なんだか今日は下痢が続く…
吐き気が止まらない…
お酒を飲んだわけでもないのになぜ?

と、心当たりがないのに嘔吐(おうと)、下痢の症状が出た経験は誰でもあると思います。

この様に急に下痢や嘔吐の症状が発生する事を急性胃腸炎と呼びます。

原因の多くは夏は細菌による食中毒、冬はウイルスの感染ですがきっかけがストレスや疲労から来る場合もあります。
通常は長くても一週間程で回復しますので、しっかりと水分を取って安静にする事が大切です。

吐き気や下痢の原因

下痢や嘔吐の原因のほとんどはウイルス、細菌です。
他にもストレスや疲労、薬の副作用等が影響している事もあります。

急性胃腸炎とは、ウィルスや細菌感染によって胃腸の粘膜に炎症が起きる疾患で、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。
ウィルスや細菌感染以外にも、刺激の強い飲食物の取りすぎ、の取りすぎ、日々のストレスからくることもあります。
また、非ステロイド系の消炎鎮痛剤や、抗生物質などの副作用によって引き起こされることもあります。
出典 SBC湘南メディカル記念病院 (https://www.sbc-hospital.jp/care/internal/gastroenteritis.html)

主なウイルス

胃腸炎を引き起こすウイルスとして、

  • ノロウイルス
  • ロタウイルス
  • アデノウイルス

があります。
吐き気、下痢が同時に来る場合はウイルスが原因の可能性が高いです。


出典 島根県感染症情報センター (http://www1.pref.shimane.lg.jp/contents/kansen/topics/tp050117.htm)

主な細菌の種類

細菌が感染して嘔吐や下痢をするのは一般的にいう食中毒で、ウイルスより細菌に感染した方が症状は重くなりやすいです。

種類は

  • サルモネラ菌
  • 腸炎ビブリオ
  • 病原性大腸菌

が代表的です。

また病原性大腸菌は大きく分けて5種類があり、

  • 腸管病原性大腸菌(別名:病原血清型大腸菌)
  • 腸管侵入性大腸菌(別名:組織侵入型大腸菌)
  • 腸管毒素原性大腸菌
  • 腸管出血性大腸菌(別名:ベロ毒素産生性大腸菌)
  • 腸管凝集(ぎょうしゅう)性大腸菌

となっています。

この中で病原性大腸菌で代表的な物はO-157という腸管出血性大腸菌です。
O-157は腸で繁殖するときにベロ毒素というのが作り出され、痙攣(けいれん)や意識障害を起こす事があります。
そのため、他の病原性大腸菌に比べて危険とされています。

なぜストレスや疲労が原因となるのか

実際にはストレスから来る下痢の場合、過敏(かびん)性腸炎という、慢性(まんせい)的な病気の場合が多いです。
個人個人の体質とも言えるので、完全に治療するのはなかなか難しい部分があります。

他にもストレスや疲労で免疫(めんえき)が弱まるなど、自律神経の動きが悪くなることがあります。
その結果としてウイルスや細菌に感染しやすくなってしまいます。
自律神経とは自分の意思とは関係なく、体の内臓を動かしている神経の事です。

症状は何がある?

主な症状は嘔吐や下痢、他にも腹痛や発熱、倦怠感等が出る事があります。
原因によって他の症状が出ることもあり、日数もそれぞれ異なります。

下痢、嘔吐の影響で出る症状

下痢や症状が続く事で体の水分が少なくなり、脱水症状が出る事があります。
また食事も取りづらくなり、食欲もなくなります。

細菌やウイルスで出る症状の特徴

細菌に感染した場合、主な症状の他に下記の特徴があります。

  • アデノウイルス…扁桃腺(へんとうせん)が腫れる
  • 腸炎ビブリオ…耐え難い腹痛
  • O-157…下痢、腹痛、血便、重症時は痙攣、意識障害

ウイルスが原因時の日数

それぞれ以下の通りです。

  • ノロウイルス…1、2日
  • ロタウイルス…5日程
  • アデノウイルス…3〜5日間

細菌が原因の場合時の日数

細菌は以下の通りです。

  • サルモネラ菌…3日程
  • 腸炎ビブリオ…1、2日
  • O-157…5〜10日間

感染経路と潜伏期間

ストレスがきっかけの自律神経が影響していたり薬の副作用が原因の場合には、個人の体の問題のため感染等はありません。
直接の原因がウイルスや細菌の場合、感染することがあります。

どこから感染する?

細菌の場合、主に食べ物や水から感染します。
生肉や加熱が不十分である肉、内臓系の肉、鶏の卵、野菜類等が感染原因となります。

ケースとしては少ないですが、ペットを触って感染する事もあります。
ウイルスは食べ物、汚物からホコリを通じて感染します。

ウイルスの潜伏期間

潜伏期間も、原因によって異なります。

  • ノロウイルス…1、2日
  • ロタウイルス…2〜4日間
  • アデノウイルス…5〜7日間

細菌の潜伏期間

細菌はウイルスに比べて短めですが、O-157は長めになっています。
このため、集団食中毒になると気づかずに広まりやすいです。

  • 腸炎ビブリオ…12時間前後
  • サルモネラ菌…8時間〜2日
  • O-157…4〜8日間

食事はとるべき?

食べた物を消化する胃や腸の病気なので、食事は気をつけなければいけません。
辛い、熱い等の刺激物は避けます。

目安として便の状態と似た食事をとると良いです。
下痢でほとんど水分であれば水分や汁系を取るなど、軟便の場合は柔らかい食べ物を取るようにします。

水分補給はしっかりと

下痢、嘔吐で水分不足になりがちなので水分の補給が大切です。
注意として冷たい場合やジュース、乳製品や炭酸は胃に負担がかかってしまいます。
常温の水分のスポーツドリンクや経口補水液が良いです。

経口補水液は水1リットル(ペットボトル2本分)に対し砂糖を40g(大さじ4杯半)と塩3g(小さじ半分)の割合で混ぜてつくることもできます。
自宅でつくることはできますが、あくまで水分補給の目的で取る物なので飲みすぎないように注意しましょう。
経口補水液を製造している会社でも下記の様に記載しています。

以下の1日当たり目安量を参考に、脱水状態に合わせて適宜増減してお飲みください。

○学童~成人(高齢者を含む):500~1000mL/日
○幼児:300~600mL/日
○乳児:体重1kg当たり30~50mL/日
医師から脱水状態時の食事療法として指示された場合に限りお飲みください。医師、薬剤師、看護師、管理栄養士の指導に従ってお飲みください。食事療法の素材として適するものであって、多く飲用することによって原疾患が治癒するものではありません。
出典 株式会社大塚製薬工場(http://www.otsukakj.jp/healthcare/medicalfoods/os1/)

消化の良い食べ物にする

ある程度症状が治まって来たら、消化の良い物を食べる様にします。
おかゆ、味噌汁やスープ、すりおろしりんご等が良いです。
ヨーグルトも良いですが、脂肪分が多いので少量にしておきます。

またニラ、にんにく等は刺激が強く、キノコ、こんにゃく、海草は下痢を悪化させやすいので避けましょう。

病院での治療や薬

下痢や嘔吐で原因が不明な場合、病院の診療科としては内科、胃腸科、消化器科となります。
もし治ったと思っても何度も起きる場合はストレスが原因の可能性があります。
その時は精神科にいく事で改善する事もあります。

心の不調が体に出てくるこのような疾患を心身症と分類します。このように、心の問題と体の問題がオーバーラップしている分野が心療内科の領域です。下痢はお腹だから消化器内科、と思っても、実は心療内科が正解かもしれません。
出典 むらかみ内科クリニック(http://www.murakaminaika096.com/all/work/2230/)

病院の治療はどのような方法?

病院ではまず原因を特定し、それぞれにあった治療法を行いますが対症療法がほとんどです。
そのため腸の動きを整える整腸剤、水分補給、吐き気止め等が処方されます。

細菌のO-157が原因の時には、抗生物質が処方されます。
子供はホスホマイシン、ノルフロキサシン、カナマイシンという薬で、大人はニューキノロン、ホスホマイシンという薬になります。

3〜5日間飲み続ける事で、菌は消滅となります。
薬の他に食事制限、点滴等の治療となり重症の場合は入院することもあります。

サルモネラ菌が原因の場合、抗生物質はあるのですが軽症では使わず重症の時のみ状況により処方されます。
腸炎ビブリオは抗生物質がありますが、使わなくてもすぐに回復するため使用せずほとんどが対症療法となります。

ウイルスに関しては特効薬はなく、ロタウイルスに予防薬があるのみです。
ですがロタウイルスで重症化しやすい子供と年配者のみに処方されます。

市販薬の注意点

市販の下痢止めの薬は、飲んだ時はおちついても病気が長引いてしまうことがあります。
嘔吐、下痢はウイルスや細菌を外に出そうとする体の働きですが、それを止める事で逆効果となってしまいます。

どうすれば予防になる?

ウイルスと細菌で流行時期が異なっています。
細菌は夏、ウイルスは冬に流行りやすいので、この期間に予防を意識しましょう。

夏は食中毒に気をつける

夏には食品の扱いに注意します。
卵は冷蔵保存し、早めに使いましょう。
肉とそれ以外の調理器具や保存容器はわけておき、調理で生肉を扱った後は消毒、手洗いをしっかりします。

冬は風邪対策で感染予防

ウイルスについては風邪と同じ方法で予防できます。
外から戻ったら手洗い・うがいをしっかりと行い、マスクをつける事でウイルスの感染率が下がります。

また小さな子供がいる場合、おむつの処理後はしっかりと手洗いをします。

仕事や学校は休む必要があるか

原因となるウイルスや細菌では得に学校や仕事の停止は定まっていません。

感染防止と安静にする事を目的があるので学校や仕事を休んだ方が良いですが、症状が収まり体調も良くなったら復帰して大丈夫です。

自宅でも治るが、重症時や長引く時には病院へ

急性胃腸炎と一口にいっても、その原因は様々です。
症状が軽ければ水分を取っての自宅治療でも良いですが、症状が酷いときには病院にいって原因を調べてもらいましょう。

食中毒の中でもO-157は特に危険な細菌です。
もし周りで同様の症状で休んでいる人がいる時にはウイルスや細菌の感染も疑い、注意しなければいけません。

なかなか嘔吐や下痢が治らない場合、最近ストレスや疲労を感じているようことはないでしょうか?

ストレスをなくす事は現代の日本では難しいですが、思い当たる部分があれば精神科に行ってみるのも一つの解決方法かもしれません。

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