飲食をしていて、食べ物や飲み物がいつもと違ったところに入ったと感じ、むせるくらい苦しくなった経験はありませんか?
こんなとき、よく「気管に入った!」なんていいますよね。
肺と肺をつないでいる気管支の上は、気管でのどにつながっているからです。

急性気管支炎という病気は、気管支に炎症が起きている症状のことです。
肺は左右にありますが、この2つある肺をつなぎ空気を届けている管のようなものが気管支です。

食べ物が入り込んだらとっても苦しい思いをする気管支にもし炎症ができて急性気管支炎を発症したら、どのような症状が現れるのでしょう。
急性気管支炎はうつるのかなどの発症原因、病院での検査のやり方、治し方、治療に用いられる薬、赤ちゃんなどの子供がかかった場合などについてご紹介していきます。
自分でできるケア方法などもまとめましたので、ぜひ参考になさってみてください。

急性気管支炎と慢性気管支炎がある

気管支炎は、急性気管支炎と慢性気管支炎の2種類があります。
病名から、急性気管支炎が急に前触れもなく発症する気管支炎で、症状が慢性化していれば気管支炎と推測できますが、あまり慢性気管支炎だと診断される患者さんは多くないのが現状です。
気管支炎といえば急性気管支炎のことを意味するくらいで、慢性気管支炎は喫煙者の方がかかる呼吸器疾患です。

急性気管支炎の発症原因

風邪を引いたことから発症する方もいるのですが、それは急性気管支炎にかかる原因の多くがウイルスだからです。
原因のウイルスの種類はいろいろありますが、特に多く確認されているものにインフルエンザウイルス、ヒトメタニューモウイルス、RSウイルス、ライノウイルス、コロナウイルスなどがあげられます。

風邪の症状を引き起こすタイプのウイルスが、急性気管支炎の原因にもなっています。
あまり多くはないものの、珍しいクラミドフィラやマイコプラズマなどの病原微生物が原因になっていることもあります。

急性気管支炎の症状とは


引用元: TERUMO(http://www.terumo-taion.jp/fever/disease/04.html)

急性気管支炎は気管支に炎症が生じるとかかる病気ですが、気管支が肺につながっているとはいえ肺にまで炎症が及んでいませんので、肺炎よりも軽い症状です。
急性気管支炎の患者さんに多くみられる症状は、です。
咳以外には発熱や痰などもありますが、肺炎と違いあまり発熱するケースはありません。
子供が急性気管支炎にかかると、重症になる危険性が高いという特徴もあります。

症状から急性気管支炎だと素人が判断することは難しく、咳こんでいても一般的な風邪だったり、肺炎やぜんそくなどの可能性もあります。
特に風邪と急性気管支炎はどちらなのか分かりにくいのですが、治し方は同じです。

ぜんそくを抱えている方が急性気管支炎を発症した場合、治ったあとにぜんそくの発作がでることがよくあります。
ぜんそくの咳は独特なので、どんな咳をしているかで判断するなど、気を抜かないようにしてください。
自宅療養をしていていつまでも完治しないときには、病院で診断を受けましょう。

どんな検査が行われるか

急性気管支炎は風邪などと同じ咳の症状がでますので、素人が自己判断するのは難しい病気なのですが、医師でさえ難しいのが現状です。
医師によって診察基準や急性気管支炎と診断する根拠に違いがあるのですが、肺炎などの異常が確認できなければ急性気管支炎と結論付ける医師が多いようです。

肺がんなど呼吸器の疾患の診察をするときに用いる喀痰検査(かくたんけんさ)を行い、痰を調べて病気にかかわる成分が入っていないかを診るという方法があります。
他には胸部のレントゲン写真を撮って肺炎がないか確認したり、聴診などの検査が有効です。
胸部CTや胸部X線による検査が行われます。

急性気管支炎に行われている治療

多くの患者さんの発症原因はウイルスなので、抗菌薬は不要であることから、たいていの急性気管支炎は自然治癒できます。
自然治癒できるので、特になにか治療を施す必要がありません。

病院で急性気管支炎だと診断されたら、なにも治療の必要がないと説明をされるでしょう。
ウイルスが原因菌の場合、病原体に作用する治療薬はありません。
十分な栄養補給を行ったり、水分を摂るなどして安静にすることが、ウイルスで発症した急性気管支炎の治し方となります。

急性気管支炎に抗菌薬はいらないのですが、適さないにもかかわらず処方されることがおおい病気として世界的な問題になっています。
患者さんの状態を診て、症状が重いようでしたら解熱鎮痛薬や鎮咳薬が処方されるケースもあります。

気管支炎以外の基礎疾患がある方や年配の患者さんには、抗菌薬が用いることで細菌感染予防を行われるケースがあります。
痰をしっかり出させるために、去痰剤が使用されることもあります。

気管支炎には種類がある

気管支炎は急性気管支炎と慢性気管支炎という以外に、以下のような種類があります。

・閉塞性細気管支炎
・びまん性汎細気管支炎
・細気管支炎
・喘息様気管支炎
・アレルギー性気管支炎

それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

閉塞性細気管支炎

閉塞性細気管支炎はウイルス(マイコプラズマなど)に感染してから関節リウマチを患う方がいますが、まだ原因が解明されていない病気です。
一説によれば、免疫学的機序にかかわっているともいわれています。

びまん性汎細気管支炎

びまん性汎細気管支炎も、まだ発症原因が解明されていない病気です。
大人になってから発症する確率が高く、子供のリスクは少ないでしょう。

初期でしたら、治療にはマクロライド少量長期投与という方法があります。
少ない量のクラリスロマイシンというマクロライド系抗生物質を、2年近くに渡って使用していきます。

細気管支炎

細気管支炎は、細気管支と呼ばれる気管支の末梢部分が炎症を引き起こす病気です。
年齢が2~3歳の子供がかかりやすい傾向があり、RSウイルスが感染することで発症するといわれています。

症状が悪化すれば命にかかわる、低酸素状態を引き起こすケースもでています。
陥没呼吸などの症状が現れます。

まだ幼い子供は息苦しさを感じても、助けを求めることがまだまだ難しいものです。
ゼーゼー、ヒューヒューなどの音がする呼吸をしているなど普段とは違った異変に気づいたら、早めに病院で医師に相談してください。

喘息様気管支炎

喘息様気管支炎は、よく似た気管支喘息とどちらを発症しているのかをまず知ることから治療がスタートします。
呼気音を聴診器で確かめたり、肺機能検査などによって診断が行われます。

気管支を拡張させるβ2刺激薬を吸入するスパイロメトリーを行い、1秒量が吸入する前と後でどのくらい改善するかを計測します。
改善量が200ccを超え、さらに12%を上回る改善率であれば気管支喘息だとわかります。

アレルギー性気管支炎

アレルギー性気管支炎は、ダニや埃、花粉などのハウスダストが原因で発症します。
血液検査をして末梢血における好酸球が増え、特異なアレルゲンへのIgE抗体が確かめられます。
慢性的に咳がでていると患者さんには、病院で採血をしてアレルゲンの種類を解明する検査が行われる場合があります。

急性気管支炎はどれくらいで治るのか

急性気管支炎はどれくらいで治るのかというと、一般的な見通しは発症してから3週間以内と考えられています。

咳が出始めてから3週間以内であれば、急性咳嗽です。
3週間を過ぎても治らない状態が8週間未満続いたら、遷延性咳嗽。
8週間経ってもまだまだ長引く場合は、慢性咳嗽と判断されます。

咳が3週間経ってもまだやまない場合には、急性気管支炎ではなく肺結核や肺炎の心配がでてきます。
感染症の場合は、百日咳感染やマイコプラズマということもあるでしょう。
感染症でないなら、気管支喘息や咳喘息の可能性がでてきます。

炎症部位によって入院の必要性も

細気管支部分に急性気管支炎が生じているときには、激しい呼吸困難になる可能性があります。
動脈血酸素分圧が60mmHg以下になったり、酸素飽和度が90%未満の場合には低酸素血症になることも考えられます。
そうなれば、入院をして継続的に酸素吸入をしなければならなくなるでしょう。

子供は命を落とす陥没呼吸に注意

赤ちゃんなどの幼い子供ほど、急性気管支炎にかかって怖いのが陥没呼吸の症状です。
呼吸をしようとしても肋間が下がってしまい、腹部のみふくらむのでいつも通りに息をしようとしてもできなくなるのが陥没呼吸です。

陥没呼吸の症状が現れた赤ちゃんは一気に重症化が進み、酸素が少なくなることから命にかかわるリスクが高まるほどです。

普段からぜんそくぎみの子供は急性気管支炎が極端に増えやすい傾向がありますので、十分に気を付けてください。
特にいつにも増して注意していただきたいのは、深夜の睡眠中です。
起きているときよりも肋間部分に重力がかかってしまいますので、気管支が押しつぶされやすくなるためです。
陥没呼吸とぜんそくの両方がある子供には、いつにも増して夜間帯の注意をおこたらないようにしましょう。

自宅でできるケア方法

急性気管支炎は自宅でできるケア方法がありますので、ぜひ実践してみてください。

運動

毎日の生活の中に適度な運動を取り入れれば、肺機能をアップさせる効果があります。
肺を健康な状態にキープしたり改善させられます。

激しい運動をするのではなく、疲れない程度の程よい運動が理想的です。
ストレッチやウォーキングなどがおすすめで、運動をしている間に息が苦しくなったときには、休憩を取りながら無理のない範囲で行ってください。

栄養補給

咳の回数が増えれば、どうしても体力を消耗します。
食事を摂ることも大変になってくるでしょう。

食欲が減退したら、通常の食事量を一気に食べるのはやめて、少しずつ食べるようにしてみてください。
1回の食事量を減らしたら、1日のトータルの摂取量を減らさないよう回数を増やして調整をします。
栄養を十分に補えるよう心掛けたいところです。

風邪予防

風邪の発症をきっかけとして、急性気管支炎にかかることがよくあります。
呼吸器感染を起こさないよう、帰宅したらうがい手洗いを忘れないなどして、インフルエンザや風邪などの予防に力を入れてください。

インフルエンザが流行する冬場には、インフルエンザワクチンの接種などで対策ができます。
風邪を引いたときには、十分な水分補給と栄養摂取が効果的です。
安静に過ごし、風邪の症状によって呼吸器内科や内科で医師に診てもらいましょう。

気道を清潔に

気道を清潔に保つことが急性気管支炎対策に有効ですので、痰を排出させるようにしていきましょう。
粘り気のある痰は、多めに水分補給をすることで排出しやすくなります。

空気が乾燥しないように、加湿器を使用することもおすすめです。
理想的な室内の気温は、秋~冬は20℃くらい、夏は26~28℃くらいが理想的です。

タバコ


タバコの中にはタールが入っており、気道に刺激を与えて粘膜にダメージを与える性質があります。
ダメージが加わった粘膜は咳や痰を増やしますから、急性気管支炎の発症リスクを高めます。
すでに急性気管支炎にかかっている場合には、病気の悪化速度を速めてしまいます。

急性気管支炎は自然治癒で治せる

肺と肺をつないでいる気管支に炎症ができる急性気管支炎は、発症すると多くの患者さんに咳の症状が現れます。

食事でしっかり栄養を摂り、適度な運動をすること。
室内は適度な温度と湿度をキープし、気道を清潔に維持すること。
タバコを吸うのを止めて、風邪を引かないように心がけること。

こんなごく当たり前のような自己管理が、急性気管支炎の苦しい思いから身を守ってくれます。

急性気管支炎は、基本的に自然治癒ができる病気です。
ただ、素人には自己判断が難しい病気ですので、自宅療養をしていて何日しても治らないときは、病院で正しい診察と治療を受けることを忘れないでください。

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