夜中、寝ている時に急に足がつって痛くて目が覚めた、という経験はありませんか?この足がつることを「こむら返り」といいます。

足がつった時の痛みが酷いと夜に眠れず、翌日睡眠不足で仕事に力が入らない…と辛い思いをしたことのある方多いと思います。妊娠中によく発生するという方もいます。

なぜ足がつる、といったことが起こるのか、原因を説明し対処法、気をつけるべきことを紹介していきます。

 

こむら返りの症状

特に夜の寝ている時に発生することが多く、数十秒から数分間程継続します。医学的には腓腹筋痙攣(ひふくきんけいれん)といいます。

腓腹筋とは足のふくらはぎにある筋肉で、そこが痙攣を起こしている状態です。

通常、体が各部位を動かす際というのは脳から動かす筋肉部分に神経を通じてその指令を出します。

ですが脳からの指令がない、つまり動かす必要がないのに「運動神経が勝手に動かそうとして収縮する」という状況です。

 

こむら返りになる原因

こむら返りが発生する原因として、栄養素のミネラルや水分不足、筋肉の疲労や温度低下などです。

ミネラル、水分不足

ミネラルとは5大栄養素の中で、神経伝達や筋肉の動きを担当しており、体内でつくることができない栄養素です。

筋肉と神経に関わるミネラルの種類としてはナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム等があります。

これらミネラルは電解質で、水中で電気を通す役割があり、電解質とは水に溶けると電気を流す物質のことをいいます。

身体の水分、つまり体液には「電解質(イオン)」が含まれています。電解質(イオン)とは、水に溶けると電気を通す物質のことです。電解質は水中では電気を帯びたイオンになり、電気を通すようになります。

出典 大塚製薬 (https://www.otsuka.co.jp/company/business/rehydration/ion/)

ミネラルや水分が不足することで神経伝達がされにくくなったり、筋肉と神経の動きに異常が発生してしまい、筋肉が痙攣を起こしてしまうのです。

筋肉が疲労して発生

脳から筋肉への神経伝達だけでなく、足の筋肉自体が疲労していると受け取る神経伝達に異常が発生します。

普段行っていない運動をした場合、足の筋肉ばかり集中して使用した場合は注意しましょう。

ランニングや水泳だけでなく、立ち仕事でも発生する可能性があります。

足の温度は冷えていないか

人間の体の栄養は血液にて全身に送られていますが、この血液が冷えると血流が悪くなる、つまり栄養がいきにくくなります。

栄養が不足すると上記に記載したミネラルも不足してしまい、神経伝達に影響を与えます。

病気の影響

糖尿病を患っている人に、こむら返りは起こりやすいと言われています。その数は患者の約4割です。高い血糖値の影響で血管がダメージを受け、手足の神経症状を招くことが原因です。

それ以外に、肝硬変や腎不全、代謝が悪くなる甲状腺機能低下症などもこむら返りを起こす原因になります。

 

こむら返りが発生した時の対処法

こむら返りは一時的な痙攣ですので、健康な方であれば安静にしていれば治りますが、やはり睡眠時に発生した場合などはできるだけ早く治してゆっくり寝たいものです。

アキレス腱を伸ばす

異常に収縮している腓腹筋を伸ばしてあげたり、血流を良くしてミネラルの栄養を送ることで改善されます。

ふくらはぎ自体をマッサージするのも良いのですが、すでに異常収縮をしてしまっているふくらはぎ自体をマッサージしてもなかなか痛みが取れない場合があります。

人体の構造上アキレス健とふくらはぎはつながっているため、アキレス腱を伸ばしてあげると同時にふくらはぎも伸ばすことができます。

手順としては以下の通りです。

  1. つま先を手で掴んでゆっくりと自分の方に向ける
  2. 息を吐きながらリラックスして行う
  3. 数秒間続ける
  4. 急に戻さず、ゆっくりと戻す

アキレス腱を伸ばす

これを痛みが治まるまで繰り返しましょう。急激に伸ばすと肉離れになる場合があるので必ずゆっくり行ってください。

ふくらはぎも自然と伸びて痛みがやわらぎます。

つま先が掴めない場合

体の固い方や、妊娠中等寝て状態を起こすことが出来ない場合、無理につま先を掴まなくて大丈夫です。

もし近くにハンカチやタオル、枕カバー等があれば、それを使用してつま先にかけるという方法もありますし、壁に足をつけれる状態なら壁を使う方法もあります。

  1. つま先を壁に当てる
  2. ゆっくりと徐々に踵も壁につける

これでアキレス腱を伸ばすことができます。

痛みがひいてきたら

痛みが治まってきたら、翌日に痛みが残らない様にマッサージを行いましょう。

  • ふくらはぎを上から下へ優しく擦る
  • 足首をまわす
  • 暖めて血行を促す

等が効果的です。

温めることで痙攣が収まって筋肉が緩みます。強い痛みのピークは越えたけど、まだ何となく痛みがある…という時の対策にもおすすめです。

少しでも痛みが残っている場合は、筋肉がダメージを受けています。温めると筋肉もほぐれて回復しやすくなるでしょう。

こむら返り対策のNGとは

とりあえず痛いから…と色々な方法を試す方もいると思いますが、痛い部分を冷やすことはよくありません。

こむら返りは痙攣であって炎症ではないため、冷やすことで改善はされずにむしろ血流が更に悪くなり悪化してしまいます。

また痛み止めの薬が自宅にあって、それを飲むということも悪くはないですがあまり効果がありません。

こむら返りは一時的な痙攣で長くても数十分で直りますが、薬というのは飲んで血液にまわり効果が出るのに時間がかかるため、効いてくる頃にはこむら返りが治まってしまっています。

 

こむら返りの予防方法

ふくらはぎを伸ばすことでこむら返りの痛みはある程度治まりますが、それでも発生してしまった時の痛みはかなりのものです。

しっかりと普段から予防をしておきましょう。

上記の原因でも説明した通り、足を冷やさない、ミネラルや水分補給、筋肉の疲労回復をしっかりと行うことで予防できます。

足をしっかりと暖める

睡眠中には足が冷えてしまいがちです。なので就寝前にしっかりとお風呂に入ることが大切です。

普段お風呂に入らないという方は、浴槽に少しだけお湯を溜めたり桶に入れたりして、足湯だけでも行うと良いです。

寒い時期であれば電気毛布や湯たんぽを利用して布団を暖めるのも良いです。湯たんぽの利用を誤ると低温火傷にもなりますので注意しましょう。

この様な暖める道具がなくてもレッグウォーマー等衣類で温度低下を防ぐのもOKです。

ミネラル、水分補給は忘れずに

普段から水分をとるように心がけましょう。運動をしている方は汗で水分が減ってしまいますし、更にミネラルは汗と一緒に排出されやすい栄養素です。

運動をしたらスポーツドリンクやミネラルウォーターを摂取しましょう。

またミネラルウォーターには軟水と硬水とがあり、ミネラルの成分によって分類され、

  • ミネラルが少ない→軟水
  • ミネラルが多い→硬水

となっています。

できるだけ硬水を飲む様に心がけましょう。運動後でなくても、就寝前にコップ一杯の水を飲むだけでも水分不足は防げます。

運動後はストレッチもしっかりと!

運動をした後は水分補給だけでなく筋肉を伸ばすことも忘れてはいけません。運動した部分をストレッチやマッサージをすることで血液循環が改善され、筋肉疲労がやわらぎます。

普段運動していない方も、立ち仕事やずっと同じ姿勢で座っている場合は部分的に凝っている可能性があるので、寝る前にほぐしてあげましょう。

  • 足首、アキレス腱の運動
    座った状態でも寝た状態でもよいので、つま先を伸ばしたり縮めたりを繰り返します。結果としてふくらはぎの筋肉のストレッチになります。
  • ふくらはぎのマッサージ
    膝の裏からアキレス腱にかけて螺旋状に揉むことで更に血行の流れが良くなります。

ミネラルは日々意識しての摂取が必要

ミネラルという栄養素は、自分の体の中ではつくられない栄養素です。そのため意識して摂取しないと体の中で不足しがちになってしまいます。

下記の食品をとることで、神経伝達に必要なミネラルを摂ることができます。

  • ナトリウム:食塩、醤油
  • マグネシウム:豆類、豆類、種実類、海草類、魚介類に若干
  • カリウム:果物、野菜、芋、豆類、干物
  • カルシウム:牛乳、乳製品、小魚、海藻類、大豆製品、緑黄色野菜

こむら返りに良い食事とは

全般的に見ると豆類や魚介類、醤油などで摂ることができます。魚とみそ汁、ご飯には納豆といったような典型的な和食をすれば大丈夫です。

ダイエットをしている方であれば、豆類と海草類を入れたサラダ等でもよいです。

 

こむら返りは病気のサイン?

こむら返りはかなり痛みを伴うもので、何度か経験している方であれば病気の可能性もあるのでは…と心配になる方もいると思いますが、多くは特に病気を持っていない方に発生するものです。

皆様の中にも筋肉が、痛みを伴い急激に固くなった経験をした方がおられると思います。ふくらはぎ(こむら)に生じることが多く,こむら返りと呼ばれています。こむら返りの70%以上は健康な人に発生して、発生後もほとんどが問題ありません。

出典:医療法人健光会 旭川ペインクリニック病院(http://asapain.jp/knee-pain)

他に処方されている薬剤が原因のことも

何らかの症状で処方されている薬剤の副作用にて、結果的にこむら返りの原因につながるものもあります。

  • 利尿剤:頻繁に尿を排出する際にミネラルが流れてしまう
  • 抗甲状腺薬:甲状腺ホルモンが変化する過程で、軽度の肝障害が発生し、ミネラルバランスが悪くなる
  • 高血圧治療薬:血圧を下げるため、血流が悪くなり足に栄養がいかなくなる

あまりにもこむら返りが頻繁に発生するという時には、医者や薬剤師に相談してみましょう。

どのような人が病気を疑うべき?

ほとんどの方が問題ないと言っても、やはり不安になるのが人間です。

もし、下記の場合は病院で診てもらうのがよいです。

  • ミネラルや水分不足、足の冷えや筋肉疲労に思い当たるものがない
  • 何度もこむら返りを繰り返す
  • ふくらはぎ以外の足がつる

何らかの病気であった場合は、以下の様な可能性があります。

いずれも症状として、こむら返りの原因につながることが発生するものです。

  • 腎臓疾患:電解質バランスが崩れる
  • 肝機能障害:肝臓、胆嚢の機能障害で筋肉の収縮運動に影響が出る
  • 閉塞性動脈硬化症:血管の流れが悪くなり足が冷える
  • 糖尿病:尿が多く排出され、水分やミネラルが不足する
  • 低カルシウム血症、副甲状腺機能低下症:血液中のカルシウム濃度が低下する
  • 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症:飛び出した椎間板が脊髄神経を刺激する

病気であった場合には他の症状も出ることが多いです。

もしだるさやむくみ、喉の渇きなどを感じる場合は内科や神経科、筋肉に異常を感じたら整形外科を受診しましょう。

 

足がつるのは疲労のサイン

いくつかの病名を並べましたが、こむら返りの原因の多くは日々の疲労やミネラル不足が原因です。

最近仕事が忙しくなってきたり生活習慣に変化があったり、ダイエットのために筋トレを始めてみた…と心当たりがある方は多いと思います。

体の疲労のサインとも言えますので、治って眠れた時は安心するのではなく、生活習慣を見直して水分補給冷え対策筋肉のストレッチ、これらをしっかり行い自分の体をいたわってあげましょう。

 

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