嬉しい・気分が落ち込む・上機嫌でいられるなど、感情にはさまざまなものがありますが、自分で制御できずに苦しい思いをしているなら気分障害かもしれません。
気分障害は精神疾患の一つで、症状の進み具合によっては日常生活に悪影響が及ぶことも考えられます。
主にうつ状態や躁状態の症状が現れ、患者さんによって分類や処方される治療薬が異なります
気分障害は発症してから治療を始める時期が早くなるほど、回復も早くなります。
本ページで特徴をチェックして、ぜひご自身の症状と照らし合わせてみてください。

気分障害とは

楽しい気分になったり不安な気持ちで落ち込むことなど、心の状態の浮き沈みは誰にでもあるものです。
それらは本人の身に起きた出来事から生じる感情ですが、人によっては出来事となんの関係もなく急激にハッピーになったり、正反対に気分が沈んだりして、感情の制御が自分でできなくなる場合があります。
一時的なことではなく一定期間を超えて継続し、日常生活に支障が出るようになると、気分障害という心の疾患を発症している可能性がでてきます。

主な気分障害の種類

気分障害と診断された10代~20代の患者さんが多く発症しているのは、うつ病と双極性障害です。
うつ病の主な症状は何週間もの間続く気分の落ち込みで、双極性障害は活動的な時期とうつ状態が交互にやってきます。
うつ病も双極性障害も気分障害に分類されているのですが、治療時に投与される薬は別のものです。

うつ病の特徴

気持ちが沈んで気力を失うのが、うつ病という疾患です。

うつ病の症状

嬉しい・楽しいなどの積極的な気持ちが喪失し、反対に生きている意味が見いだせなくなる・強烈な罪悪感にさいなまれるなどのマイナス思考から抜けられなくなり、患者さんによっては自殺する可能性まで考えられます。
身近な人が亡くなったなど精神的に受けた負担が引き金となり発症することが多いのですが、これといった原因がなにもないのにうつ病にかかるケースもあります。
発症した当初は重苦しい感情ではなく、頭が重い・だるい・不眠になるなど身体的な症状の方が悩みとなっています。
病状が進行して精神的な症状が悪化すると、妄想が生じる場合もあります。

うつ病の治療法

うつ病は抗うつ薬を軸に治療が行われ、沈んだ気持を和ませたり、睡眠リズムを整えていきます。
病態に応じて抗不安薬などが処方され、不安感を緩和させます。
カウンセリングが行われるケースでは、患者さんを自責の念からの解放や、ストレスを軽減などしていきます。

うつ病のチェックリスト

以下に、うつ病に関する9つの項目があります。
1番もしくは2番に該当し、トータルで5つ以上の症状が2週間以上継続している方は、うつ病と診断される可能性があります。

1)今まで好きだったことに対して興味を失った、同じように楽しむことができない
2)朝から晩まで悲しくて暗い気持ちが継続する
3)未来が明るいと思えずに、死を選びたくなる
4)決断力が鈍り、集中力が低下している
5)自分なんてなんの役にも立たないと思い込む
6)なにに対しても意欲が湧かない、元気がなく疲労を感じやすい
7)焦る、イライラ感がつのり怒りっぽい
8)連日睡眠不足である、または可能な限りいくらでも眠り続けることができる
9)過食に走る、または食欲が湧かずに体重が落ちてきた

双極性障害の特徴

双極性障害は心の病いで、躁状態と呼ばれる身体的にも精神的にも度を越えてエネルギーに満ち溢れる時期がある程度継続します。
数日~数週間の間隔で躁状態とうつ状態を交互に行き来する患者さんが多いことを受けて、以前は躁うつ病という名前でした。

双極性障害の症状

双極性どの症状の中で躁状態が現れている間は、十分な睡眠時間を確保しないにもかかわらず、疲労が蓄積するどころか逆に頭の回転スピードが速くなり、しゃべりまくります。
ちょっとしたことですぐに怒りが爆発するようになったり、イライラと落ち着きがない状態になるケースもあります。
妄想を抱くようになり、自分は特殊な力を持っていると信じ込む患者さんも少なくありません。

双極性障害の症状が現れている全ての気分障害の患者さんが、同じ状態でいるというわけではありません。
例えば、躁状態の現れ方が軽い患者さんですと、第三者から見たら張り切っているだけという印象止まりで、当事者ですら辛いというほどでもないことから、病気を発症しているという認識を持ちにくい傾向があります。
躁状態のときに自覚を持ちにくいため、病院で診断を受けるときはうつ状態が現れている時期になりがちなため、本当は双極性障害であるにもかかわらずうつ病と誤診されてしまうことも珍しくありません
双極性障害は処方される治療薬がうつ病と違いますので、誤診は避けたいところです。
もし、うつ病と診断されて治療がスタートしてからも躁状態の可能性がある時期があれば、医師に相談しましょう。

双極性障害の治療法

気分安定薬という治療薬が主に処方されます
双極性障害の患者さんがうつ病の治療薬である抗うつ薬を服用した場合、返って症状がひどくなる可能性があるため、異なる薬が用いられます。
患者さんによってどんな症状が強く現れるかに個人差があり、とりわけ躁状態が強めの場合は他人や本人自身を傷つけるリスクがあることから、入院治療が推奨されるケースもあります。

気分障害を発症する原因

気分障害にかかる原因はまだ未解明の段階ですが、環境と遺伝的要素の影響が大きいといわれています。
これらに加え、セロトニンやノルアドレナリンなど脳細胞の機能にかかわる物質の障害も指摘されているところです。

引っ越しをして暮らしの環境が大きく変化したときなどは、心に影響が現れるのは想像しやすいでしょう。
他には身体的病気の発症・退職・昇進・転勤・失恋などの失敗・事業や試験で負った失敗・親しい人との死別や別離なども気分障害の発症原因になると考えられています。

意外なのは、昇進などの大きな目標を成し遂げたあとに気分障害を発症する場合があることです。
長期間に渡って大きなストレスがかかっており、成功を手に入れたことによってストレスから解放され大うつ病にかかります。
これを、荷(に)おろしうつ病といいます。

遺伝的要因では、あるデータが発表されています。
気分障害に父親もしくは母親がかかっている場合、2人の子供が発症する確率は24.4%くらいです。
兄弟の1人でも気分障害の診断を受けている場合、他の兄弟も発症する確率は12.7%くらいです。
一般的な人が気分障害を発症する割合は0.44%ほどと少ないことから、遺伝的要素が原因の一つとされています。

正しい病気の特定が改善につながる

気分障害はうつ病と双極性障害が属している病気ですが、それぞれの中でも細かい分類がなされています。
うつ病性障害としては抑うつ関連症候群・特定不能のうつ病性障害・気分変調症(気分変調性障害)など。
双極性障害は気分循環性障害・II型双極性障害・I型双極性障害・躁病エピソードなど。
さらに気分障害は不安障害(パニックなど)や認知症などを併発する可能性もあります。
気分障害かなと気になったら早めに専門医や看護師さんに相談することで、本当は何の病気にかかっているのか正しく把握することができます。
すぐにでも治療を開始することで、症状が楽になっていくことを願っています。

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