子供が初めて熱を出した、という場合に多い病気に突発性発疹(とっぱつせいほっしん)があります。
一人目のお子さんに突如高熱がでて、熱が落ち着いたら今度は発疹が全身に・・・。
我が子にこんな症状がでたら、どんなママやパパでも少なからず戸惑ってしまうのではないでしょうか。

突発性発疹という病気はその子にとって人生初ということが多い発熱があるにもかかわらず、予防接種もなければ、特に治療方法もありません。
病院へ行ったらどんな治療が受けられるのか、家庭でできることはなにか、どんな場合は受診する必要があるのかなど本ページでまとめました。

突発性発疹の症状が改善してからも押さえておくべき注意点などもありますので、ぜひ赤ちゃんにとって人生初の発熱でお困りの際に参考にしてみてください。

突発性発疹とは・保育園でうつる?

突発性発疹はウイルスに感染して発症する病気です。

突発性発疹の発症年齢

特に患者さんが多いのは生後4・5カ月から2歳くらいの子供です。
ほとんどの子供がかかる病気の一つで、珍しい難病というわけではありません。

1歳過ぎくらいまでにはたいていの子供が突発性発疹にかかってしまい、2歳以上で発症する患者さんは稀です。
突発性発疹の患者さんの99%は、0~1歳です。

原因ウイルスの種類

突発性発疹の原因ウイルスは、ヒトヘルペスウィルス6とヒトヘルペスウィルス7があります。
別々のウイルスなのですが、どちらのウイルスに感染した場合も似たような症状が現れます。
このことから、あまり数は多くはないものの、「2回目の突発性発疹を発症する」ということがあるゆえんです。

ヒトヘルペスウィルス6やヒトヘルペスウィルス7の感染経路はまだ解明されきれていないのが実情で、予防接種などがないことから、あらかじめできる対処法はありません。

原因ウイルスの感染経路

突発性発疹にかかる原因ウイルスは、どんな感染経路でうつるのでしょう。
以下の3タイプの感染経路が考えられます。

  • 飛沫感染 ── くしゃみや咳をしてうつる
  • 経口感染 ── 患者さんの唾液が他の人の口に入る
  • 接触感染 ── 粘膜や皮膚に直接的、または手からなどの間接的にうつる

ヒトヘルペスウィルス6もヒトヘルペスウィルス7も一度感染してしまえば、潜伏感染している状態で、唾液の中から断続的に出ていきます。
感染力が弱いヒトヘルペスウィルス6とヒトヘルペスウィルス7にうつるのは、(親兄弟の)家庭内であるケースが多いと指摘されています。
濃厚な経口感染がない限り、その弱い感染力からなかなかうつらないだろうといわれています。

保育園でうつる?

ウイルスというと、外出先や保育園などで他のお子さんにうつしてしまうのではと心配されるかもしれません。
保育園への登園をいつから再開させるかの目安時期は、熱が下がって1日以上経ち、全身にあった発疹の症状が良好であればOKとなります。

突発性発疹は感染力が弱い性質なので、基本的に保育園内で流行することはありません。
かかっていることを知らない潜伏期間に、保育園などでお友達と遊んでいて感染させてしまうことはとても稀です。

突発性発疹の症状(画像・写真)


引用元: おいかわこどもクリニック(http://www.oikawa-clinic.com/)

 


引用元: たんぽぽこどもクリニック(http://www.tanpopokodomo-clinic.com)

突発性発疹で不機嫌になる?

38℃~40℃くらいの発熱が唐突にあり、熱が出ない状態に落ち着くまで2日~4日ほどかかります。
他の病気で熱が出たときは不機嫌になるのですが、突発性発疹では機嫌に現れないのが特徴的です。

発熱中は機嫌が悪くないものの、熱がおさまり発疹の症状がでると、一転して不機嫌に激変するケースが多くあります。
これは「不機嫌病」という異名を持っているくらい、突発性発疹の大きな特徴の一つです。

不機嫌になる原因は、まだ解明されていません。
他の発疹ができる疾病はかゆみなどの症状を伴うのですが、突発性発疹で生じる発疹は一般的な発疹による痒みと違い、血管の拡張により赤みを帯びて見えるだけのものです。
かゆいから不機嫌というわけでもないんですね。

鼻水や咳の症状はなく、熱が落ち着いた日かその翌日に生じる発疹を見て、突発性発疹だと診断されます。
発疹の症状は、お腹や背中、胸といった部位から全身に広がっていきます。
全身ではありますが、比較的顔や手、足にはあまりできません。
特に治療を受けなくても2日ほど経てば自然治癒されていきます。
かゆみの症状はありません。

病院で行われる治療

突発性発疹には予防接種や特効薬などはなく、発症してからも治療方法がないという病気ですが、自然に治っていきます。
発熱をして発疹がでていないうちは診断がまだつけられませんが、この状況では突発性発疹以外の病気の可能性があることから、抗生物質が使用されることもあります。

抗生物質を使用していた場合、突発性発疹だと判明して、さらに合併症の可能性がなくなったら、使用は中断されます。
突発性発疹の治療に抗生剤は不要だからです。

可能性がある合併症

突発性発疹で考えられる合併症は、主に下痢の症状を中心とした胃腸炎です。
多くの場合、発疹の症状が現れるか現れないかという時期に下痢になります。
熱性けいれんも多いので、発熱が何日も続くことで脱水状態におちいらないよう気を付けてあげましょう。

肝機能障害、血小板減少紫斑病、劇症肝炎、脳炎や脳症などの合併症の可能性もあります。

病院へ行くべき異変

以下の症状が現れたら、病院で医師に診断してもらい、適切な治療を受けてください。

  • けいれんしてから急に発熱する(熱性けいれん)
  • 高熱がでてなかなか下がらない
  • けいれんを起こしている
  • 顔色が優れない・水分を摂取せず、元気がない
  • ぐったりしている

家庭でできること

突発性発疹では熱がでますので、水分を補うなど発熱時にするようにしましょう。
布団をかけ過ぎたり、衣服を過剰に着せたりしないように気を付けてください。

改善後に押さえておくべき注意点

基本的に、突発性発疹が治ったあとは通常の日常生活に戻って差し支えありません。
元気になっていれば、お風呂に入ることも可能です。

一時的なことではありますが、近頃の研究により突発性発疹の発症直後は多少免疫機能が落ちてしまいます。
そのため、生ワクチンによる予防接種の予定がある方は、1カ月間はやめておいた方が無難です。

子供が発熱したら

子供の体調が悪く熱が出ている場合、どうにかして熱を下げラクにしてあげたいと思うのが親心でしょう。
熱は「高い=重症」というわけではないことをまず知ってください。

体は熱で病原体と戦っている

発熱という体の機能が行っているのは、決して細菌やウイルスを体外に排出させることではなく、これらの病原体に戦い勝とうとする体の反応が発熱です。
身体を自ら守る目的で熱を発していますので、熱が下がるだけでは目的が果たされないのです。

熱が出るという異変は体調を崩したという結果ではなく経過です。
さらに、どのような熱の上がり方や下がり方をしたかを病院で受診するときに医師に伝えれば、どんな原因で発症しているのか、合併症を起こしていないかなどの判断材料として役立ててもらうことができ、正確な診断や治療の助けになります。

子供に坐薬を使用しても効果がでないことがあるのですが、それは熱が上がっている最中というタイミングだったことが原因です。
このタイミングに坐薬を使用すると、せっかく熱を上げて病原体に打ち勝とうとしている体の働きを阻止していることになります。

発熱時に小児科で診てもらうべき症状

以下の症状がある場合、早めに小児科で診てもらってください。

  • 年齢が生後3か月未満
  • 不自然な呼吸をしている
  • けいれんが続く
  • 苦しそうで顔色もよくない
  • 下痢と嘔吐が繰り返される
  • 不機嫌で39℃を超える熱があり、ぐったりしている

他のブツブツができる疾患

突発性発疹の他にも、子供がかかりやすいブツブツができる疾患がいろいろあります。

伝染性紅斑

伝染性紅斑は「りんご病」の呼び名でも知られる症状で、赤い斑点がほっぺたに現れます。
顔の他には、網目状の湿疹が手や足にでます。
特に5歳~9歳くらいの子供の患者さんが多く、潜伏期間が10日~20日くらいあった後で発疹の症状が現れるのですが、発疹がでる頃にはほぼ感染力は失われています。
子供の場合、一般的には放置しておくことで自然治癒していきます。

伝染性紅斑は、パルボウイルス科エリスロウイルス属のB19ウイルスが感染することでかかる病気です。
必ずしも子供だけがかかるというわけではありません。
子供がかかっても臨床症状が典型的なものなので診断されやすいのですが、成人はウイルス学の観点での検査を行わないと風疹と勘違いされがちです。

もし、妊娠中が伝染性紅斑に感染すると、ひどい貧血症状が現れることから流早産や胎児死亡などにつながる可能性もあります。
慢性貧血の方も要注意で、発症したら重度の症状につながる場合もあります。

症状が現れたときにはすでに感染力がほぼありませんので、患者の子供が保育園や学校に行ってはいけない疾患の指定は受けていません。
ワクチンがないので予防が難しく、発症しても治療ではなく対症療法だけになります。

猩紅熱(しょうこうねつ)

猩紅熱も患者さんに小児が多いことが特徴的な発疹性の伝染病で、A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)が感染することで発症します。
保育園や幼稚園などで流行することがあり、突如のどが真っ赤に腫れたり、39℃を超える発熱の症状が現れます。

猩紅熱で生じる発疹は、最初は首、脇、胸などの部位に現れ、ザラザラして細かく、赤いのが特徴です。
だんだんと全身が赤く見えるほどに広がります。

発症から3日~4日くらいで舌に異変がでます。
イチゴ舌と呼ばれ、まるでイチゴの表面のようにしたがプツプツと赤くなります。

まだ乳児のうちに猩紅熱にかかった場合、のど風邪程度の症状ですむのですが、4歳以上に子供は発疹や高熱になりがちです。
のどが腫れて2日以上治らないとき、発疹や高熱がでているときは、病院で診てもらってください。
一度発症したら終わりというわけではなく、何回でも感染する可能性があります。

風疹(ふうしん)

風疹は基本的に症状が軽く、淡い全身の発疹と発熱がでる急性感染症です。
トガウイルス科の風疹ウイルスが原因で感染します。
感染経路は発疹の症状がでる1週間くらい前後の患者さんからでた飛沫からなのですが、水痘(すいとう)や麻疹(ましん・はしか)よりも伝染力が弱いとされています。

風疹ウイルスがうつったら、2週~3週間ほどの潜伏期間を経て発疹などの症状が現れます。
3日もするとキレイに消えてしまい、麻疹のように長期的に跡が残りません。
まれに風疹にかかって合併症を引き起こす患者さんがいたり、妊娠初期の妊婦さんが発症するとCRS(先天性風疹症候群)の子供を出産する確率が高くなります。

全体の15%近くは、風疹に感染しても発疹などの症状が現れません。
大人の患者さんの約5%~30%は関節炎も患いますが、たいていは一時的な症状ですみます。
風疹にかかった疑いが出てきたときは、子供は小児科、大人は皮膚科や内科で診てもらってください。

麻疹(はしか)

麻疹は強力な感染力を持つ、急性熱性発疹性のウイルス感染症です。
重症化すれば命にかかわるほどで、接触感染、飛沫感染、空気感染でうつります。
潜伏期間が10日~12日くらいあり、その後38℃を上回る発熱が何日かあります。
熱が出ている時期は同時に結膜炎、鼻水、咳の症状にも苦しめられるでしょう。

発疹の症状が現れる時期は熱が下がってきた頃で、耳の後ろあたりにできて、さらに再び39℃を超える発熱が何日もあります。
麻疹の患者さんで最も多い年代は1歳代、2番目が生後半年~11カ月、3番目が2歳です。
近年は傾向が変わってきており、10代~20代の患者さんが増えています。

麻疹への対処はかかってから治療を受けるのではなく、ワクチンの接種による予防が一番です。
麻疹の患者さんに接触したなど発症の心配がでてきたときは、入院が必要になる可能性もありますので、すぐに子供は小児科、大人は内科や皮膚科で診てもらってください。

感染力が弱くても別の病気に要注意

子供が生まれて初めての発熱をするとき、多いのが突発性発疹です。
突発性発疹は発熱と湿疹の症状があり、ウイルス感染にて引き起こされます。
これといった予防接種や特効薬はありませんが、自然治癒する病気です。

突発性発疹の原因ウイルスは感染力が弱いので、うつるとしたら保育園や外出先などより、家庭内の方が可能性があります。
初めての発熱と湿疹だからといって、必ずしも突発性発疹かはわかりませんから、別の病気である可能性にも対処しなければなりません。
けいれんしてから急に発熱するなどの症状が現れたら、医師に診てもらいましょう。

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