躁うつ病だと診断されても、自分がなるはずのない病気だと思った方が大半でしょう。
診断をした医師に怒りが湧き、誤診だ、ヤブ医者だと思ったかもしれません。
躁鬱病は現在双極性障害という病名で呼ばれており、ほとんどの患者さんは診断を受けてもすぐに自分のこととして受け入れることができません。
ただ、双極性障害はショックを乗り越えて自分のことだと認識し、再発予防に立ち向かい始めたときに初めて改善の方向に向かいます
本ページでは、双極性障害についてどのような症状が現れるものなのか、原因などについてもお伝えしていきます。
誰しもが一度は落ち込んだり避けたい気持ちが湧く病気ですが、1日でも1時間でも早く症状が現れない生活を取り戻す一助になれれば幸いです。

双極性障害とは

精神疾患である双極性障害は、その中で気分障害に分類されている病気です。
うつ状態と躁状態のどちらの症状もあり、極端な形で両方を行き来するという慢性の疾患です。
うつ状態だけを発症する患者さんはうつ病と診断され、双極性障害ではありません。
躁状態のみというケースも全くないわけではないのですが、うつ状態が経過の途中で現れることも多々あることから、分類せずに双極性障害とされています。

双極性障害の3種類の症状

躁状態の現れ方の度合いにより、軽躁状態・ただの躁状態・うつ状態の3種類に区別されています。

軽躁状態

第三者が客観的に見ていても目に余るほど気分が高揚しており、睡眠を取っていないにもかかわらず平気で過ごしています。
むしろいつもより元気で仕事もスムーズにこなし、患者さんご本人も周りの人たちもさほど困ることがない状態です。
発症していないときの本人を知っている人が見るとハイな印象で、症状が現れているときだけ普段より人間関係に積極的です。

躁状態

躁状態は入院を余儀なくされるほどよくない状態で、仕事や家庭に大きな影を落とすほど激しい症状が現れます。
睡眠をろくに取らずに動いており、家族など周りの人たちにひたすら話しかけ続け疲れさせてしまいます。
勉強や仕事にバリバリと励むのですが、集中していられる時間が短いので、全て中途半端なところまでしか終わらせられません。
借金までして数千万円という高額ショッピングをしたり、ハイリスクなことばかりいくつもチャレンジしたり、法的なトラブルを起こすなど、社会的な信用を損失して離職することになるケースも少なくないほどです。

軽躁状態も躁状態も多くの患者さんに共通しているのは、自覚がないことです。
周りに多大な迷惑をかけているときですら、調子がよく気分も爽快であり、トラブルに巻き込んでいるという認識がありません。

うつ状態

うつ状態に入っている間は、症状を自覚できます。
うつ状態の中核となる症状は、主に「興味・喜びの喪失」と「抑うつ気分」の2種類です。
興味・喜びの喪失は、あらゆる物事に対して興味が湧かなくなり、どんなことをしているときでも嬉しい・楽しいという感情が持てません。
一方の抑うつ気分は、1日中言葉で的確に表現することが難しいうっとうしい気持ちが継続し、それが数日間も長引きます。
どちらか一方、または両方の症状を発症し、うつ状態である自殺念慮・自責感・やる気が湧かない・疲れやすい・体重の増加減少・食欲の亢進や減退・早朝覚醒などの症状の中から5種類以上が連日2週間以上も続くのがうつ状態です。

双極性障害を発症して1番目に生じた症状であるうつ状態もしくは躁状態から、2番目の症状が現れるまでに約5年の月日があきます。
うつ状態と躁状態のどちらも現れない時期もあり、その期間は健康な人となんら変わりはありません。
だからといって、症状が現れないからまだ完治したといえない状態ですので、医師から処方された薬を自己判断で中断していると、たいていの患者さんは何度もうつ状態と躁状態を反復することになります。
治療が行われていなければ、うつ状態と躁状態の症状が現れる間の期間がどんどん短くなっていき、最終的には症状が1年間に4度以上も現れる急速交代型になってしまいかねません。
こうなると薬を服用しても効果がでにくくなりますので、気を付けてください。

躁状態の強さによって分類されるケース

生じる躁状態の強さにより、以下の2種類の双極性障害にも分類されています。

双極Ⅰ型障害

双極1型障害はうつ状態だけでなく、強烈な躁状態が生じる双極性障害。

双極Ⅱ障害

双極2型障害はうつ状態だけでなく、軽度の双極性障害が生じる双極性障害。

薬でこれまでの変わらぬ暮らしができる

精神疾患はいろいろありますが、双極性障害は対処法や治療法が充実しているのが特徴的です。
症状を薬の投与で制御できることから、治る前段階であっても発症前と同様の暮らしを保つことも不可能ではありません

逆に、何も治療を受けずに放っておけばうつ状態と躁状態を何回も行き来することになります。
そうした日々では、社会的な信用や人間関係、家庭や仕事上での暮らし基盤が崩れてしまうことが懸念されます。
これらの双極性障害の性質を総合し、重大な疾患だと考えられています。
激しい躁状態のときは取る行動が極端なことから社会的な問題を発生させてしまったり、うつ状態のときは自ら死を選びたくなるなど気持ちが落ち込む場合もあるからです。

双極性障害の発症原因

双極性障害がどのような原因で発症する病気なのかは、まだ明らかにされていません
ただ、精神疾患の中でも双極性障害はゲノムや脳などの身体的な要素が大きな病気だといわれています。
双極性障害を進行させる原因はストレスですが、「心の悩み」と簡単に表現できるものではありません。
そのためカウンセリングや精神療法のみを受けたところで、根本的な解決には至らない病気です。
どんな性格の持ち主であっても発症する可能性が、双極性障害にはあります。

うつ病という誤解

双極性障害は、しばしばうつ病と誤解されやすい面があります。
確かに、以前は躁うつ病と呼ばれていた事実もありますので、うつ病だとの誤解も無理はありません。
実際には違う疾患ですので、それぞれの患者さんは別々の治療を受けています。

気分の浮き沈みは双極性障害ではない

双極性障害は躁状態とうつ状態の時期を行ったり来たりしますが、病気ではない健康な人でも気分の浮き沈みは当然ありますよね。
楽しいときには幸せな気持ちでいっぱいになりますし、嫌な出来事に遭遇すれば気分も落ち込むのは人間の自然な感情です。

薬の中断はまず医師に相談

双極性障害は薬を服用し続けることにより、症状の再発がない日々へと一歩一歩近づいていける病気です。
症状が全く現れなくなったときこそ肝心で、医師に相談することなく自己判断で服用を中断してしまわないことが重要です。
薬を飲むのをやめたくなる動機は治ること以外に、副作用が辛い、真面目に服用し続けているのに効果を実感できない、飲んでいるのに再発したなどいろいろあるかもしれません。
そんなときはかかりつけの医師に率直に相談することで、改善させるための道を模索できます。
なにより薬を途中で中断することは再発につながることだと知り、いつもどんな兆候が現れたら再発するのか自分で把握して再発を防いでいきましょう。

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