冬になるとマスクをしている人の姿で溢れかえり、「風邪に注意」という言葉を聞くと思います。
これは、気温が下がって乾燥することで風邪をひきやすくなるためです。

ここ数年で流行った風邪にどの様な種類があるのか、今後の予防のためにも知っておきましょう。

医学的な風邪とは

「風邪」という病気を聞いたことの無い方はいないと思います。
ですが、厳密には風邪という病名はありません。

ウイルスや細菌が呼吸器に感染する病気を全体的にかぜ症候群もしくは普通感冒(ふつうかんぼう)と呼びます。
このかぜ症候群、普通感冒のことを一般的に風邪と呼びます。

かぜ症候群

【概要】
一般に鼻腔から喉頭までの気道を上気道といいますが、かぜ症候群は、この部位の急性の炎症による症状を呈する疾患をいいます。時として、この炎症が下気道(気管、気管支、肺)にまで波及していくことがあります。
出典 一般社団法人 日本呼吸器学会(http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=2)

共通する症状

風邪の症状は原因のウイルス・細菌の種類や、どこまで感染しているかによって様々です。
ですが主な症状は共通しています。

  • 鼻水、鼻詰まり
  • 喉の痛み
  • 発熱、頭痛

風邪の症状というのは、原因のウイルスや細菌を体の外に排出するために発生するものです。
そのためまずは鼻に症状が出ます。
そして鼻、喉の呼吸器から他の部分に感染していくことで症状が他にも出てきます。
種類によっては鼻等の症状が出ず、その下の臓器に感染して初めて症状が出るものもあります。

咳は感染の原因

感染が鼻から進行して気管支・肺までに及ぶと、咳や痰(たん)の症状も出ます。
ウイルスや細菌は、乾燥していると空気中で浮遊しやすくなります。
そのためマスクをすることで、咳を通して風邪の感染を防ぐことが出来るのです。

嘔吐(おうと)、下痢の症状が出る場合

ウイルスや細菌等の感染原因が更に下の臓器に進んでしまうと他の症状が出ます。
腸に入ってしまうと下痢、胃腸に入ると吐き気が出てきます。
これもウイルスを外に排出しようとする働きですので、可能であれば出してしまうことで症状が良くなることもあります。

下痢を起こした際には水分不足になりがちですので、水分補給はしっかり行いましょう。
子供が嘔吐や下痢をした時に親が処理をする際、そこから感染することもあります。
しっかりと消毒をして処理を行うことが大事です。

風邪は多くが安静が治療となる

原因であるウイルスや細菌に効果のある薬もありますが、基本的には安静にして栄養をとっておくことで大丈夫です。
症状がとても強い場合や、高熱が出ている、また数日経っても改善しない場合は病院で診てもらいましょう。

2016年前後の風邪の種類

このかぜ症候群の種類には様々なものがありますが、年や地域によって流行は異なります。
2016前後に流行したり、例年と違う流行りを見せた風邪の種類を紹介します。

風邪の主な原因はウイルスと細菌ですが、その8割近くがウイルスが原因となっています。

インフルエンザウイルス

潜伏期案は1〜3日間、症状は38℃程の高熱が特徴です。
他の主な症状はのどの痛み、頭痛、筋肉痛、体のだるさで発熱の後に症状が出ます。
発熱は2〜4日間続きます。
その後、鼻水、咳等の症状が目立ってきます。
このウイルスは誰でも聞いたことがあると思います。
インフルエンザも他の風邪も、原因がウイルスという意味では同じです。
ですが感染率が高いのと症状が強いことで、他の風邪と区別されます。

国立感染症研究所によると、インフルエンザ入院患者数は下記の様になっています。

  • 2013年冬から2014年春にかけてが9676人
  • 2014年冬から2015年春にかけてが12459人
  • 2015年冬から2016年春にかけてが12275人
    ここ数年で増加傾向にあります。


引用元: ニトムズ(www.nitoms.com)

子供に多いRSウイルス

主には2歳未満の免疫がまだ未熟な子供にかかります。
ですが、疲れている時等大人でも免疫が弱くなっている際に感染することがあります。
潜伏期間は2日〜1週間で症状はゼイゼイ、ヒューヒューという音を伴う呼吸が特徴です。
通常は1週間程度で症状が改善します。
インフルエンザ程、急ではありませんが38、9度の熱が発生することもあります。

RSウイルス感染症とは?

咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)

アデノウイルスというウイルスが原因で、プール熱とも呼ばれます。
潜伏期間は5〜7日、症状は喉の痛み、発熱、目の痛み等で3〜5日で通常は改善します。

咽頭結膜熱とは?

手足口病(てあしくちびょう)

ノンエンベロープウイルスというウイルスが原因です。
潜伏期間は3日〜1週間程で、症状は1口の中、手のひら、足の裏等に水疱性の発疹(ほっしん)が出ます。
通常1週間程で改善します。

手足口病とは?

ヘルパンギーナ

エンテロウイルスが原因です。
潜伏期間は2〜4日で、症状は発熱、のどの痛みで、2〜4日程で改善します。
本来、ヘルパンギーナの流行期間は夏ですが、2017年の初めの冬に例年より感染が多く見られました。

ペルパンギーナとは?

その他のウイルス

2016年前後では例年との差は見られませんでしたが、注意しておくべきウイルスで下記があります。

  • ロタウイルス、ノロウイルス
    子供に多く感染します。
  • ライノウイルスとアデノウイルス
    大人の風邪のほとんどはこのどちらかのウイルスです。
    病院で診断してもあまりこのウイルスの名前を言われることはありません。
    これは大人の風邪であればこのどちらかで、特に名前を出す程ではない位に一般的なウイルスのためです。

マイコプラズマ肺炎

肺炎マイコプラズマという細菌が原因です。
潜伏期間は2~3週間で、症状は熱と乾いた咳が徐々に数日かけて強くなります。
熱が下がっても咳は3〜4週間続きます。
4年ごとに感染数が多くなるという周期があります。
ですが、ここ数年でその周期が崩れている傾向にあります。

マイコプラズマ肺炎とは?

溶連菌(ようれんきん)感染症

A群β溶血性連鎖球菌(えーぐんべーたようけっせいれんさきゅうきん)という細菌が原因です。
潜伏期間は2〜5日で、症状は舌にできるブツブツ、全身の赤い発疹 、喉が赤く腫れ上がるというのが一週間ほど続きます。

溶連菌感染症とは?

冬の風邪の動向

ここ数年で例年より報告数が多かった風邪の病気です。
過去5年の同時期の平均数と比べての数字となっています。

  • 2014年末〜2015年頭の冬
    2015年にかけては1月がインフルエンザが増加しています。
    2、3月は溶連菌、手足口病の感染が非常に多く報告されました。
  • 2015年末〜2016年頭の冬
    12月、1月、2月と溶連菌感染症が増加しました。
    1月には咽頭結膜熱も増加しています。
  • 2016年末〜2017頭の冬は、インフルエンザの発生が多くなっています。
    またヘルパンギーナが例年より多くなっています。

近年の風邪の特徴

ヘルパンギーナが夏に流行る風邪とされていたのが、冬に感染報告数が例年より増加しました。
これは冬にも注意するべき風邪になったと言えます。
他にもマイコプラズマ肺炎は、過去5年間と比較して報告数に大きな変化はありませんでした。
ですが合計数を数えた場合、2016年は感染数は1999年の調査開始以降最多の感染数となりました。

地域によっても異なる風邪の流行

これらはいくつか地点を決めての統計となっており、実際には地域ごとに細かく分けると数字は変化してきます。
同じ地域でも「知人の会社や学校で流行っているのに、自分のところでは全然流行っていない」というのはよくあることです。

予防、対策はどうすればよいのか

鼻水やくしゃみが多くなって来たな、と感じた時には症状が軽いながらも感染している可能性があります。
風邪の予防で重要なのは、自分の感染の注意ももちろんですが、周りにも感染させない事が大切です。
くしゃみや咳をする時には手やティッシュで覆う等して、周りへ感染させないよう注意しましょう。

主な感染経路

風邪のウイルスや細菌等が感染する方法で主なものは下記の2つです。

  • 主に感染している物や食品を手で触れてしまい感染
  • 咳から飛び出し、空気中を通して感染
    インフルエンザは咳から、その他は手から触れての感染が多いです。

よく風邪の予防で言われるマスクの着用、外出後の手洗いとうがい、これが一番効果的です。
また消毒液が用意されている場所では手の消毒をしましょう。

もし周りに感染している人がいた場合、これらを行うだけで確率はかなり下がります。
特に疲れている時、寝不足の時には感染しやすいのでいつも以上に注意しましょう。

春になるまでが注意の時期

風邪は冬の始まりから春になる3〜4月頃までが流行りやすいです。
特に季節の変わり目は服装や寝具も変わる時期ですので、暖かくなってきたからと油断しないようにしましょう。

子供の感染に注意

感染の注意として、子供に気をつけるという部分があります。
これは、感染する可能性は大人も子供もあるものの、症状が出やすいのは子供だからです。
インフルエンザも主には子供から感染が広がっていきます。

例え体の中にウイルスや菌等が入っていても、症状がでなければ周りに感染しないものは多いです。

咳は風邪のサイン

風邪になるとほとんどが症状として咳が出ます。
まだ奥まで感染していなくても、人間の体には異物を外に出そうとする働きのためです。
周りで咳が多くなってきた時で風邪予防をしていない場合、予防を意識しはじめましょう。

お子さんに咳が出始めたら 異物を排除しようとする反射的な防御反応 咳は発熱とならんで、子どもの病気の代表的な症状です。もともと咳というのは、口から肺につながる気道(空気の通り道)のどこかに外部から侵入したかぜのウイルスやほこり等の異物があるとき、その異物を排除しようとして反射的に起こる人間の自然な防御反応です。 しかし、咳の背後には原因となるさまざまな病気が潜んでいます。 子どもの揚合、よくみられるのが、かぜ等の呼吸器感染症、気管支哨息、副鼻腔炎等です。 お子さんの咳は、体の中に何らかの異常があることを伝えるサインですから、咳が出始めたら、軽く考えないで注意深く見守ってあげてください。
出典 シオノギ製薬(http://www.shionogi.co.jp/wellness/diseases/contagion/cough.html)

2017年から2018年の春にかけて、今後の風邪は?

風邪のどの病気が流行るか、というのは予測は難しいです。
あくまで感染した人が病院に行き、何が原因の病気かと判明してから病院が報告をします。
そのため、どうしても「報告が集まった」という結果でしか見ることができません。

どのウイルスが多くの人にこれから感染するか、ということを予測する必要があります。
ですが、生活や人間関係・各自の予防意識によって異なるため予測は非常に難しいです。
様々な種類があるものの、毎年変化するため流行りの予測が難しいところがあります。

インフルエンザも様々な種類があり、どれが流行するのか?と事前に予測できません。
毎年「何型が流行っている」と現在進行形で注意を呼びかけられるのはこのためです。

インフルエンザウイルスには様々な型があります。 インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の三つに大きく分けて分類され、毎年流行を繰り返すごとに変異株がでています。特にA型は多くの変異株があり、時に、世界的な大流行を引き起こします。B型も流行がありますが、C型は軽症のことが多いです。 A型インフルエンザウイルスは渡り鳥などによって地球規模で運ばれており、どの型が流行するかの予測は困難です
出典 中外製薬(http://influ-info.jp/basic/infection.html?time)

大切なのは、これから流行るかもという気持ち

各地域の保健所が一定の報告が集まれば「保健所が警報」を出しますし、その場合学校等の連絡網には通常記載されます。
地域によっても流行りは異なりますので、職場や学校の人が何の病気で休んでいるという情報はとても重要です。

子供を学校に通わせている人は関係者の話に敏感になりましょう。
自分の近い場所で風邪が発生したら、それが今後流行るかもしれない、と気をつけることが一番の流行り風邪の予防方法です。

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