足首(外側)の痛みがある場合、どんな病気が原因に潜んでいるのでしょう。
病気の種類や状態によっては全く病院に行く必要がないものもありますし、逆に適切な治療をしておかないとどんどん進行するものもあります。
本ページでは足首(外側)の痛みが起きる場合に、どんな病気の可能性考えられるのかをご紹介します。
それぞれの特徴をご参照いただき、ご自身の症状と合っているようでしたら、治療方法など参考になさってみてください。

アキレス腱付着部症(ふちゃくぶしょう)

アキレス腱付着部症は、かか骨とアキレス腱の付着部(くっつく部分)やその周りに痛みの症状が現れる疾患です。
足首を上方向へ曲げた際に、激痛が走ります。
症状が悪化すると、上方向に曲げたときだけでなく何もしていないときでさえ痛みが引きません。
履く靴のデザインがかか深いものの場合、アキレス腱付着部症が進行してしまいますので注意が必要です。
かか骨とアキレス腱が触れる部位に、腫れの症状が現れることもあります。

アキレス腱付着部症の原因

かか骨とアキレス腱の付着する箇所に、大きな引っ張る力(牽引力・けんいんりょく)がかかります。
少し上の位置で骨と腱が接触することから、双方が圧迫を受けている状態です。
こうした力が何度も加えられることが原因で、骨と腱の接している部位に痛みの症状が現れます。
アキレス腱付着部症が発症する原因は、足に合っていない靴を履くこと・筋肉の柔軟性が落ちたこと・スポーツや仕事などでの酷使・足の形状やかか骨の異常などがあげられます。
悪化すると骨化(こっか)・石灰化(せっかいか)・肉芽(にくが・にくげ)形成などの組織変化が生じます。

アキレス腱付着部症の治療方法

アキレス腱付着部症の治療方法は保存的治療と手術療法があり、さらに保存的治療は理学療法と薬物療法に分かれます

1)理学療法 ──

  • アキレス腱をよくストレッチする。
  • 靴に中敷き(足底挿板・そくていそうばん)を使用して履くようにしたり、自分の足の形状にフィットした靴を選ぶ。

2)薬物療法 ──

  • 痛みの緩和を目的として、経口剤や非ステロイド系消炎鎮痛薬の外用剤を用いる。
  • ひどい痛みの症状にはステロイド剤の局所注射が使用されるケースもあるが、アキレス腱断裂や腱の強度が弱まるなどのリスクもあるため注意が必要。

手術療法は、保存的治療をしても治らないほど進行している場合に用いられます。
かか骨が出ている部位(踵骨後上隆起・しょうこつこうじょうりゅうき)の一部や変性した腱の部位を除去しなければなりません。
近年の傾向として、アキレス腱付着部症の手術は内視鏡による方法が主流となっています。

足関節外側靭帯(じんたい)損傷(足関節捻挫)

足関節外側靭帯損傷の足関節とは、足首にある関節のことです。
足関節外側靭帯とは足首の外側のくるぶしより下に位置する3種類の靭帯の総称で、前距腓靭帯・踵腓靭帯・後距腓靭帯があります。

足関節外側靭帯損傷の原因

足関節外側靭帯損傷は、段差のある場所を歩いていて踏み外したりスポーツをしているときに、内側へ足をひねったことが原因で発症します
足関節外側靭帯損傷は、スポーツ外傷でも特に発症頻度の高い負傷です。
3種類ある中で、一番多いのは前距腓靭帯。
2番目が踵腓靭帯で、後距腓靭帯はわずかです。

足関節外側靭帯損傷の治療方法

足関節外側靭帯損傷は、負傷したときに適切な治療を受けるかどうかで、回復度に大きな違いが現れます。
特にアスリートの方などは、スポーツ中のケガが原因で復帰できなくなることが心配になります。
足関節外側靭帯損傷を負った直後に適切な治療を受けることができれば手術を受けなくても順調に回復し、再びスポーツに取り組めるまでになります。
適切な治療をせず放っておくと、足首が不安定な状態になったり痛みが残り、捻挫をすることがクセになってしまいます。
足首の可動域が狭まってしまうことにより、正座ができなくなる可能性もあります。

ケガをしたその場で安静・アイシング・圧迫・拳上の4つの手当て(RICE療法といいます)を受けられることが理想的です。
靭帯の部分断裂が生じるのをグレードⅡといいますが、このレベルまでの症状でしたら装具を着用することと理学療法を中心に行う保存治療により、早い段階でスポーツを再開できるようになります。
完全断裂するのをグレートⅢといい、ギプス固定をある程度の期間は続け、足関節外側靭帯損傷によって断裂した靭帯をつける治療が行われます。
ギプス固定が終わったら、グレートⅡと同じ治療法が行われます。
時間が経過しても痛みの症状が改善されなかったり、足関節捻挫を何度も負うようであれば、靭帯の再建が必要になります。

変形性足関節症(へんけいせいそくかんせつしょう)


引用元: おく整骨院(http://www.oku-seikotsu.com/)

変形性足関節症は、足関節外側靭帯損傷を負って適切な治療をせずに放っておいた場合に症状が進行して発症することがあります。
主な症状は、歩くときや運動を行うときに生じる痛みです。
足首の動きが限られてくることから、正座をすることが困難になります。

変形性足関節症の原因

変形性足関節症は炎症・ケガ・年齢を重ねることなどいろいろな要素が原因となり、足首の軟骨がすり減ります。
変形性足関節症が進行していくと軟骨がなくなってしまい、それによって骨と骨が直に摩耗してしまうので、機能障害や痛みが増します。

変形性足関節症の治療方法

変形性足関節症の主な治療方法は、保存療法・関節固定術・手術療法の3つです。

  • 保存療法 ── まだ初期段階なら、保存治療(関節内注射など、手術をしない治し方)・消炎鎮痛剤・足底挿板・理学療法(筋トレなど)が効果的です。
    足底挿板は靴の内側の底に中敷きを使用するという方法で、外側を持ち上げるタイプの中敷きで、荷重が内側に集中している状態を改善していきます。
    炎症止めや痛み止めの注射を足首に打つケースもあります。

 

  • 関節固定術 ── すでに末期の病態にあり、強い変形が生じている場合に用いられます。
    長期的な痛みの症状を、確実に除去できる治療法です。

 

  • 手術療法 ── 症状がある程度まで進んでいると、患者さんの活動性や年齢、病態の進行具合などより、適した手術療法を選んで実施されます。
    「下位脛骨(けいこつ)骨切り術」という手術方法ではすねの骨(脛骨)を切開し、傾いた関節を矯正し、さらに固定します。
    「足関節固定術」は、変形が進んでいる患者さんに用いられる手術です。
    足首を固定するのですが、術後に固定されていても患部の周りにある関節が動くようになることから、普段の生活で必要な動きで困ることはほぼないでしょう。
    術後は患部が安定するという方法なので、特に農作業をされる方や運動をされる患者さんなどに用いられます。
    「人工足関節全置換術」は、患部の変形が進行している患者さんに適しています。
    人工関節を関節面に置き換えるというもので、可動域を失わずにすむことから、手術後スムーズにリハビリに取り組めます。

ガングリオン

ガングリオンは足首の周りを始めとし、手首の周りや膝周りなど関節周辺・神経・筋肉・骨などに発症しやすい良性のしこり(腫瘤・しゅりゅう)です。
米粒ほどからピンポン玉くらいまでとガングリオンのサイズはまちまちで、ゼリーのようなもの(柔らかいものから硬いものまである)が袋の中に溜まってできたしこりです。

ガングリオンの原因

ガングリオンの発症原因はまだ解明されてはいませんが、いくつかの有力とされている説があります。
最も有力視されているのは、腱鞘や関節包(関節を包んでいる膜のこと)にできやすいことから、その周辺に通常なら現れない異常な物質ができてガングリオンが発症するという説です。
他にも、捻挫などの小さな外傷が原因で大きくなるという説があります。

ガングリオンのサイズが小さなものでは、ほとんど患者さんはこれといった症状は実感しません。
ただ、ガングリオンが発生した部位が神経の近くだった場合は、足首などの痛みや運動麻痺、しびれなどの症状がでることもあります。
逆に、全く自覚症状がないまま自然治癒しているケースもあります。

ガングリオンの治療方法

ガングリオンの治療や診察を受ける場合、病院の整形外科や皮膚科を受診します。
小さくて痛みなどの症状が何もなければ、ガングリオンは治療を受ける必要はありません。
ただ、症状がありサイズが大きいなら、主に保存療法と手術療法が行われます。
保存療法は、主に以下の3種類で治療されています。

  • 内服薬 ── 痛みの症状を緩和させる目的で、消炎鎮痛剤の内服薬が処方されます。
    ただ、免疫力低下や胃を悪くするなどの副作用のリスクがあるため、医師と相談した上で検討することが大切です。

 

  • 押し潰す ── 施術中の痛みが強いということから、現在はあまり選ばれていない治療方法です。
    ニキビのように、ガングリオンを圧迫することで潰し中身を取り出す圧座(あつざ)と呼ばれる方法を行います。

 

  • 注射での吸引 ── ガングリオンの中に含まれている成分を注射器を用いて吸出します。
    何度もこの作業を反復することで中身をたいていは全て取り出すことはできるのですが、袋は残ったままです。
    袋がある以上は再発のリスクがあるということから、医師によってはステロイド薬をガングリオン内部に入れる処置が行われます。

    手術療法は、保存療法で効果が出なかった場合や何度も再発している患者さんに対して行われます。
    袋を全部除去するため保存療法よりも再発のリスクが低いのですが、深いところまで達しているガングリオンの場合は全部を除去しきれない可能性があります。
    その場合は、再発することも考えられます。

先天性内反足


引用元: 兵庫県立こども病院(http://www.hyogo-kodomo-hosp.com/)

先天性内反足は、足の先が生まれつき下側と内側方向に向いており、内側に足の裏がへこむ変形の症状がある疾患です。
手だけで容易に改善させることは困難で、全体的に硬いのが特徴です。
変形が改善されないまま成長期や成人期になると、かかとが上がり、足の裏の前外側に重心がかかる状態になります。
歩くときには内曲歩行と呼ばれる、内側につま先が向いた歩き方になります。
疲労骨折や関節炎などを発症し、痛みの症状が現れます。

先天性内反足の原因

先天性内反足の発症原因は、まだ解明されていません。

先天性内反足の治療方法

先天性内反足は自然治癒しない疾患ですので、生まれてから早い段階で初期保存治療をスタートさせることが重要です。
治療が先延ばしになるほど、難治性になります。

最初はギプスを用いた治療から開始され、2か月~3か月間の期間をかけて、1週間に1度程度ごとにギプス交換をするという作業を行います。
これだけで矯正ができなかった場合には重症と判断されますので、アキレス腱を切る皮下切腱術を行うために、わずかな皮膚切開をする手術をするケースもあります。
手術を行っても矯正がまだ不十分だった場合、距骨下全周解離術などの本格的な手術を1歳くらいに達してから行うケースもあります。

治療の甲斐あって矯正に成功したあとでも、身体が成長し終わるまでは何かしらの装具を身に着けることが原則になっています。
先天性内反足の治療で一番目指すゴールは、地面に足の裏をつけて歩けるまで(足底接地といいます)に持って行くことです。
幼児期や学童期を過ぎても、経過観察をしてその都度変形に対応していきます。

本当に良性のしこりか知るために

足首(外側)の痛みの症状が現れる病気はいろいろありますが、ガングリオンのように腫れていないし歩けないなどの困ることもない場合、しこりといっても良性なために特に専門家の治療を受ける必要はありません。
ただ、本当にガングリオンなのかを判断することは難しいので、正しい診断をしてもらうために一度受診しておけば安心できます
中には外側だけでなく内側や前側などの痛みを伴う場合もあるでしょうし、テーピングでごまかしているけれど一向に症状が回復しないというお悩みもあるでしょう。
足首(外側)の痛みがでる病気は、ご紹介した以外にも内反捻挫(ないはんねんざ)・末梢動脈疾患(PAD)・閉塞性動脈硬化症・骨折・疲労骨折・小児足関節捻挫(しょうにそくかんせつねんざ)などまだまだあります。
知らない腫瘍や腫瘤である可能性もありますので、早めに病院で相談しましょう。

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