもすむように心がけてください。
人ごみがある場所にどうしても行かなければならないときは、手洗いをしっかり行うことやマスクの着用など、他の感染症でも行われている対策で防御していきましょう。

人ごみは風疹にかかっている人に近づく可能性が考えられるため避けなければいけませんが、風疹は子供時代に発症することが多いので、子供がたくさんいるスポットも避けた方が無難です。

妊娠中期(16週~27週目)

難聴を発症するリスクは、妊娠4か月を過ぎてもあります。
20週目を過ぎると、重度の障害の確率は低くなります。

妊娠後期(28週目~)

妊娠後期に入っていれば、ママが風疹に感染したとしても、ほとんど胎児に影響がでません。

風疹の予防接種

風疹は症状が軽い病気であり、だいたい3日ほどで自然治癒していきます。
人によっては軽いという以前に、症状がないという人もいるほどです。
症状なしだった方は、もしかしたら子供の頃に風疹にかかり抗体を持っているのに、かかったことがないと思い込んでいる可能性が考えられます。
症状がない方は他にも、抗体を持っているけれど低い場合や、再感染の場合などがあります。

かかったことがあるかは抗体検査でわかる!

かかったことがあるか、つまり身体に抗体があるので発症しないのかどうかは、病院で抗体検査を受けることで調べられます。
風疹抗体検査は血液検査で行われ、簡単にできるものですから、必要に応じて受けましょう。
風疹抗体検査を行っている医療機関や、妊婦検診で行われています。

予防接種が必要なケース

風疹の予防接種はいつまでに行われているかというと、妊娠初期である4週~12週目に風疹抗体検査という形で行われます。
風疹ワクチンを接種したことがある方や風疹にかかったことがある方でも、十分な抗体がなければかかることも考えられますので、心配な場合は受けてみてください。

避妊を行っていない場合、抗体検査を実施して十分な抗体がない、つまり風疹ウイルスに感染する可能性があることがわかったときは、妊娠していないという診断を受けた上で、ワクチンの予防接種をおすすめします。
抗体がない場合だけでなく、抗体価が低い場合も同様です。

妊婦検査内で行われている血液検査のHI検査にて抗体価の数値を確認し、32倍以上なら十分な抗体あり、8倍以上なら抗体ありとなります。
HIで8倍未満という結果がでたら抗体なしと判定され、ワクチンの接種が推奨されます。
HI法の他に、EIA法という検査方法もあります。

ワクチン接種後は、2か月避妊の必要があると医師から指導があります。
妊娠していることを知らずに、または妊娠する直前にワクチン接種を行ったという女性から生まれた子供に、障害が確認されたという事例はないとのことですが、医師の指示に従っておいた方が安心です。

赤ちゃんにも風疹ワクチンをするメリットが

予防接種は風疹だけ単体で予防するものではなく、はしかと2つの感染症を防ぐことができるMRワクチンという種類があります。
現在は、MRワクチンが一般的になっています。

風疹ワクチンを接種しておくことは、妊娠中に風疹に感染する以外にも大きなメリットがあります。
それは、MRワクチンをママが接種しておけば、生まれてきた赤ちゃんの身体に風疹とはしかの抗体が備わっているからです。
風疹やはしかに強い身体で生まれてくることができるわけです。

ママの感染がわかったら

ママが風疹に感染している可能性が高いというとき、必ずしも赤ちゃんにも風疹ワクチンが感染しているとは言い切れません。

胎児の感染は羊水検査で

胎児(赤ちゃん)が感染しているかを確かめるには、羊水検査という方法があります。
羊水検査は決してどこの病院でも行っているというわけではありませんので、実施している医療機関であることを確認してから行くようにしましょう。

新生児の感染は長期化の傾向

赤ちゃんが先天性風疹症候群とされた場合、新生児期から何か月も風疹ウイルスが検出されるケースがあります。
お住まいの各地方自治体にはいろいろな子育て支援制度が設けられており、赤ちゃんの風疹も支援の対象になる可能性があります。

かかりつけの小児科主治医に相談すれば、その地域にどんな支援制度があるかアドバイスをもらえるはずです。
市区町村の担当窓口に問い合わせることもできます。
治療が長引くことを踏まえ、そうした福祉手当や医療費補助制度などを積極的に活用してはいかがでしょうか。

夫や子供、家族もワクチンを

妊娠中に風疹にかかることを避けるために、いつも近くで過ごす夫や子供、家族も風疹ワクチンを接種してもらうと安心です。

風疹に感染しやすい生まれ年

風疹を始めとする多くの感染症は、予防接種法という法律でワクチンの接種に規定が設けられています。
今お子さんが誕生する世代の大人たちは、この予防接種法が改正の時期に子供時代を過ごしている人が多い状況です。

誕生日が昭和54年(1979年)4月2日~昭和62年(1987年)10月1日の方は、それまで予防接種法により集団接種が行われていたのが変わり、個別接種になった時期に重なっています。
集団接種は学校で風疹ワクチンを実施していましたが、個別接種では医療機関に自ら足を運ばなければなりません。
子供を親が病院へ受けさせに連れていくというひと手間がかかってしまうので、予防接種を受けそびれている方がたくさん出てしまっているのです。

ご自分が風疹の予防接種を受けたかどうか確かな情報をお知りになりたいときは、母子手帳を見れば確認することができます。
特に兄弟が多い方などは親御さんに聞いても、他の我が子と勘違いして、てっきりワクチンを接種できていると思い込んでいるケースもあります。
確かな情報を確認したいときは、母子手帳を見せてもらいましょう。

男性で誕生日が昭和54年4月1日より前の方は、風疹のワクチンは女性だけしか行われていない世代です。
現在は確実に風疹ウイルスから予防するために、1回ではなく間隔を空けて2回行われているのですが、この年代の方は女性であっても1回だけの実施でした。
女性は中学生の時に1回のみ、男性は0回です。

子供時代に予防接種を受けられていない人が多いことから、現在風疹を発症している患者さんの約80%は男性という統計が出ています。
妊娠・出産をするのは女性ですが、生活を共にいつも近くにいる存在ですので、感染すればうつしてしまう可能性が十分ありえます。
そうなれば、生まれてくる子供の障害リスクの直接の原因になってしまいかねません。
ご自身のための予防にもなります。
いい機会ですので、風疹の抗体検査・ワクチン接種をされることをおすすめします。

検査なしでの予防接種

風疹をしたことがない方は抗体を持っていない可能性が高いですし、したことがある方も抗体が弱くなっていることも考えられます。
抗体検査を受けて、十分な抗体があるか確かめてみてはいかがでしょう。

ただ、この世代の方はお忙しい方が多いでしょうから、その場合は抗体検査を受けずに直接予防接種を受けてしまうのも一つの方法です。
現在主流となっているのは、風疹の単体ではなくはしかと2つの予防接種が行えるMRワクチンです。
ワクチンで抗体の接種をしても身体に問題はありませんので、風疹とはしかの両方を防ぐことができます。

多くの地方自治体が予防接種の費用を一部負担しており、中には全額タダで受けられるところも少なくありません。
今の子供たちだけでなく、子供時代に予防接種を受けていない可能性が高い大人世代も対象になっている地域もあります。
ご興味がある方は、最寄りの保健所や役所などに問い合わせてみてください。

海外旅行で感染する可能性も

風疹は日本だけにある感染症ではありません。
海外へ行けばインド、タイ、中国、フィリピンなどといった東南アジア、他にもバヌアツ、パプアニューギニアなどの国々で、現在も風疹の感染は一般的にありうることです。
海外旅行にでかけて、現地で風疹ウイルスにうつり、帰国して発症に気づくということもあります。

風疹そのものは3日程度で治る比較的軽い症状の感染症なのですが、ウイルスがあるということは家族にうつしてしまったり、勤務先で同僚などに感染を拡大させてしまうことも可能性としては十分考えられます。
子供の誕生や、これから海外旅行のご予定がある方などは、ワクチンを接種しておいた方が無難でしょう。

子供時代に風疹の予防接種を受けていない年代の方は、男性か女性かにかかわらず、時間を見つけて予防ワクチンを受けておいてはいかがでしょうか。
旅行の計画はなくても、いつ海外赴任や出張などの話が舞い込むかわかりません。
未婚の方や子供を持たない方針の方でも、同年代のお友達や部下などが妊娠する世代となれば、感染してうつしてしまうことも考えられます。
先手を打っておけば、安心していつでも海外転勤や友人の出産などのおめでたい知らせを迎えることができます。

予防接種で出産の準備を

妊娠中に風疹に感染すると、ママにリンパ節の腫れ・全身にできる発疹・発熱の3つの症状などが現れる他に、赤ちゃんに先天性風疹症候群の発症リスクが生じます。
妊娠初期になるほど先天性風疹症候群の発症リスクが高まり、妊娠中期、後期になるにつれリスクがなくなっていきます。
風疹とはしかのMRワクチンを接種しておけば、妊娠中に風疹の感染を防げるだけでなく、赤ちゃんが風疹とはしかに抗体を持った身体で生まれることができます。
また、旦那さんやパートナーの方もママにうつしてしまうことがないよう、風疹抗体検査や予防接種をおすすめします。

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