日本脳炎とは、ウィルス感染症の1つで、感染するウイルスは日本脳炎ウイルスという名前のウイルスです。
海外では東南アジアから南アジアにかけて広く発生し、世界では年間3万から4万人ほどの感染報告があります。

感染経路は豚から蚊を経て人へ

日本脳炎ウイルスは人から人には感染しません。
動物の体内でウイルスが増殖し、その動物の血を蚊が吸って、蚊が人に刺すことで感染します。
増殖する動物は豚が多いです。

日本では蚊はコガタアカイエカという種類の蚊になりますが、豚からウイルスに感染した蚊でなければ、刺されても感染することはありません。


引用元: 国立感染症研究所ウイルス第一部(http://www0.nih.go.jp/vir1/NVL/index.html)

症状は大人よりも高齢者と子どもが危険

潜伏期間は6日から16日間です。
ウイルスにかかったから必ず発症するという訳ではなく、感染後発症するのはおおよそ1000人に1人とされています。

初期症状

40度近い高熱が数日間続き、頭痛、吐き気、めまいなどが起きます。
また子どもは腹痛、下痢の症状が出ることもあります。

続いて起こる症状

初期症状が出てから、項部硬直(こうぶこうちょく)といって、頭の後ろ側やうなじの筋肉が縮んで固くなってしまう症状が出ます。
他にも脳神経の症状も出て、意識が朦朧(もうろう)としたり、麻痺や痙攣(けいれん)などをおこします。

完全な治療法はない感染症

日本脳炎ウイルスが感染してしまうと、治療は完全にはできないとされています。
症状が発生した時点でウイルスによって脳細胞の一部が壊れてしまい、ウイルスを退治できても壊された脳細胞は戻すことができないのです。

危険な年代

高齢者、小さな子どもは死に至ることも多く、特に子どもは障害が残ることもあります。

死亡率は20〜40%で、幼少児や老人では死亡の危険は大きい。精神神経学的後遺症は生存者の45〜70%に残り、小児では特に重度の障害を残すことが多い。
引用元 国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/)

予防がとても重要

ウイルスに対する薬も現在はありません。
そのため、病院では熱などの症状に対しての治療を行います。

治療は難しいですが、予防するためのワクチンがあり、このワクチン接種が非常に重要となっています。
地域で定期予防接種とされている場合、補助金が出ます。

予防接種を行う間隔

生後の定期予防接種の項目の1つとなっている地域も多いです。
流行りが見られていなかった北海道や東北などは定期予防接種に含まれていないこともあります。

1期と2期にわかれる

定期予防接種は基本的に2期にわかれており、1期は3、4歳の間で2回行います。
この1回目と2回目は1週間から1ヶ月の間隔をあけます。
追加でもう一度行うこともでき、その場合は2回目から1年程期間をあけて行います。

2期は9、10歳の時に1回行います。
地域によっては第3期として14、15歳の時に追加で受ける場合もあります。

また、日本脳炎以外の予防接種を受ける場合は1週間以上あけるようにしましょう。

ワクチンの不足問題

2017年5月にワクチンが不足されるとして、国が医療関係者に対策をとるように連絡しています。
そのため2回もしくは3回接種している場合、接種ができないこともあります。
対応は地域や病院によって異なりますので確認が必要です。

現在は副作用の危険性は低い

確率としては低いですが、日本脳炎ワクチンの接種で副反応が出ることもあります。
副反応症状としては発熱が2日以内に発症、他には注射した部分が赤くなったり腫れや痛みが出ることもあります。
これらの症状は1日で治まれば問題ありません。

もし副反応が2日続いた場合や症状が酷かったり、ぐったりしている場合はアレルギーの可能性もありますので、病院で診てもらいましょう。

副反応によるワクチンの推奨控え

一時期、国が日本脳炎ワクチンの予防接種の推奨を控えていたことがありました。
これは低い確率ではあるものの重い副作用の事例があったためです。
ですがワクチンの開発が進み、現在では問題はないとされています。

日本脳炎の予防接種後に重い病気になった事例があったことをきっかけに、平成17年度から平成21年度まで、日本脳炎の予防接種のご案内を行いませんでした(いわゆる「積極的勧奨の差し控え」)。
その後新たなワクチンが開発され、現在は日本脳炎の予防接種を通常通り受けられるようになっています。
引用元 厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/)

予防接種を受けていない場合は?

推奨を控えていた時期があったので2回目を受けていなかったというケースがあり、市町村では受けていない人に対しての案内が出ていることがあります。

平成7~18年度に生まれた方は、平成17~21年度に日本脳炎の予防接種を受ける機会を逃していることがありますので、母子健康手帳などをご確認いただくとともに、今後、市町村からのご案内に沿って、接種を受けていただくようお願いします。
引用元 厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/)

定期接種で受けられる上限が決まっているので、その上限が過ぎないように接種しましょう。
不足で見送られていても、接種の上限年齢が過ぎていなければ基本的には受けられます。

上限は1期が生後90か月未満、2期は13歳未満です。
2期は平成7年4月2日から平成19年4月1日生まれで4回の接種が終わっていない場合、20歳未満となります。

海外旅行と日本脳炎

日本では地域によって日本脳炎のワクチン接種が定期予防に含まれていない場所もあるため、住んでいる地域や生まれた歳によっては、全くワクチンを受けていないこともあります。
日本脳炎が流行している地域の海外へ旅行する場合、予防接種を受けていない場合には、病院に相談して予防接種を受けることができます。

東アジア、東南アジア、南アジアに、特に農村で豚を飼っている地域に長期滞在する場合には気をつけましょう。

現在は行うべき予防接種

副反応以外にも、予防接種を受けない理由は様々あります。
特に生後は様々な予防接種もあり、スケジュールを組むことも大変な時もあると思います。
ですが日本脳炎は発症してしまうと治療がほとんど難しい病気のため、現在は国としては受けることを推奨しています。
また不足しているとされながらも、ワクチンの接種経験がなく受けられる上限年齢が近い人は受けることができるようになっています。
予防接種をするかどうか、しっかりと検討しましょう。

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