突発性難聴という病名は知らない人でも、KinKi Kidsの堂本剛さんが2017年6月に急きょ入院した病気と聞けば、知っているという方も多いのではないでしょうか。
簡単に治ったらいいのですが、堂本剛さんの治療は数カ月経ってからもまだ続いてます。

ある瞬間、急に耳が聞こえなくなるという突発性難聴。
前兆なく突然かかる病気で、誰がかかってもおかしくありません。

突発性難聴でわかっていることは、発症後2週間以内に迅速に適切な治療を受けている患者さんは、完治できる可能性が高いということです。
1カ月を過ぎても放置していると、完治できる確率が低くなります。
本ページでは、そんな他人ごとではない突発性難聴の症状や治療などについてご紹介していきます。

突発性難聴とは

堂本剛さん以外にも、突発性難聴は多くの著名人がかかっている病気です。
浜崎あゆみさんやスガシカオさん、サカナクションの山口一郎さんなど。
こうして見ると、アーティストの方に多い傾向があるようですね。

難聴にはいろいろな種類の病気があり、大きく感音性難聴と伝音性難聴の2タイプに分類されています。
耳というのは外側から外耳・中耳・内耳・聴神経の順番に並んでおり、内側にある内耳・聴神経・さらに内側の脳が関係しているのが感音性難聴。
外側にある外耳・中耳が関わっているのが伝音性難聴で、突発性難聴は感音性難聴に含まれます。

突発性難聴の症状

突発性難聴という病名からも想像がつく通り、突発的に発症する病気なので前兆というものがありません。
他の難聴の病気は、だんだんと聞こえにくくなっていくタイプや、症状が悪化したり再発したりを繰り返すタイプがありますが、これらと突発性難聴は区別されています。

初期症状

一方のみの耳が聞き取れなくなり、めまい、耳が詰まっているような感覚、耳鳴りなどの初期症状があります。
症状が激しい患者さんは、嘔吐、ひどいめまいなども伴います。

痛みがない?

突発性難聴を引き起こしている部位は耳の内耳という箇所で、ここには痛みを感じる感覚がないことから、病気にかかっているというのにその耳に全く痛みがありません。
他にも、例えば話しづらくなったり、顔面が麻痺するなどの症状も起こりません。

突発性難聴と気づかないケースも

症状が軽い患者さんの場合、耳がふさがっているように感じたり耳鳴りがするといった症状はあるものの、聞こえにくくなる症状が出ません。
このことから、発症していることに気づきさえしないケースもあります。


引用元: いしゃまち(ishamachi.com)

突発性難聴にかかる原因や傾向

突発性難聴になる原因は、まだ解明されていない状況です。
血液の循環障害、ウイルス感染などとのつながりが指摘されています。

突発性難聴にかかる患者さんは、風邪を引いたり、ストレスが溜まっていたり、生活リズムが崩れていたり、睡眠時間が足りていなかったり、疲労が蓄積されていたりなどの傾向があります。
タバコを吸うことやアルコールの摂取も要注意です。
特に患者さんの多い世代は、中年層です。

突発性難聴の治療方法

突発性難聴だと病院で診断されたら、点滴や内服薬
で治療ができますので、外来通院となります。
安静にしていることが大切です。

治し方・入院は必要?

めまいや難聴の症状がひどい患者さんは、副腎皮質ステロイド剤が用いられます。
副腎皮質ステロイド剤が使用される関係上、糖尿病や高血圧の患者さんは外来通院ではなく、入院しなければならないケースもあります。

突発性難聴の治療に使用される薬は、他にもステロイドホルモン剤、血管拡張薬、脳循環改善剤、ビタミンB12製剤などがあります。
状態によっては高圧酸素療法や鼓室内注入療法という、耳に直接薬剤を用いる治療法も行われます。

副作用の有無

病気の治療を受けるとき、心配になるのが薬の副作用です。
特に上記の中でも副作用が気になるのは、ステロイドホルモン剤でしょう。
突発性難聴の治療にかかる期間に用いられる量であれば、ほぼ副作用の心配は不要です。
注意すべきは胃潰瘍や糖尿病などの持病をお持ちの患者さんですが、病院側で並行して対応が行われます。

消化管粘膜に負担がかかるので、胃潰瘍の患者さんには胃酸分泌の抑制や胃粘膜の保護作用のある薬が投与されます。
ステロイドホルモン剤を糖尿病の患者さんに用いれば、血糖値が上がってしまいます。
そうならないよう、内科と連携をして血糖値コントロールが行われます。

治るまでの期間

著名人の患者さんの中には、発症から何カ月も経っているのにまだ完治していないという報道もあります。
突発性難聴の患者さんが完治するまでの期間の目安は、通常2~3か月といわれています。

完治のカギは治療開始の早さ

突発性難聴だと診断されたら、全ての患者さんが完治できるわけではありません。
症状の改善具合の治癒率は、完治するが約30%、完治までは至らないものの症状が改善するが約50%、治らない割合が約20%だと慶應義塾大学病院の医療・健康情報サイト「DOMPAS」で発表されています。

つまり、3:5:2の割合です。
完治させるためには、約30%の中に入らなければなりません。

そのカギとなるのが、治療開始の早さです。
発症して2週間以内に迅速に適切な治療を受けている患者さんは、完治する確率が高いことがわかっています。
1カ月を過ぎても放置していると、完治できる確率が低いことも明らかになっています。

これといった原因もないのに急に聞こえにくくなったなど耳に異変を感じたら、すぐに耳鼻咽喉科を受診してください。
間違いだったら間違いだったで、精神的にも安心できます。

似た病気

突発性難聴と似た病気がいろいろあります。
メニエール病、低音障害型突発難聴、ムンプス難聴、ハント症候群、外リンパ痩、聴神経腫瘍、前庭水管拡大症などです。
突発性難聴だと思って病院へ行ったら、実はこれらの病気だったということも考えられます。
いずれにしても、早めに専門家の診断を受け、適切な治療を受けることをおすすめします。

難聴の種類

突発性難聴の他にも、難聴の病気はいろいろあります。
外部から耳に入る音声は、まず耳の一番外側にある外耳、次に中耳、その後に内耳と伝えられ、さらに脳に入る段階で音波が神経を通じて機械的エネルギーから電気的信号へと変えられることで私たちは聞くことができています。
外側からあるどの部位に異常があっても、聞くことはできません。
これらにどこかの部位に異常が起こると、難聴の症状が現れます。

難聴が起こるのは、神経性難聴、内耳疾患、中耳疾患、外耳疾患です。

神経性難聴

神経性難聴は、脳腫や加齢、変性、炎症、血管障害などの原因により、音声信号が内耳から脳に伝わりにくくなって発症します。

早い治療が特に求められるのは、聴神経腫瘍です。
もともとは良性の腫瘍なのですが、治療を受けずに放置しておくとサイズが大きくなっていきます。
まだ小さいうちなら耳鼻科で行う手術で治すことができますが、大きくなってしまうと脳腫瘍になり、脳外科の手術を受けなければ治せなくなってしまいますので、早めに治療を受けましょう。

突発性難聴などの内耳疾患

内耳疾患は、突発性難聴などの病気が分類されます。
内耳という部位は、外部から入った音声を電気信号に変化させる役割があります。

さらに、聴覚機能だけにとどまらず身体のバランスを維持するという重要任務を持っている気管でもあります。
そのことから外傷や薬物中毒、細菌やウイルスが原因で生じる炎症、血流の変化などで障害が発生しやすく、めまい、耳鳴り、難聴など症状が現れます。

  • 老人性難聴 ──
    50歳前後から発症する可能性のある難聴です。
    年齢を重ねるにつれリスクが高まりますが、実感する年齢は人によってさまざまです。
    加齢が原因での血管の移り変わり、神経や内耳の老化などが原因です。
    高音から自覚していきます。

 

  • 騒音性難聴 ──
    大音量でヘッドホンを聴く方や、音の大きなロックコンサートなどの原因から、近頃ではこの騒音性難聴にかかる可能性が指摘されています。
    これまではというと、労働環境が騒音の中にあり、長期的に従事していた方などに発症しやすい病気でした。過剰な刺激が内耳に伝えられることにより、感覚細胞が障害を受け聞こえにくくなります。
    長期的に爆音を聴くだけでなく、1回だけでも発症する可能性はあります。
    難聴の他、めまいなどの症状があります。

 

  • ストマイ難聴 ──
    結核の患者さんが発症する可能性がある病気です。
    結核の治療にカナマイシンやストレプトマイシンなどの薬剤が特効薬として使用されているのですが、結核には効果があるものの、中耳には毒性を発揮するという性質もあります。
    そのため結核の治療中に発症するリスクがありますので、患者さんは聴覚検査を定期的に受けることが大切です。
    ストレプトマイシンの場合は、めまいなどの症状が現れます。

 

  • メニエール病 ──
    内リンパ水腫という内耳のリンパ液が過剰になることから発症します。
    耳鳴りや難聴、吐き気、発作的なめまいなどの症状が何度もあり、繰り返す中でだんだんと難聴が進んでいきます。

 

  • その他 ──
    梅毒、高血圧、糖尿病、ストレスなどの原因で発症する内耳疾患があります。

中耳疾患

中耳疾患も、内耳疾患と同様に病気の種類が多くあります。

  • 耳硬化症 ──
    アブミ骨、キヌタ骨、ツチ骨といった耳小骨は、中耳内部の音を伝導させる働きをしています。
    これらの骨がしっかりくっついてしまうことで機能が低下したり、切り離されてしまうと、音波が内耳を伝導しにくくなって難聴の症状が現れます。耳小骨の種類の中でも、耳硬化症の発症につながるのはアブミ骨がくっついてしまうことからです。
    従来の傾向として、耳硬化症の発症率が高いのは白人の方でしたが、近年は日本人患者も多くなってきています。

 

  • 慢性中耳炎 ──
    鼓膜が常に穴の開いた状態になり、外気が中耳へと直接入り込むことから、感染しやすい状態になります。
    分泌物が耳の穴の中からもれる耳だれ(耳漏・じろう)の症状が繰り返しあり、次第に症状が進行します。難聴の度合いは、患者さんによって個人差があります。
    長く進行していく過程で内耳に炎症が及び、内耳性難聴やめまいを発症します。

 

  • 滲出性中耳炎 ──
    滲出性中耳炎は、耳管狭窄症が治らず長期化したときに発症します。
    水が中耳腔内に溜まってしまうことから、さらに難聴が悪化します。
    小児に発症する難聴のほとんどは、滲出性中耳炎です。
    急性中耳炎は膿が中耳腔の中に溜まる病気ですが、滲出性中耳炎の方が炎症の度合いが軽いので痛みが少なめです。難聴の症状を子供は訴えないため、病院で治療を受けるのが遅れがちになります。
    日常生活の中で、例えばお子さんに声をかけてもなかなか返事をしない、背後から話しかけても気が付かない、テレビを大音量にして見ているなど場合は滲出性中耳炎を疑ってみてください。

 

  • 急性中耳炎 ──
    中耳と鼻咽腔(鼻の奥)は耳管というパイプのようなものでつながっており、中耳の空気の圧力が調整されています。
    急性中耳炎は耳管から中耳へとのどや鼻の細菌が入り込み、中耳にまで細菌がうつって発症する病気です。
    膿がでて中耳腔に溜まることから、音が聞き取りにくくなります。
    激痛の症状が現れるのも特徴的です。

 

  • 耳管狭窄症(中耳カタル・耳管カタル)──
    なんらかの要因からこの耳管が詰まってしまうと、中耳腔の外部の圧力が内部より低くなるため、耳が詰まったように感じ聞こえにくくなる病気です。

外耳疾患

外耳疾患が生じるのは、通常よりも音波エネルギーが鼓膜に到達する量が少なくなり、聞こえづらくなる状態です。
外耳炎を発症して腫れたり、異物や耳あかが邪魔をして音波が通りにくくなったときに聞こえにくくなります。

とにかく早めの治療が大切

原因になにも思い当たらないのに耳が突如聞こえなくなったら、突発性難聴の可能性があります。
突発性難聴は誰でも発症する可能性がある病気で、2週間以内に治療を受けるだけで、完治できる可能性がアップします。

原因はわかっていませんが、風邪やストレス、崩れた生活リズム、睡眠不足、疲労などとの関連性が指摘されていますので、予防に努めたいところです。
もし唐突に耳の異変を感じたら、完治できない患者さんが多いというリスクも考え、早めに病院の耳鼻咽喉科で診てもらってください。

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