まぶたに異物が発症したら、もしかしたらものもらい(めばちこ)ができたのかもしれません。
日本全国でものもらいの呼び名はさまざまなのですが、どこの方言でも麦粒腫と霰粒腫の2種類あることや原因・治療法など全て同じです。
本ページではどのような症状が現れたらものもらいの麦粒腫や霰粒腫なのか、他の目の疾患との見分け方などについてご紹介していきます。
地域によってどんな呼ばれ方をされているかなどもまとめましたので、ぜひこのまま読み進めてみてください。

ものもらいとは(写真・画像)


引用元: 片桐眼科クリニック(http://www.k-eye.jp/stye/index.html)


引用元: タイドプール(http://jp.bloguru.com/tidepool/)

ものもらいとはかゆみ・痛み・腫れなどの症状が主にまぶたに生じる目のできもののことで、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の2種類があります。

麦粒腫の症状・原因・治す方法

マイボーム腺と呼ばれる部分が、まつげ生え際にあります。
マイボーム腺以外にもまぶたには分泌腺があり、雑菌がうつってまぶたが腫れる・赤くなる・かゆみが生じる・まばたきをしただけで痛くなる・異物感を感じるなどの症状が現れるのが麦粒腫です。

麦粒腫は、内麦粒腫と外麦粒腫の2種類あります。

  • 内麦粒腫 ── まぶたの縁のマイボーム腺に発症したものもらい
  • 外麦粒腫 ── まつげの根元やまぶたの外側に発症したものもらい

麦粒腫は、主に黄色ブドウ球菌が感染することが原因で発症します。
体中に黄色ブドウ球菌という常在菌がありますが、基本的に感染力が弱いことから、健康な人にとっては問題にならない菌です。
ただ、免疫力が衰えている時期には感染する場合があります。

麦粒腫を治す方法は、菌の感染が原因で発症することから抗生物質の目薬や内服薬などの薬を用いて行われます。
化膿が進行している場合は、膿を出すために切開しなければならなくなることもあります。

霰粒腫の症状・原因・治す方法

脂肪がマイボーム腺の内側に蓄積されると、詰まることが原因で霰粒腫が発症し、腫れたりしこりに似た白いデキモノなどの症状が出ます。
痛みは炎症が起きなければ生じないのですが、細菌がうつった場合は患部が膿んで、痛みの症状が現れます。
赤みが生じることは、あまりありません。

麦粒腫と違って霰粒腫は細菌の感染が原因で発症する疾患ではないことから、炎症が生じて急性化膿性霰粒腫に変わるケースもあります。
急性化膿性霰粒腫はただの霰粒腫と違って、麦粒腫に似た目やに・痛み・赤みなどの症状がでる場合もあります。

急性化膿性霰粒腫を治す方法は抗生物質の目薬や内服薬を使用して炎症を抑えるという、麦粒腫と同じものです。
ただの霰粒腫を治す方法は、内服薬や目薬を用いたとしてもあまり症状の改善が期待できません。
炎症が起きるケースでは、放っておくだけで脂肪が炎症に吸収されてくれることもあります。
酷くなってしまうとカプセルが硬化したような状態になりますので、脂肪が膜に覆われて、自然治癒されにくくなります。
自然治癒されなければ、病態に応じて摘出手術が行われます。
霰粒腫が回復したとしても、繰り返し発症するケースでは悪性の腫瘍であることが考えられますので注意しなければなりません。

ものもらいはうつる?

ものもらいはウイルスが原因の疾患ではないことから、うつる心配はありません
目の疾患と聞いて多くの方が連想するものの一つに「はやり目」があり、はやり目にかかった経験がある方はものもらいも同じようにうつる? と思われるようです。
ものもらいは脂肪の固まりや雑菌が原因で引き起こされることから、感染はしません。

ものもらいと他の疾患の見分け方

目に生じる疾患は、ものもらいだけではありません。

結膜炎との見極め

ものもらいの見分け方は充血していないこと、赤くまぶたが腫れて硬い部位ができていないことで判断できます。
もし結膜が充血しているなら、ものもらいではなく結膜炎の可能性が高いといえます。
これらの他にただれ・耳前のリンパ腺の腫れ・ひどい充血・痛みなどの症状があるなら、ウイルス性結膜炎かもしれませんので、医師に診てもらってください。

結膜炎とは

流行性角結膜炎は昔から通称はやり目といい、アデノウイルスが原因で発症する結膜炎です。
流行性角結膜炎を引き起こすアデノウイルスの種類は主に8型・19型・37型・54型などで、感染力が非常に高いことからはやり目の異名がつけられました。
感染経路は主に接触感染ですので、手や指にウイルスが付着していることに気付かず目をこすってしまうなどすることで目に侵入し発症します。

黒目部分である角膜と白目部分の結膜に炎症が生じる疾患で、耳の前にあるリンパ節の腫脹・目の痛み・異物感・目ヤニよりも多くの涙がでる・朝目を覚ますと目が開けられないほどたくさんの目ヤニが生じる・まぶたの腫脹・結膜のひどい充血などの症状が現れます。
夏に感染力が高まる流行性角結膜炎ですが、1年中感染する可能性はあります。
人に感染して発症することから、子供が流行性角結膜炎にかかったときには出席停止となり、学校や保育園などに行かないことで周囲に拡がることを防ぎます。

はやり目の症状とは?うつる確率や出席停止・仕事への影響は?

ものもらいを治す方法

ものもらいにかかったら、どのように治していくのでしょう。

医療機関での治す方法

患者さんの症状によって、対応が取られます。
目薬のみが処方されて様子を見るケース、目薬の他に眼軟膏も処方されるケース、抗生物質、抗炎症作用のある内服薬も使用されるケースなどさまざまです。
眼軟膏は目の中に入ることを心配されるかもしれませんが、目に入っても問題ない軟膏ですので安心して使用できます。

すでに腫れや痛みの症状がおさまったあとでも患部にしこりが残っているなら、ケロイドなどを治す目薬や内服薬が処方されます。
西洋医学の薬だけでなく漢方薬にも効き目があるものがありますので、医療機関や患者さんの症状によって併用されています。

ものもらいの手術

大切な目の近くを治療する手段として、手術が必要ともなれば痛みが心配になるところです。
麻酔薬をまぶたに注射してから手術を行いますので、注射のときに多少の痛みがあるものの、手術時の切開時にはほぼ痛みはありません。
手術直後には眼帯を着用しますが、次の日には眼帯も不要です。

ものもらいが回復するまでに要する期間の目安

ものもらいを発症したら、回復するまでどのくらいの期間がかかるものなのでしょう。
症状が腫れだけでしたら、約1週間で回復します。
ものもらいによってはしこりが残り、その場合は数か月を要するケースもあります。

日常生活でできること

ものもらいを発症したら、規則正しい生活習慣を送れるように調整することが大切です。
専門医の治療を受ける以外に以下のことを実践すれば、よりスムーズに回復していきます。

  • 甘いまたは辛い食べ物などの刺激物をできるだけ摂取せず、アルコールの量を抑える
  • 睡眠不足にならないように気を付ける
  • コンタクトレンズの使用を避ける
  • ホットタオルで患部を温める
  • アイメイクを控える
  • 入浴はシャワーですませず湯船につかる
  • メイク道具や寝具は清潔に
  • 海水浴やプールなどは避ける

トウガラシやアルコールなどは刺激が強烈ですので、患部に炎症が起きているものもらいなどの疾患は進行させる危険性があります。
とはいえ、アルコールは仕事や人付き合いなどで飲まないといけない場合がありますよね。
そんなときは、できる限り必要最低限の量にするよう意識しているだけでもアルコールの総摂取量は違ってきますので、忘れないようにしてみてください。

コンタクトレンズを普段している方は、ものもらいを発症している間だけはつけない方が治りがよくなります。
コンタクトレンズに付着した汚れなどが原因となり、ものもらいを進行させる可能性があります。
どうしてもコンタクトレンズを使用しなければならない場合は、使い捨てタイプのものを選び、1日使用したら処分するようにすれば清潔な状態でいられます。
つけている時間をできる限り短くすることで、目にかかる負担を軽くすることが重要です。

ホットタオルで温めることにはものもらいになってからの改善作用だけでなく、発症する前の予防効果も期待できます。
マイボーム腺の排出口が詰まらないようにするためには、患部をホットタオルで保温することが有効です。
就寝前や入浴時など、2分~3分程度で十分ですので保温してみてください。

お化粧でまつげの生え際にアイラインを塗るなどのアイメイクをする場合は、注意が必要です。
まつげの生え際にはマイボーム腺があり、アイメイクを塗ってふさいでしまうと脂を排出する出口が閉ざされてしまいます。
ものもらいが完治するまでは、極力アイメイクはしないことが理想的です。
アイメイクを塗らないだけでなく、いつも清潔に保つようにしてください。

入浴は特に夏季にものもらいを発症した場合は湯船につからない方が増えますが、回復するまでは体をしっかり温めることが完治の助けとなりますので、シャワーだけですませないようにしたいところです。
湯船で体が十分に温まればまぶたも温まり、脂肪がマイボーム腺につまりにくくなっていきます。
湯温を40℃くらいに設定し、10分~15分くらいかけてじっくり浸かれば体が温まります。

メイク道具や寝具は清潔に維持することで、細菌が侵入して炎症を発症させるリスクを減らすようにしましょう。
メイク道具は小まめに洗浄し、枕カバーを洗濯したり別のものに取り換えるなどして使用してください。

海水浴やプールなどは避けるというのは、決して水を介して感染するという意味ではありません。
ものもらいの炎症部位にとっては海水やプールに使用されている塩素などが刺激になりますので、症状を進行させてしまうことにつながるためです。
医療機関で正しい診断を受けずに、素人が自己判断でものもらいとだと思っている場合、もしかしたらものもらいとは別の目の疾患にかかっている可能性もあります。
そうなると、例えば本当はウイルス性角結膜炎を発症しているとすれば、同じ海やプールなどに入っている人たちに感染させてしまう危険性が生じますので注意したいところです。

ものもらいを発症しない体づくり

ものもらいを発症するときというのは、抵抗力や免疫力が低下しているときが多いものです。
こうした体調のときはものもらいに限らず、細菌感染によって発症する他の病気にもかかりやすい状態といえます。
以下のことを心掛けて、抵抗力や免疫力を高く維持するようにしましょう。

  • ストレスや疲労を蓄積させない
  • 十分な睡眠時間を確保し、しっかり休養をとる
  • 身体を健康に維持する

「めばちこ」と「ものもらい」の違い

ものもらいができてそう呼んでいたら、めばちこと呼んでいる人がいたということはありませんか。
ものもらいもめばちこも同じ疾患のことをさしていますが、学術的に正式な病名は麦粒腫です。

ものもらいという呼び名は東日本から全国に普及したと伝えられており、現在は沖縄県・鹿児島県・佐賀県・島根県・静岡県・長野県・山梨県・富山県・新潟県・神奈川県・東京都・千葉県・埼玉県・群馬県・栃木県・茨城県・福島県・山形県・岩手県・秋田県・青森県で使用されている呼び方です。
一方のめばちこという呼び方は、岡山県・和歌山県・奈良県・兵庫県・大阪府で使用されています。

他にも、都道府県によってまだまだ別の呼び名があります。
めんぼ ── 三重県・愛知県・岐阜県
めもらい ── 大分県・長崎県・福井県・石川県
めぼいた ── 鳥取県
めぼう ── 高知県
めぼ ── 香川県・広島県・三重県
めっぱ ── 群馬県・北海道
めいぼ ── 宮崎県・福島県・愛媛県・徳島県・山口県・京都府・滋賀県
ばか ── 岩手県・宮城県
おひめさん ── 熊本県

※これらの他にも、ものもらいは土地によってまだまだ違った名称で呼ばれています。

ものもらいなら眼帯はしないで!


ものもらいの疑いを感じたとき、すぐに病院へ行けない場合はとりあえず眼帯で守ろうとしたくなりますが、本当にものもらいを発症している場合は眼帯をしないようにしてください。
菌が感染するものもらいは、眼帯の内側で菌を増やしてしまうからです。
ものもらいにかからないよう防ぐには、日常的に目元を清潔に維持するよう心掛けることが大切です。
目にゴミが入ったときなどつい汚れているままの手でこすりたくなりますが、触れないよう注意してください。

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