子どもの近視は、親御さんにとって大きな心配の一つでしょう。
スマホやゲーム、パソコンなどで近くを見る時間が増えている現代は、世界的にも近視が発症する年齢が低年齢化しています。
香港では約4割の学童が近視であることが確認されているほど増加している中、本ページでは近視の発症原因などをご紹介していきます。
これ以上近視を進行させないためのトレーニング法などもお伝えしますので、ぜひご参考になさってみてください。

子どもの近視が生じる原因

子どもが近視になる原因には、どのようなものが考えられるのでしょう。

2つの原因

子どもの近視が生じる原因は、主に環境原因と遺伝原因の2種類に分類されます。
軽い近視ほど環境的な影響が大きく、反対に強い近視ほど遺伝的な影響が大きいといわれています。
原因はどちらか一方だけとは限らず、子供さんによっては両方の影響を受けているケースもあります。

近年実施された学校保健統計調査によれば、中学生の半数以上、小学生の4分の1以上の学生が1.0未満の視力であることが明らかになっており、どんどん視力が落ちています。
その主な原因は、スマホ・コンピューターゲーム・パソコン・テレビ・読書・勉強・プラモデルなど近業にあてる時間が長くなっていることがあげられます。
近視にならない、または進行させないためには、こうした近くを注視して行う作業時間を減らし、目の負担がかからない生活を意識することが重要です。

親が近視である場合

親が近視である子供は、近視になるものなのでしょうか。
近視と診断されたらメガネをかけることによって日常生活に支障をきたすことなく過ごすことができますが、メガネで矯正できないほど近視が強い場合は親の影響を受けていると考えられています。
ですが、ほとんどは親御さんが近視だからといって必ずしも子供も近視になっているわけではありません
説によっては、遺伝よりも環境の影響の方が大きいといわれています。

子どもの近視を治す方法

子どもの近視の治療は、どのような方法があるのでしょう。

一般的な方法

子ども近視を治す方法として一般的なものは、コンタクトレンズやメガネを使用して合っていないピントを矯正することです。
近視になってしまったら、凹レンズを用います。
偽近視と呼ばれる近視になりつつある過程では、点眼薬で治す方法がとられますが、全ての子供さんの視力が回復するわけではなく、むしろ点眼薬で治るのは少ない事例です。
メガネを着用したばかりの内はわずらわしく感じることも多いでしょうが、メガネの使用時期を先延ばしにするほどそれが眼精疲労の原因になったり、近視以外のトラブルを招くケースもありますので早く準備されることをおすすめします。

近視は手術できる?

子どもの近視を治せる手術方法はあるのでしょうか。
現在ある近視の手術的矯正方法には、LASIK(レーシック)や放射状角膜切開術などがあります。
放射状角膜切開術は放射状に角膜の周りを切開するもので、レーシックは角膜の真ん中をエキシマレーザーで削るというものです。
ただ、近視の症状が強い場合は高い効果が発揮されない・眼底出血や角膜が濁るなどの後遺症が生じる・視力予後が安定しないなどということも考えられますので、手術を受ける前によく説明を受け、十分納得できた場合に治療を受けることが大切です。

そもそも近視は、眼軸(がんじく・眼球の前後方向の軸)が延長することで発症します。
近視が強い患者さんは眼軸が延長することと並行して眼底出血や網膜剥離を発症するケースがあり、その際には早期に治療を受けなければなりません。
近視を矯正する手術は、角膜に操作をして屈折異常を見かけ上のみ正すというだけのものです。
発症原因である眼軸の延長は、手術を受けても受けなくても同じように進んでいくケースがほとんどですから、合併病変(眼底出血など)のリスクがあることは同じです。

近視に注意する方法

近視の予防や進行を防ぐ方法として、以下のことに注意をするように心がけましょう。
読書や勉強を行うときには、正しい姿勢を意識することが重要です。
悪い姿勢や寝転んだ体勢で読書などをしないように気をつけてください。
頭は少し前方に傾ける程度にし、背筋をピンと伸ばしたら、本と目の間隔を約30cmあけるようにしましょう。

目を疲れさせないことも大切です。
作業を1時間続けたら、5分~10分程度目を休息させましょう。
コンピューターゲームは遊び始めるとついつい長時間没頭しがちになりますが、40分以上継続しないようにして、ときどき休むようにしてください。
室内の照明は目の健康を考えた場合明るければいいというものではありませんので、暗過ぎず明る過ぎない状態に調整します。
部屋の照明だけでなくスタンドを取り付けるなどして、ちょうどいい状態に調整しましょう。
一般的に読書や勉強をするのに適している明るさは、300ルクス以上といわれています。
300ルクスを蛍光灯のスタンドを使用する場合に置き換えると、15ワット~20ワットに相当します。

近視と年齢の関係

近視は年齢との相関関係があるのでしょうか。

年齢が高くなるほど増加するのか

アジア諸国で近年実施された調査によれば、マレーシアで7歳のときに視力検査を受けた子供たちの中に近視の子は10%近くいました。
同じ子供たちが15歳に成長したときに再び視力検査を行ったところ、34%に増加していたということです。
香港でも同様の調査が実施され、7歳のときに視力検査を行い、今度は11歳になってから検査をしたところ、近視の子どもの人数が15倍にも増加していました。

近視の原因に眼球の大きさは、成長期になって身長が伸びるのと並行して育つことから、眼軸長も長くなり近視になるリスクが高まるという説もあります。
これらを総合すると、近視になる子供の人数は年齢が高くなるほど多くなる傾向があることがわかります。

近視は何歳まで進行するのか

子どもの近視が明らかになったら、眼の度が進行していないようであれば年に1回視力検査を受けることをおすすめします。
眼軸は身体が成長するのと並行して延長することから、20歳代後半までは近視も進むと考えられています。
基本的には20歳代後半までは視力検査を眼科専門医で毎年1回受けるようにし、近視が悪化していないかチェックしてもらい、必要に応じてメガネの度をあったものに調整しましょう。
ただ、20歳代後半以降になっても、極度に近視が強い方の中にはさらに進行する人もいます。

また、現代人はスマホやパソコン操作など近くを凝視して行う作業が長時間化していますので、成人になってから近視になる人も珍しくありません。
近視の程度が弱い方であっても、成人になってから症状が悪化し続けるケースも起きています。

近視以外で目が悪くなるケース

子どもの目が悪くなるケースは、近視以外にもあります。

乱視や遠視も原因に

子供の目が悪くなった可能性が起きたとき、近視だと思って眼科で診てもらったら乱視や遠視だったというケースも考えられます。
度が強くなった場合は、視力の調節を行っても効果が現れにくいことから、近視だと誤解されがちです。
目の疾患によって視力が低下している可能性も考えられることから、原因を正確に把握できるよう、異変を感じたときには必ず眼科で診てもらってください。

遠視に対する誤解

遠視と診断される患者さんはピントを眼の網膜の後ろ側で合わせることから、前方にピントを移動させないと遠方にあるものをしっかり見ることができません。
遠視はメガネをかけなくても見えるのだと勘違いし、視力がいいと思っている方もいますが、それは誤解です。
近場のものはもっと見えにくいですので、遠視の場合はさらに強い調整を行う必要があります
これらの理由から遠視の子どもはとても目が疲れやすいので、飽きっぽかったり根気が長続きしないなどの傾向があります。

視力回復のトレーニング方法

視力の回復が期待できるトレーニング方法をご紹介します。
中国式の眼の体操の改良版で、テレビなど多くのメディアで取り上げられてきており、日本においてもさまざまな小学校や中学校で取り入れられているトレーニング法です。
それぞれのトレーニングを行うときに、大きく「1・2・3・4・5・6・7・8」と声に出しカウントしながら行うようにしてください。
「イチ・ニイ・サン・シイ・ゴオ・ロク・ナナ・ハチ」と言いながら全て通して行うのを1セットとし、1日2セット行います。

  1. 息を大きく吸いながら8つカウントし、吐きながら8つカウントする深呼吸を2回繰り返します。
  2. 左右の手のひらをあわせ、両腕を上に伸ばしながら背伸びをして8カウント数えます。
    両腕を下して、同じく「イチ・ニイ・サン・シイ・ゴオ・ロク・ナナ・ハチ」と声に出して8カウント。
    これを、2回繰り返します。さらに、左右の手のひらをあわせたまま、右方向に上体を倒して8カウント。
    左側にも倒して8カウント。
    これも、2回繰り返しましょう。
  3. 左足をあげて、右足だけで立ち8回その場でジャンプします。
    左右足を変えて、今度は左足だけで8回ジャンプ。
    これを、2回繰り返します。
  4. 左右両方の目を閉じて8カウント。
    大きく開いて8カウント。
    これも、2回繰り返します。
  5. 頭を動かさないまま、目だけで右側を見て8カウント。
    今度は左側を見て、8カウント。
    目だけで上方向見て、8カウント。
    下方向を見て、8カウント。
    これらを1セットとし、2回繰り返します。
  6. まず近くに焦点をあてるために、目の前に指を立てて見つめ、そのまま8カウント。
    次に遠くの景色に焦点を移動させ、見つめたまま8カウント。
    これを1セットとし、2回繰り返します。
  7. 目にいいツボを、それぞれ2回ずつ刺激していきます。
    1回目は弱い力でやさしく押し、円を小さく描くように刺激しながら「イチ・ニイ・サン・シイ・ゴオ・ロク・ナナ・ハチ」と8カウントします。
    2回目は強い力に切り替えて、同じく8カウントしましょう。・合谷(ごうこく)──
    手の人差し指と親指が合流する部分を、反対側の人差し指と親指で挟みます。
    人差し指が手のひら側、親指が手の甲側になるようにはさみ、少し人差し指側にあるのが合谷ですので押してください。

    ・翳風(えいふう)──
    左右の耳たぶと、耳たぶのすぐ後ろ側の骨が出ている部分の下端の間にあるくぼんだところが翳風のツボがありますので押してください。

    ・風池(ふうち)──
    左右の耳たぶすぐ後ろ側に、骨が出ている部分があります。
    その下端と、後頭部中央の髪の生え際から、親指1本分上より中間点に風池のツボがありますので押してください。

    ・四白(しはく)──
    両手の中指と人差し指をそれぞれそろえて、小鼻の両サイドに添えてください。
    その状態のまま中指を顔から離し、人差し指の腹が触れている部分が四白のツボの位置ですので押します。

    ・清明(せいめい)──
    眉間にある鼻のつけ根と目頭との中間に位置する小さなくぼみに、清明はあります。
    片方の手の人差し指と親指の2本で、つまむようにしてツボを押します。

    ・天応(てんおう)──
    眉毛の眉間に近い辺り、眼窩(がんか・頭蓋骨の眼の部分の窪み)の骨の内側にある少しへこんだ部分に天応というツボがあります。
    天応を左右の親指の腹を使って、円を描くイメージで刺激し、残りの4本の指も並行しておでこをもみほぐします。

  8. ラストは、最初と同じ深呼吸をして終わります。
    息を大きく吸いながら8つカウントし、吐きながら8つカウントする深呼吸を2回繰り返してください。

近視なったらメガネ店より先に眼科へ

子どもさんが近視かもしれないと感じたら、早めに眼科で診てもらい、正確な検査を受け受けましょう。
近くが見づらそうだということで、直接お店へ行ってメガネを作るのではなく、まずは眼科を受診し正しい診断を受けることが大切です。
もしかしたら近視で視力が低下しているのではなく、目の病気を発症しているからかもしれないからです。
目の病気にはかかっていない場合でも、検眼を受けて子供さんに適した度のメガネを処方してもらう必要があります。
メガネを処方してもらってからメガネ店へ出向き、好みのデザインのメガネを作るなどしてください。

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