喘息(気管支喘息)の症状は、咳がでているのは風邪を引いたからなのか素人には判断がしずらいことがあり、どう対処したらいいのか困っている方も多いのではないでしょうか。
一昔前までは気管支喘息というと、子供の病気というイメージがありました。

最近になって傾向に異変があり、40代~50代という年齢になってから新たに発症する患者さんが増えています。
ゼーゼー、ヒューヒューといった音(喘鳴・ぜんめい)がしているなら、それは気管支喘息の症状です。

その他に

  • 眠っていても咳で起きてしまう
  • 話をしているときうまく話せない
  • 食欲が減退した
    などの症状があれば、気管支喘息かもしれません。
    幼い子供は、さらに咳がひどくて嘔吐してしまうなどの症状もあります。

本ページでは気管支喘息になる一番の原因、発症リスクの高い体質などについてご紹介しています。
さらに、気管支喘息の病態がひどくなる原因、発症しやすい年齢、苦しい発作が起きやすい時間帯、どんな薬で治療が行われるかなどを具体的にまとめました。

苦しい発作が起きないよう、普段の生活で今日から誰でも始められる対策についても取り上げていますので、ぜひ気管支喘息の改善にお役立てください。

気管支喘息とは?その症状

のどの奥は、空気を吸い込んだり吐き出す気管や気管支などの気道につながっています。
この気道が狭くなり、空気がスムーズに通りにくくなる異変が繰り返されるのが気管支喘息という病気です。

気管支喘息の症状がでると、胸のあたりで喘鳴と呼ばれるゼーゼー、ヒューヒューと息をする音が聞こえます。
気管支喘息は子供が発症するだけでなく、大人になってからもかかることがありますが、特に幼い子供の患者さんは風邪の症状で咳込んでいるのかわかりにくいことが多々あります。
まだ身体が成長しきっていないために気管支が狭いので、風邪の症状でもゼーゼーという音がしやすいからです。


引用元: 南岡山医療センター(http://www.sokayama.jp)

胸でゼーゼーと聞こえる症状は、決して気管支喘息だけに限定されていませんから、別の病気である可能性はないか診断を受けた方がいいケースもあります。
ちなみに、気管支喘息を診てもらう医療機関は何科かでしょうか。
子供は小児科に行けばいいと想像がつきますが、大人の場合は呼吸器科
また、気管支喘息はアレルギーの影響もある病気ですので、アレルギー科でも診療してもらうことができます。

変化している気管支喘息の治し方

気管支喘息の発作は空気が通る気道が狭くなることで引き起こされますが、そのとき同時に気管支についている薄い筋肉が収縮したり、痰のでる量が増えたり、気管支がむくんだり、ゼーゼーという喘鳴がしたりという症状を併発しています。
空気が通りやすくなれば苦しかった呼吸がしやすくなりますので、治療では気管支が拡張される成分を配合した治療薬が用いられます。

近年の研究により、アレルギーなどで気道が炎症を起こしていることなどがわかってきました。
アレルギーの炎症などの原因で発作を何度も繰り返していると、過敏になってしまった気道が狭いまま健康な状態のように拡張されなくなります。

こうした性質が解明されたことを受けてガイドラインも変化しており、一昔前の発作発症時だけ気管支を拡張させるという方法を止め、現在は発作を起こさせない治療方法へと移行しています。

気管支喘息の病態がひどくなる原因

気管支喘息は、以下の原因によって引き起こされます。
患者さんによってさまざまですが、気管支喘息になる一番の原因はホコリです。

感染症

気道が炎症を起こすと狭くなるので気管支喘息の発症につながりますが、ウイルス感染が原因で気道が炎症するケースがあります。
ほとんどの風邪はウイルスに感染して発症しますので、風邪を防いだり、引き始めに早めに治すことも気管支喘息の対策になります。

アレルゲン

アレルゲンとは、アレルギー反応を引き起こす物質のことです。
子供が気管支喘息を発症する場合、約9割はアレルギー体質であることがわかっています。
ホコリやダニのアレルギーを抱える方は、ホコリが多い場所に入ると咳が出やすくなるということはないでしょうか。

環境アレルゲンにはダニやハウスダスト、ペットの毛、カビ、フケなどの種類があり、吸い込むことで気道にアレルギー炎症が発症し、気道が縮こまることで発作が起きます。
アレルギー体質ではないかと思われる場合、どんなアレルゲンで反応するかをチェックしたいなら、病院で採血するだけで知ることができますので医療機関で相談してみてください。
アレルゲンは16種類あり、ダニ・ハウスダスト・ヒノキ・スギ・ヨモギ・ブタクサ・ハンノキ・カモガヤ・ゴキブリ・ユスリカ・ガ・アルテルナリア・アスペルギルス・カンジタ・犬のフケ・猫のフケがあります。

気管支喘息に苦しむ患者さんのご家族は、自宅で看護をしながら室内を清潔に保つこともおすすめです。
掃除機をかけるだけでも、患者さんは苦しい発作が緩和されます。

大気汚染物質

炎症を起こすなどして気管支が敏感になっていると、大気汚染物質を吸い込むことも喘息発作への刺激になってしまいます。
タバコや花火、線香などの煙も刺激になりますので、ご本人はもちろんのこと、気管支喘息の患者さんをご家族に持つ方も近くで吸わないようにしてあげてください。

別の部屋などに移動して喫煙をして、吸い終わったら同じ室内に戻ればよさそうなのですが、直後は肺に煙が溜まっていますので、少し時間を空けた方が安心です。

運動誘発喘息

運動誘発喘息という症状を知っていますか。
運動をして乾いた冷気が気道に入ると発症します。

マラソンなどの激しい運動で発症しやすいのですが、病態がひどい患者さんの場合は軽い運動でも発作につながります。
同じ水泳でも泳ぐ場所が温水プールならあまり発作の心配がないのですが、気温が低く空気が乾いている場所での運動は危険です。

決して運動誘発喘息の症状がある患者さんはスポーツができないという話ではありません。
部活や学校の体育の授業などで症状がでる心配がある学生さんは、発作予防の治療というものがありますので、医師に相談してみてください。
発作予防を継続することで、気管支喘息でない同級生たちと同じように運動を楽しめるまでになっている患者さんは大勢います。

気象条件

天候や気圧の変化が、気管支喘息の発作を引き起こしやすくする場合があります。
朝晩の気温の寒暖差、低気圧で台風が接近しているときなどは、いつもより発作が発症しやすくなりますので特に気を付けてください。

疲労やストレス

疲労が蓄積しているとき、睡眠不足の時期、心因性のストレスが溜まっているときなど、発作がでるリスクが高まります。
ついつい夜更かしをしてしまったり、ストレスを抱え込んでしまうことがないよう、日常的にコントロールを心掛けましょう。

発症リスクの高い体質

発症リスクの高い体質は、上記の原因1番目にあるアレルギー体質です。
アレルギー体質だからといって、絶対に気管支喘息を発症するわけではありません。

気道に炎症ができると気管支喘息の症状が出やすくなりますが、原因となる物質を吸い込んだときに体の中でIgE抗原や好酸球が生成されると炎症してしまいます。
アトピーの患者さんはIgE抗原や好酸球を生成しやすい体質であることがわかっていますので、気管支喘息を発症しやすいといえます。

発症しやすい年齢

気管支喘息を発症しやすい年齢は、大きく2タイプに分類されます。
子供と、40代~50代の大人の2タイプです。

子供は、身体が成長して免疫力がついていくにつれ、徐々に症状が軽くなっていく場合があります。
大人は、子供の時は気管支喘息ではなかったのに、中年期になって初めて発症したという方が増加しています。

苦しい発作が起きやすい時間帯

特に苦しい発作が起きやすい時間帯は、就寝したあとと、起きる前の早朝の主に2通りです。

就寝したあと、せっかく眠っているのに自分の咳がうるさくて起きてしまうということはないでしょうか。
息が苦しいので眠っていられなくなるケースもあります。

早朝も同様で、自分の咳で起こされてしまいます。

どんな薬で治療が行われるか

気管支喘息の治療は、主に飲み薬と吸入薬とで行われます。
長くつき合っていかなければならない治療ですので、必要最低限の薬の量で症状をコントロールできることが理想的です。

吸入ステロイドは薬剤が気管支のみに限定して届く薬で、全身に作用しないというメリットがあります。
できれば吸入ステロイドのみで症状を和らげていければいいのですが、収まらない場合は合剤と呼ばれる、吸入ステロイドの他に長時間作用型β2刺激薬も配合された薬品が選ばれます。
基本的に、気管支喘息の治療に抗生剤は不要です。

抗アレルギー薬

抗アレルギー薬は、気管支喘息の治療にはほとんど選ばれません。
通年性の花粉症が診断される患者さんには、花粉症の症状対策として処方されるケースはあります。
副作用に眠気がありますが、だいぶ抑制されています。

抗コリン剤

抗コリン剤は、吸入薬の一種です。
COPDと肺気腫の両方を発症しているために、一般的な治療では改善が期待できない患者さんに、吸入ステロイドに追加するケースがあります。

分子標的薬

分子標的薬は、注射薬です。
アレルギー性の原因が考えられ、アレルギー反応を示すIgE値が高い重症の患者さんに用いられます。

経口ステロイド

経口ステロイドは、飲み薬です。
気管支喘息のメジャーな治療薬で、hit and awayの戦法で行います。
服用を始めて1週間以内の使用で効果を実感できたら、ただちに中断します。
効いたらすぐに中止します。
不眠になる副作用があります。

短時間作用型β2刺激薬

短時間作用型β2刺激薬は、吸入薬です。
飲み薬タイプもありますが、ほとんど利用されていません。

発作を発症したときに限定して用いられ、多様が必要になるようでしたらそれは治療方法の見直しが必要なときです。
以前は動悸の副作用が指摘されていましたが、現在は減少傾向にあり、手の震えは今もまだあります。

長時間作用型β2刺激薬

長時間作用型β2刺激薬は、吸入薬です。
張り薬タイプもあるのですが、なかなか思い通りに吸入薬を使いこなせない方、高齢者の方に用いられることがあります。
基本的に単剤で用いられることはなく、吸入ステロイドと併用されています。

テオフィリン

テオフィリンは、飲み薬と注射薬の2タイプがあります。
発作が起きたときに、点滴が使用されます。
内服用の錠剤は使いづらいことから、近年の投与は少量に加減されています。
副作用に吐き気や頭痛などの症状があります。

ロイコトリエン拮抗薬

ロイコトリエン拮抗薬は、飲み薬です。
使用は、症状がとても軽い患者さんのみに限定されています。
副作用は、ほとんどありません。

自宅でできる対策

気管支喘息の症状改善のために、自宅で誰でもできる対策を実践しましょう。

・香辛料が患者さんによっては気道の刺激になります。
香辛料(コショウなど)はできるだけ減らし、カプサイシンが含まれるトウガラシなどを材料にしたメニューは、ご本人が口にしてみて問題なければいいのですが、症状がでる場合や控えましょう。

・アルコールは、ご本人が口にして症状が現れる場合は飲むのを控えるべきですが、そうでなければ適量ならOKです。

・ペットを飼うのは、あまりおすすめできません。
飼うときには特にアレルギー反応が確認できなかったとしても、あとから反応が出るケースもあるためです。

・マメに掃除をすることで、室内のダニの数が1/2以下にまで減らせ、発作は1/10以下に抑えられます。
寝具にダニが多いので掃除機をかけ、ぬいぐるみとカーテンはダニがたくさんいますので入念なお手入れを心掛けたいものです。

気管支喘息は症状がでないようにできる病気です

気管支喘息になる一番の原因は、ホコリです。
気管支喘息の症状が怖くて体育の授業に出れないという運動誘発喘息がある生徒さんは、発作予防の治療を継続すれば運動ができるようになるでしょう。

もちろん大人の患者さんも、お薬などを用いることによって症状をコントロールすることは可能です。
気管支喘息は体質なので完治はできませんが、辛い症状が出ないようにできる病気です。
医師と連携を取り、病気と上手につき合っていくことができます。

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