胃潰瘍(いかいよう)とは、食べ物を消化する胃に傷ができている状態です。
ストレスや食事の取り方の問題、ピロリ菌の感染や薬の副作用などで発症します。
胃のすぐ次にある食べ物を消化する部分を十二指腸といいますが、胃潰瘍と十二指腸潰瘍を合わせて消化性潰瘍と呼びます。
また女性よりも男性の方が発症する確率は高く、3倍にもなると言われています。

重症な時には吐血の症状が出ることも

お腹の上部分やみぞおちあたりが痛み、鈍かったり焼けるような痛みが長期的に続きます。
食後1時間や1時間半後に痛むことが多いですが、空腹の際にも痛みが発生します。
他の症状としてはお腹が膨らんでいる感じや、吐き気、胸焼け、ゲップや食欲の無さなどがあります。

また状況によっては食事をすることで痛みが治まることもあります。

胃潰瘍は傷の段階が深くなっている

胃の傷はその深さによって、びらんと潰瘍という2種類にわけられます。
びらんの状態ではまだ浅い部分までしか傷がありませんが、潰瘍の状態では粘膜を超えた深い部分まで傷が達しています。


引用元: 湘南茅ヶ崎クリニック(http://shonanchigasaki-clinic.net/)

重症時の症状

症状が酷いと胃の中で出血を起こし口から血を吐いたり、便に血がまじって黒い状態で出て来ることもあります。
かなり悪化している状態ですので、痛みだけでなく血が出た場合にはすぐに病院に行かないと危険です。

原因は生活習慣や副作用

胃に傷ができるのは胃の粘膜や粘液の抵抗力の低下によるものですが、この傷は様々な要因が重なって起こります。
通常であれば、胃壁が胃酸で溶かされないように粘膜がバランスをとっていますが、このバランスが壊れてしまった時に発生します。

もっとも多いピロリ菌

粘膜や粘液の力を弱める原因として最も多いのはヘリコバクター・ピロリ菌です。
一般的にピロリ菌と呼ばれており、本来はアンモニアを出して胃酸から胃を守る菌なのですが、アンモニアが多くなりすぎることにより胃壁を傷つけてしまいます。

市販薬の副作用

NSAIDs(エヌセイズ)という、炎症を抑える薬の副作用も原因の1つです。

日本での消化性潰瘍の原因は、ピロリ菌によるものが大部分で、その次に多いのがNSAIDsによるものです
引用元 日本消化器科学会(https://www.jsge.or.jp/)

NSAIDsとは関節など整形外科に通うような病気などで出される、非ステロイドという炎症を抑える薬です。
他にも痛みを抑える市販薬にも使われており、ドラッグストアでも購入することができるバファリンやセデス、イブなどにも含まれています。
NSAIDsが主原因の胃潰瘍の場合は痛みなどが感じにくく、吐血などで発見されるケースが多い傾向にあります。

生活習慣の原因

食生活の乱れも大きな原因です。
刺激の強いものを食べていたり、時間が偏ったりなどの胃に負担をかける食事も原因の1つです。
タバコやお酒も胃酸をたくさん出すものなので、過剰摂取もよくありません。

ストレスも原因となる

ストレスがあると自分の意思でコントロールできない自律神経に影響が出ますが、このストレスも胃潰瘍のきっかけとなります。
現代の日本人はストレスがない人はいないと言われていますが、しっかりとストレス解消できないと胃潰瘍だけでなく様々な病気につながります。

治療や対策方法は?

治療方法としては胃酸の分泌を抑える薬を飲んで胃の粘膜や粘液の強さを元に戻します。
ヘリコバクターピロリ菌に感染しており、再発を繰り返す場合にはヘリコバクターピロリ菌をなくす抗生物質という薬を出すこともあります。

薬治療がメインで手術や入院は少ない

過去には胃潰瘍となると手術で発症している部分を切る治療が主でしたが、現在ではほとんどの場合薬の治療で完治するようになっています。
このため入院することもほとんどありません。

このH2ブロッカーというお薬を使うようになり、胃潰瘍の薬物療法による治癒率が非常に上がりました。
そのため、従前の外科的手術による胃潰瘍切除ということはほとんど行われなくなってきています。
引用元 はえまつ内科・外科クリニック(http://haematsuclinic.com/)

それでも手術には全く至らないというわけではありません。
手術までとなるケースとしては下記の場合です。

  • 手術をしないと血を止められない時
  • 胃に傷だけではなく穴が空いてしまっている状態
  • 何度も胃潰瘍の再発を繰り返しているうちに、胃の出口が狭くなってしまっている状態

つまり、胃の傷だけに留まらず他の部分に影響が出ている時や胃自体が通常の状態ではなくなっている時に手術となります。
ですがこの状態まで進行するケースとしては非常に少ないです。

病院での検査方法

胃の状況を見る検査となり2通りあります。
1つはX線で潰瘍周辺の粘膜、胃壁の状況を確認します。
もう1つは内視鏡検査で直接胃壁の状態をカメラで見ます。

ピロリ菌の検査

胃潰瘍と診断された場合はピロリ菌の検査を健康保険適用で受けることができ、主に3種類あります。

  1. 内視鏡を使って確認
  2. 診断薬を飲んで、呼吸で調べる方法
  3. 血液や尿、便などから抗体を調べる方法

この中で内視鏡を使い胃の粘膜をとって診断する方法は誤診断の可能性が他の方法よりも高いです。

胃に良い食事とは

胃に負担をかけない食事を心がけることが軽い胃の傷を治めたり、胃潰瘍の予防となります。
脂肪、タンパク質の多いものは胃酸を多く出してしまうため一度にたくさん食べないようにしましょう。
香辛料など刺激の強いものも避けた方が良いです。

食事内容だけではなく、1日3回、適量を食べる規則正しい食事をとることも大切です。

食事以外の対策方法

生活習慣も原因の1つですので、規則正しい生活やストレスをためないことも予防につながります。
お風呂でリラックスしたり、スポーツでストレスを発散させるのが良いです。
しっかりと睡眠をとり、タバコやお酒も適度にしましょう。

多忙な現代日本人には多い病気

薬の副作用も原因の1つですが、生活習慣などの様々な要因が重なって発症するものです。
特に仕事や家事のためにストレスや規則正しい生活ができなくなっているという方は注意が必要です。
食事内容を見直してみたり、ストレス解消できる方法を見つけるなどしましょう。

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